著者の和田裕美さんは、以前勤めていた会社で世界第2位のセールス記録を作ったことで有名な元・営業ウーマン。現在はその能力を活かして営業マインドを教える講演会や著作活動を行っている。
私は「営業」というものが苦手で一度もそういう仕事をしたことはないが、和田さんの本を読むと従来の営業のイメージが変わるし、営業の仕事をしていなくてもヒントになることがいっぱいある。この本はその中でも「話し方」に絞ってあり、仕事だけでなく個人的な人間関係にも役に立つと思う。
話し方といっても大事なのは相手の話をきちんと聞くこと。そのためには相手の話を聞きたいと興味を持つこと、また会話はキャッチボールなので相手の取りやすい球を投げること、などいかに相手を思いやるかが究極の話し方のようだ。
また、相手から好かれるために語尾をふわっと発音する、聞き取りにくい・耳障りな声や話し方の癖を意識して直すなど、簡単だけど効果の高いことがいろいろ紹介してある。
和田さんの本は話しかけられているような文体なので読みやすく、受け取りやすい気がする。これもセールスの極意を活かしたものなのかも。
自分のキャラクターとしゃべり方のギャップがずっと気になっていたので、この本で読んだことをいくつか試してみようと思う。話し方が気になる人や人間関係で困っている人はだまされたと思って読んでみることをお勧めします。
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
「陽転思考」の訓練をする
和田さんが会社員時代にボスに言われた言葉。
「その事実の価値というものは、その人の受け止め方、考え方によって決まってくるんだよ。和田が人と出会って関わっていくなら、人に影響されるより、影響を与える人にならないといけないし、また、これから成功したいと思うならなおさら、もっと心の訓練をしなさい。いちいち落ち込んだりしていたら時間がいくらあっても足りないよ」
事実はひとつ、考え方はふたつ。
事実というのは、コインの裏表のようなふたつの面を持っている。
たったひとつの事実に、ブラス面とマイナス面がある。
プラス面を見る、陽転できるように訓練をすること。
心の状態をニュートラルに保つ
相手が「話しやすい環境」を作る。
言葉を発していなくても自分の空気が相手に伝わって「話せない環境」を作ってしまうので、人と会う時の「心のありかた」は大切。人と会う時はいつも心を平常心(ニュートラル)に保つ。
和田さんは「わくわく」がニュートラルの状態。
電気を付けるのは自分なので、ちょっと明るめの方がよい。
相手の空気に引きずられてうつることもあるので、それを避けるために高めに設定しておく。
相手を愛する努力をする
「私と出会う人は私にとって必ず必要な人だから感謝しよう」と最初は無理矢理にでも暗示をかける。
とりあえずだましでもいいから相手を「好き好き好き」と思い込む。これも訓練。
「きっとこの人から何か学べるんだ」
と思い込む。
好きになる努力をすることで、空気がよくなる。安心の空気は信頼を生む。
イライラ余韻で人と会わない
空気には余韻が残る。さっきまでイライラしていたのに急に笑顔を作っても余韻が残っているので自然な笑顔に見えず無意識に違和感を感じる。
なので、さっきからずっと笑顔だった余韻と継続が必要。
そのために「にこっ」ではなく「にこーー」という笑顔の持続力を鍛える。
「さっきからずっと笑顔」は空気もよくなるし不自然な感じを相手に与えない。
話せる人より、好かれる人になる
まず「一緒にいて楽しい」と思ってもらえること。そのための空気を作る。
相手の話をきちんと聞くこと。
このふたつで自分の話も聞いてもらえるようになる。
プラス面を選択するように心がける
- 「大変」と言わない。
- 言い訳をしない→これは否定的な考え方をする癖のせい
陽転の訓練ができていると頭の使い方がプラスを向いているので、前向きに考えられるようになる
「早口は損ばかり」を肝に銘じる
- あらかじめ「早口になったら注意してくださいね」と言っておく
- 早口に気づいたら「すみません、熱くなりすぎて早口になってましたよね?聞きづらくなかったですか?」と自分で流れを変えてしまう
- 短いセンテンスで区切って話すようにする
- 間を取る。言葉がヨガや太極拳をやっているイメージを持つのもよい
「語尾マシュマロ」を意識する
「〜です」の「す」など、語尾をソフトにふわっと発音することで印象が変わる。さらに語尾の時ににっこりするようにするとさらに印象がよくなる。きっぱり言う方がいい時もあるが、ふだんは語尾をふわっとさせるだけで全体がソフトな印象になる。
「でも」の代わりに「だから」を使う
「でも」「だって」は相手を否定する言葉なので落ち込んでしまう人が多い。代わりに「だから」を使うようにすると(多少こじつけになることはあるが)否定せずに会話が続けられる。
