- 作者: 土井英司
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2007/04/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 2人 クリック: 65回
- この商品を含むブログ (115件) を見る
はじめに書かれていたのはそんな素晴らしい肩書きからは想像もできない「大学卒業後3年間で5回」の転職経験や、ライター時代の貧乏・超多忙生活。そこから現在の土井さんになるために何をしたのか、そしてそこから著者が学んだ極意を知ることができる。「大きなチャンスをつかんだ徹夜明けの1日」というエピソードは鮮烈だ。ライター時代たまたま仕事がとぎれた日、著者は雑誌の編集部に電話をかけまくって新しい仕事を取ったのだそうだ。そしてそれが大きな転機になったという。
毎日まともに寝ていない生活でぽっかり1日空いた時、私ならたぶん寝て終わってしまうと思う。その他大勢からぬきんでる人はやはりこういうところが違うんだ、と思った。
この本のターゲットは「いつかは独立したいがまだ会社に勤めている人」だと思う。以前そうだった私は当時この本を読めていたら、と思うが、現役会社員じゃなくても役に立つことがたくさん載っている。
この本が教えてくれるのは自分は今どんな場所にいるのか、そしてどこに行きたいのかをしっかり見極める必要性だ。特に印象深かったのは「あえて自分を安く売ることが逆説の成功法則」という説。自分への評価=給料だと思っていると意外な落とし穴が待っているのだそうだ。
さらに、ものになるのにかかる期間は「9年」説など、独自の切り口が面白い。
また、年に2回「最強の自分マーケティング」というセミナーを開かれているだけあってブランディングのヒントもたくさんあった。やはり習慣化や人のために働く、自己投資をするなど、自己啓発本に共通のことも書いてあった。特に今の私に必要だと感じたのはサブタイトルにもある「成功する5%」。講演やセミナーを聞いた人のうちその内容を実践してみるのはその中の2割程度。さらに、それを習慣として続けられるのはその中の2割=たった5%の人なのだそうだ。その5%になれるかどうかが人生を分ける。同じ神田昌典さんの本をほぼ同じ時期に読みながら、勝間さんと現在こんなに開きがある私にはとても耳が痛かった。
大変読みやすく、アドバイスも多岐にわたっているので誰にでも役に立つことがあると思う。このままじゃなあ…と思っている方はぜひ。
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
どんなことでも9年続ければ成功する
今、脚光を浴びている人にも、花を咲かせるまでには必ず、根づかせるための年月がありました。土中の深くまでしっかりと根づかせてはじめて、人の目を惹く花を咲かせることができるのです。
その年月を、僕は9年と踏んでいます。
逆にいえば、どんなことでも9年続ければ成功できるのです。
何となく出てきた数字ではありません。
これまで、ビジネス書を1万冊以上読んできたすえに発見した、成功するビジネスマンにほぼ共通するマジックナンバーなのです。
(中略)
「時間と引きかえに、はじめて成功を手にできる」というのは真実なのです。
「成功は何度かの失敗経験のあとに訪れる」
経営における成功の王道とは、トライアンドエラーを何度も繰り返したすえに失敗の確率が下がり、成功の精度が上がり、利益が徐々に増えていくこと。
(中略)
ユニクロでおなじみのファーストリテイリング創業者、柳井正さんに『一勝九敗』(新潮社)という著作がありますが、9回負けても1回勝てば成功なのです。それまでの負けを上回るだけの勝ちをすればいいのです。
成功するには、成功の方法を学ぶより失敗しないやり方を学ぶ方が近道です。
成功する方法は明日には陳腐化しますが、失敗の要因はいくつかにまとめられるからです。
どんな職業でも、セルフイメージの高い人は、断られてもあまり傷つきません。
マーケットとはつねに需要と供給で決まり、希少価値があれば値が上がる。
自分の当たり前が希少価値かもしれない、この「幸福は身近にある」といった青い鳥的な発想で自分を見直せば、多くの発見があります。