これで日本の残業がなくなる☆☆☆

「残業ゼロ」の仕事力

トリンプインターナショナルの元社長・吉越さんの本。以前読んだ「デッドライン仕事術」と書いてあることはあまり変わらないので、復習と思って読んだ。こちらの本の方が俯瞰して仕事全体について書かれているように感じたので、もしどちらか１冊を読むなら私はこちらの本がお薦め。特に、いかにノー残業を導入していったのか、という話はとても面白かった。決定権を持つ経営者の視点で書かれているので、日本の会社の経営者がこの本を読めば残業はゼロにできるのでは、と思う。この本で書かれていることはみんな正論だし、これを読めば世界的にはいかに残業が恥ずかしいことなのかがよくわかる。

ただ、この本を読んで感じたのは吉越さんの考え方は日本人離れしていることだ。これはやはり奥様がフランス人ということが大きいのだろう。日本人の考え方はドライに徹して結果を出さなければならない会社経営には向かない、としながらもＧＮＮ（義理・人情・浪花節の略）は日本ではまだ必要なので、基本は合理的に、それだけだとギスギスするのですき間にＧＮＮでちょうどいいのではと書いてあるのが面白かった。

他にも社訓など要らない、優先順位をつけているヒマがあったら早く片付けろ、という極端とも言えることが書いてあるが、それも読めば一理ある。導入するかどうかはともかく、ものの見方の幅を広げられるので読んでみるといいと思う。

会社勤めとしている頃に意味のないおつき合い残業に泣かされたので、この本を読んで意識を変える上司や経営者が増えることを心から願う。自分の会社はまだＧＮＮだからなー、という人のために自分だけ残業せずに帰る秘策も紹介されている。