毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

極限に挑戦するということ

NHKの「スポーツ大陸」は400メートルハードルの為末大選手だった。6月末の日本選手権で北京五輪出場を決めたことは知っていたが、その舞台裏に密着した特番で、こんな壮絶な戦いだったのかと驚いた。

為末選手は以前紹介した『トップアスリートの決断力』でインタビューを読んでもっと知りたくなった人のひとり。“およそスポーツ選手らしくないまるで作家のような言葉遣い*1、普通なら神経質になりそうな試合直前でも、ケガをしている時でもまるで修行僧のような穏やかな笑顔と話し方”という、文章からイメージしたそのままの人だった。ますます著者・吉井妙子さんの文章力の素晴らしさを確信した。

為末選手は身体能力だけでは勝てないことを悟り、駆け引きで勝機のある400メートルハードルを選んだそうで、常に自分で考えてトレーニングをしている。コーチは大学の時からいないそうだ。あえて自分で選手とコーチの2役をこなしているのは、「コーチとして練習メニューを作ったり力を伸ばす方法を考えていくのが一番楽しいところなので、人にさせるのがもったいない」からだそうだ。その為末選手、ハードルを跳ぶハードリング能力は世界一と言われているが、やはり走るスピードは体格に勝る海外の選手に勝てないので、去年1年間は「ハードルを封印して短距離走のスピードを上げることに専念する」という大胆な賭けともいえる作戦に出た。その結果フォームを変えて確かにスピードは上がったが、ハードリングと調和させるのに予想以上に時間がかかり、さらに両足のケガで練習がほとんどできないまま日本選手権を迎えてしまった。痛み止めを打って予選に出場、決勝には何とか進出したものの、タイムは最下位。もちろん優勝しなければ北京へは行けない。そして、去年から成長した若手選手はこの試合絶好調なのだ。勝ったのは知っているから勝つはずなんだけど、どうやってこれで1位になれるの?と本気で思った。そのくらい調子が悪かった。

しかし、為末選手は最初から飛ばし、練習していないためスタミナ切れするはずの後半もさらに加速し、若手選手を余裕でかわしてゴールを切った。レース後、為末選手は自分でもなぜ勝てたのかわからない、と言っていたのが印象的だった。いつもは理論派なのに、「今日は感情の勝利だと思う」とも。火事場の馬鹿力というか、意識で限界のリミッターをはずした瞬間を見たと思った。

宮本選手に引き続き松本整さんの本に書いてあったことを実践するとこうなります、という実例を見せてもらったようだった。常にどうすればどうすれば限界を超えられるのか、もっと早くなるかを考える。普通の人はやらない練習方法を敢えて取り入れる。高みに上れば上るほど理解してくれる人はいなくなり、孤独な戦いになってゆく。一流の人は本当にすごいことをやっているのだと思った。レースの中継だけを見て、決勝進出のタイムが最下位と聞いて、「この人もうピークは過ぎたのかな」とつい思ってしまうが、努力は見えない。結果しか求められない世界だからだ。

こんな人たちに比べたら小さな努力かもしれないが、私にも何かできることからやろう、と力を分けてもらえた気がした。

■行動科学
学校に行った疲れが思いのほかひどく、コアリズムは休み。フランス語は予定の通りやったけどあとは…。

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*1:実際に本も何冊か書かれている。初めての本は得意な投資術(!)