
- 作者: 疋田智
- 出版社/メーカー: 東京書籍
- 発売日: 2001/12
- メディア: 単行本
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (20件) を見る
著者はTBSのディレクターが本業だが、自転車通勤のよさを語るサイトを開設、自転車関係の著書をたくさん出している。
「自転車ツーキニスト」ということばを作ったのも著者で、自転車業界では有名な人らしい。この本は2冊目で、楽しく自転車に乗るためのあれこれ、たくさんある種類からどれを選ぶか、乗る時の注意とメンテナンス、さらに自転車を取り巻く環境についてヨーロッパに取材したルポも載っている。例によって家族が借りてきた本だったのだが、面白かったので一気に読んだ。
最近「二酸化炭素排出量の削減」のために自転車が見直されているというが、自転車を普及させるためには「車に乗りにくい環境を作る」ことが最善策だそうだ。つまり、車線を1本つぶして自転車専用レーンにする。そんなバカな、と思うが、後半のヨーロッパルポではすべてそのようにして車から自転車へ乗り換えを促し、それが成功しているのだそうだ。
それにひきかえ、日本は自転車に乗る人の肩身がとても狭い。駅前へ乗って行っても停める場所がない。有料駐輪場など早朝に満車になる程度のスペースしかない。買いものなどの用事でちょっと停めておくとすぐ「放置自転車」の紙を貼られる。放置してないでしょ、と怒りたくもなってくる。ちゃんと停めるスペースを確保すれば解決する問題だ(この辺もヨーロッパのやり方が参考になる)。
日々そういう不当な扱いに耐えている人にはスカッと胸のすくような本だ。ただ、アマゾンのレビューなどを見るとこの部分の評価が極端に分かれているので、好きじゃない人は前半だけを読めばいいと思う。俗に言うママチャリに乗っている人(私もそうです)も、もっと早くかっこよく乗るヒントもあるのでお勧め。ただ、紹介されているようないい自転車に乗りたくなっちゃいますけどね。