毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

夢を実現させる「最終兵器」☆☆☆

4822210278夢を絶対に実現させる方法! (DVD付) (日経ベンチャーDVD BOOKS)
原田 隆史
日経BP2005-09-08
価格 ¥ 2,394

by G-Tools

著者は大阪市の元・中学校教師。当時荒れていた中学校の陸上部を日本一に導いた手腕で知られる。この本は、その手法の根幹をなす「長期目標設定用紙」の書き込み方、使い方について教えてくれる*1。実際の講演会をまとめたDVDがついているが、本だけでも充分役に立つ。もちろんDVDを見ると原田先生の話が面白く、すごい熱血ぶりが伝わってくるのでパワーがもらえてさらにやる気になる。

巻頭に重要な言葉が紹介されているので引用します。

成功は自分で作るもの。この目標設定用紙で自分を変えよう

教師歴20年で、3万人の「人間の生き方データ」を取りました。それで分かったのは、人間、100人中95人は、同じ失敗を何度も繰り返す。けれど、100人に5人、なぜかいつもいつもスイッ、スイッとうまくいく人がいる。そんな成功者たちの方法論を集大成したのが、この目標設定用紙なんです。

頑張るだけでは、結果は出せない

がむしゃらに働き、「今日も頑張ったーっ、ビールがうまいっ!」と満足感を噛みしめる。そこに落とし穴がある。頑張ることが目標になって、結果が出せない。かつては自分もそうでした。周囲は「まじめな先生」と評価してくれても、日本一には決してなれなかったのです。地獄の苦しみでした。

敵は誰ですか?――自分です

失敗する人は、自分の中にある間違った習慣にしたがって、同じ失敗を何度も繰り返す。失敗者が成功者になるには、自分の中にある失敗の習慣に気付き、ひとつずつ成功の習慣に変えていくしかない。重要なのは「主体変容」。自分を変えることです。

ネバーネバーネバーネバーネバーネバー・ギブアップ!

ものすごく難しいことを成し遂げたからといって、心は強くならない。人の心は、各人が自分の力でできることを継続することで、強くなるのです。実践すると決めて、やり切る、やり切らせることが、心を強くする。同じことを最低6回、必ず繰り返すのです。

仕事と思うな、人生と思え!

目の前のすべてに100%の力で挑む。「陸上と思うな、人生と思え」「授業と思うな、人生と思え」「掃除と思うな、人生と思え」……ずっと、そう言い続けてきました。まじめ、素直、一生懸命の土台をつくってから始める。「心のコップ」が下を向いている人に、どんなに技術、ノウハウを注いでも、心に入りません。

思いは枯れる。夢は腐る

目標を立てた瞬間は誰もが意欲に満ちあふれている。だが、そのやる気を維持できる人は稀です。大半の人は、いつしか初心を忘れ、成功をつかめずに終わる。だから、紙に書いて目に焼きつける。口癖にして潜在意識に叩き込む。「成功の要諦とは、成功するまで諦めないこと」――故松下幸之助氏の名言です。


先生は陸上部の顧問をしていた当時、日本一になる学校の指導者は限られていることに気がついたそうだ。公立中学の教師は転勤があるが、常勝している教師は異動先の学校も日本一にしていた。「いい生徒がいるからではない。いい指導者のいる学校が優勝する」という事実に気づいた時、じゃあどこが違うのかという研究を始めた。それから試行錯誤を繰り返し、よいと思われる方法をどんどん試した結果できあがったのが現在の手法だ。なので、ほとんどの成功法則はすべて詰まっていると言ってよいと思うし、実際に中学生がやって成功してきた方法なのだ。中学生ができて大人ができないのは恥ずかしい、と思う。

ここには「そうじ力」の考え方も入っているし、目標をしっかり定める、小さなことを継続して心を強くする、書いて読み返すことで潜在意識に定着させる、など定番とも言える成功法則が自然にできるようになっている。自分であれこれ手を出すより、うまくひとつのプログラムになっているこのメソッドをやる方が迷いが出ないので早くて確実なのではないだろうか。

私自身は現在指導する立場ではないので純粋に自分のためにこの本を読んだが、教師や管理職など教える立場の人にとってはよい指導法としても充分に使えると思う。どうやって納得させるかという手順はここまでやらなきゃいけないんだ、と驚くくらい細かい段階を経ていた。ここまできめ細かに指導する人はほとんどいないのではないだろうか。さすが3万人もの人を見てきた経験から培った手法なのだと感じた。

本田直之さんが「先人の知恵を借りる」ことでレバレッジが効かせられる、という意味のことをよく言われている。私はとにかく素直にこの方法を試してみることにした。
ただ、もうひとつの柱である「日誌」についてはこの本で紹介されていない。以前TVの特集で見たことがあるのだが、生徒は毎日ノートにびっしり書き込んでいた。その時の記憶で何となくどんなことを書くかはわかるが、きちんと続けるには原田先生の他の本で日誌について理解する必要があると思う。

以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

できること、できないこと

オリンピック選手ですら、単純な準備不足で負けることがある――準備の大切さを、改めて思い知りました。
中学の陸上指導でも同じです。
明日が全国大会の決勝戦という日、心配なことを挙げれば、色々あります。明日の天気、宿の朝食、相手選手の実力に、もし靴下がすり切れたらどうすればいいか……。
そういう未来のことには、自分でどうにかできることと、どうにもできないことがあります。靴下は換えを用意すればいいし、朝食もホテルの人に相談すれば、希望のものに変えられる。しかし、天気や相手選手の実力など、考えても仕方ありません。
自分でどうすることもできないことは、考えてはいけない。代わりに、できることには十分に準備しよう――松虫中学の陸上部で、私は生徒たちにこう説いていました。

「思考」が「行動」を決める

結果を出せない人は、日頃の思考が足りません。だから、「どうしたら強くなれますか?」といった、漠然として抽象的な、答えようのない質問が多くなる。
このことから分かるのは、「思考」の深さが「行動」の精度を決める。物事をより具体的に細かく考える人は、気付きが高く、仕事や練習の質が高い。だから成果が上がる。

「助けてもらえる人」には理由がある

私が、松虫中学で陸上部の顧問をしていた頃のことです。7月に全国大会出場を決めると、8月の本番に向けて数十万円の運営費が必要になります。
そんな時、私はあらかじめ「8月には保護者にバザーを開いてもらって50万円の援助を得る」などと決めてしまいました。そして、日々、保護者の方々と関わりを深めていく。
すると、金銭に対する不安が晴れ、自信がわいて、心が元気になる。
そこで、気づきました。
成功する人は、こういう準備を無意識のうちにしているのだ、と。
成功する人は、未来を予測し、準備します。目標を達成するために、誰に、いつ、どこで、どう助けてもらいたいかも予測している。そして、助けてもらいたい相手とよい関係を築いている。いざという時、「お願いします」と言える環境を整え、準備している。
いつも1人であがいていては、成功はつかめません。そこから脱却するには、意欲的に準備をすることです。

*1:用紙は巻末についています