パーソナルブランディング 最強のビジネスツール「自分ブランド」を作り出す
- 作者: ピーター・モントヤ,ティム・ヴァンディー,本田直之
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2005/06/01
- メディア: 単行本
- 購入: 11人 クリック: 81回
- この商品を含むブログ (77件) を見る
確かに、いくら大企業でも窓口になるのはひとりかせいぜい2人、その人が感じ悪かったりいい加減ならそれがイコールその企業の評価になってしまうし、たとえばパソコントラブルなどでコールセンターに電話すると、説明を聞いて作業後にまた電話してもその人にはまず取り次いでもらえない。それで別の人にいちから説明する羽目になったり、ひどい時ははじめからたらい回しにされたりする。誰か担当者を決めてもらえないものか、と途方に暮れることも多い。
大企業相手だと必ずこういう不信感というか、「大事にされていない」感は拭えない。だったら「それより個人的に信頼しておつき合いできる方がいいですよね」としっかりした個人ブランドイメージをアピールしましょう、というのがこの本の目的だ。結局人は人を信頼しなければ何かを買ったり、サービスを利用したりしないから。
面白かったのは「会社名を大企業風ではなく、個人名を表に出した名前にする」というのもテクニックのひとつであること。この最もわかりやすい例はDKNY(ダナ・キャラン・ニューヨーク)。つい大きな会社に見せたくてそれらしい名前をつけてしまうが、まず自分が売り物であることを前面に出した方がいいのだそうだ。この辺りは意外だった。
それから、自分を身近に感じてもらうイメージ作りをする。ブランドをトータルで構築するため、人となりやふだんの趣味嗜好などを出して「個人」を強調した方が関心を持ったもらいやすいらしい。それを配慮したロゴを作り、名刺やホームページ、レターヘッドなどあらゆるところに入れて統一感を持たせる。こういった戦略も実に細かく教えてくれる。
もちろんイメージ戦略だけではだめなので、本業で自分をどうやって差別化するかも考える。どんな仕事が得意でどんなサービスを提供したいのか、どういった客層にアプローチするのか。それから大切なのが自分はどう思われたいのか。自分は現在どう思われているかを調べて自分の認識とのギャップを修正し、さらに「なりたい自分」へイメージを構築する。ここで大事なのは自分とかけ離れたイメージにしてしまわないこと。演技が必要なものは長続きしないし、必ずばれるからだそうだ。こうすることで「招かざるお客」からの問い合わせを断る手間をかけずに客層を絞り込める。
最後には12ヶ月かけてパーソナルブランドを構築する流れも載っていて至れり尽くせり。
私に今すぐ必要なものではないが、自分がどう思われているか、どう思われたいのかというイメージをしっかり認識し、きちんと作り上げたらそれを意識して生活するというのは個人事業主でなくても使えると思った(もちろん微調整も思い切った改革も可能)。
たとえばブログもどんな人に読んでもらいたいのか、いかに自分らしさをアピールするのかを考えて書いていくことも大事だなあと思った。意識してみよう。