毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

仏教っていいよね。

仏教が好き!

仏教が好き!

刺激的なタイトル。心理学者の河合隼雄さんが宗教学者中沢新一さんから仏教の講義を受けるというスタイルの本で(でも逆に河合さんが中沢さんに教えていることもたくさん)、専門用語などは慣れていないのでややむずかしかったがとても面白い本だった。

キリスト教イスラム教との違いは特になるほど、と思った。
どちらも男性原理だが仏教だけは女性原理とか、狩猟民族と農耕民族というあり方の違いが求める宗教の違いを産んだとか。また、神が人間と非対称(絶対的な神を人間が崇拝し、その立場はとても離れている)な宗教であり、仏教だけが神と人とはほぼ対称的な存在だという。私が何となく仏教が一番しっくり来るのはこの辺が原因かもしれない。

中沢さんはチベット仏教を研究された方だが、チベット人と初めて会った時に「キリスト教徒というのはかわいそうだ、罪人が神様だ。あんな板に打ちつけられた人を神様にして、しかもあれは死体でしょう。かわいそうな宗教だ」と言っていたらしい。それは1970年代の話なので、今はそんな風に言う人はいないそうだが、その素朴な疑問が私の中にもあったような気がしてすごく納得できた。

中沢さんによれば、殺された人を神とする宗教と、自然に亡くなった人を神とする宗教はあり方が全く違うのだそうだ。そうかもしれない。だからこそキリスト教に根ざしたヨーロッパの自然科学分野はこれだけ飛躍的に伸びたとも言える。たぶんエネルギーの出し方が違うんだろう。

それと、この本を読んでなるほどと思ったのは歴史的に日本では仏教と神道を一緒にしていた時期があったから、このふたつは近くなっているということ。私が通っているセミナーは古神道をベースにしたものなのだが、この本を読んで知った仏教ととてもつながるのものがあった。

一見仏教とは関係ないように見える今の仕事も、心を扱うという意味ではとても近いような気がする。
同じおふたりの対談ブッダの夢―河合隼雄と中沢新一の対話 (朝日文庫)も面白そうなので読んでみよう。