脳が冴える15の習慣 記憶・集中・思考力を高める (生活人新書)
- 作者: 築山節
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2006/11/08
- メディア: 新書
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紹介されている15の習慣も、「定期的に脳の画像検査を受ける」(習慣12)以外は手軽にできることばかりだ。中でも私にとって役に立った(耳が痛かった)のは次のふたつ。「日々の雑用をこなすことで脳の基礎体力が鍛えられる」(習慣4)と「忙しいときほど『机の片付け』を優先させよう」(習慣6)だ。
習慣4では「何をするのも面倒くさい」という状態は脳の体力が落ちてしまっているので、脳が面倒くささに耐える力をつけるには日々の雑用を積極的にこなすといいそうだ。
- 毎日自分を小さく律することが、大きな困難にも負けない耐性を育てる
という言葉は耳が痛かった。これも脳を鍛えるためだ、と思えば雑用も楽しくできるかも。
習慣6では「要領のよい人ほど整理を怠る」と書いてあった。「計画的に勉強をしなくても試験では結果を出せるタイプ」とも。
すみません、それは私です*2。なまじ若い頃特に何もしなくても上手く行ったので、ある程度の役職に就いて自分のキャパシティを越える仕事が押し寄せた時に対応できない、しかも成功体験があるからなかなか変えられないのだそうだ。著者によると「脳の力を最大限に発揮させるには、まず仕事を整理し、優先順位をつけることが大切」であり、「机やカバンの中身を整理することは、その時々に集中するべき仕事をはっきりさせることに通じている」のだそうだ。そう言われれば素直にやるしかない。
15の習慣全部を取り入れる必要はなく、自分に足りないものをいくつか実践するだけでも効果があると思う。しかし、医師にしては(という言い方は失礼ですが)とてもわかりやすい本だし、通して読むといつか、または周りの誰かに役に立つかもしれない。高次脳機能障害は老人性痴呆症とはまた別だが、外来にはたくさんのお年寄りも来られるようで内容はそのまま「ボケ防止」にも繋がるものだと思う。
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
習慣4のポイント
机の整理は優秀な上司を持つことと同じ
「机やカバンの中身が機能的に整理されているということは、優秀な管理者を上司に持っていることと同じだと考えてください。仕事がたくさんあるときでも、上司が『今日はこの仕事に集中しなさい』『今はこのことだけ考えればいいよ』と言って、資料をまとめて渡してくれたら、安心してその仕事だけに取り組めるじゃないですか。その上司の仕事を自分でやる習慣を持って下さい。ひとつひとつの仕事に集中しやすい環境を常に自分でつくる。それが身の回りの物の整理を優先させるということなんです。そういう習慣を身につけるだけで、仕事で混乱することは少なくなると思いますよ。」
習慣6のポイント
- 物の整理は思考の整理に通じている。忙しいときほど片付けを優先させよう
- 仕事で混乱したときは、机を機能的に整理することから始めると立て直しやすい