- 作者: 疋田智,ドロンジョーヌ恩田
- 出版社/メーカー: 東京書籍
- 発売日: 2008/03/25
- メディア: 単行本
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それでも、交通法とかマナーとか自転車に関する世間の誤解など、ついつい熱くクドくなってしまいがちなヒキタさんの文章を風通しよくする、そのバランスがいい。しかも、恩田さんご本人がロードバイクに乗っていて、それもヒルクライムレースにまで出るような人なのでそのことばには実感と愛情がこもっている。そういう人が「ダイエット目的で乗り始めたけど、はまった今は体脂肪率19%」とか「(レーサーパンツ*3の上に)何が何でもミニスカートをはいて乗っています。見た目優先」などと書いてあるととても説得力があるのだ。
ヒキタさんも書かれているように、自転車に乗る人を増やすには女性ファンを増やせるかどうかがカギだ。ブームになるものはたいてい女性に受け入れられたかどうかで決まる。しかし、今まで実際に自転車に乗る女性は少なかった*4。そこに、こんなにきれいな人が広告塔のように現れたら、「ちょっと乗ってみようかな」という女性が増えるかもしれない。
そもそも「移動手段は自転車」という方法が使えると知ったのは勝間和代さんの本だったのだが、勝間さんは実用一辺倒で何しろメッセンジャーに間違われるいでたちだそうなので、そこまで徹底できる人は少ないだろう(女性は特に)。「エコにいい」と言うためにはとにかくたくさんの人が自転車に乗る、しかも車から乗り換える必要がある。そのためにも恩田さんのようにきれいでかっこいい自転車乗りがたくさん出てくることを期待する。ついでにこの本の続編も。
※ちなみに、自転車界のことを中の人たちは「輪界」と呼ぶそうです。