3つの真実 人生を変える“愛と幸せと豊かさの秘密” 野口嘉則 ビジネス社 2008-05-13 by G-Tools |
「鏡の法則」で有名な野口さんの新刊。この本も物語になっているので引き込まれて一気に読んだ。
目標を設定してそれに向かってポジティブに頑張れば結果はついてくる、そう信じて実際に自分で興した会社をどんどん大きくしている主人公は、ある時会社の危機に直面する。それどころか、家庭も上手く行っていない。その時、突然現れた謎の老人との対話で物語は進んでいく。
成功法則の本や、スピリチュアル系の好きな人ならおそらく一度は見たことがあるようなことがたくさん出てくる。しかし、頭でわかっているのと、本当に血となり肉となっているのとでは大きく違う。この本は「自分の中に取り込み、身につける」作業を助けてくれる本だと思う。
状況は非常に神田昌典さんの「成功者の告白」に似ている。自分でビジネスを始め、どんどん成長しているうちはいいが、ある日行き詰まる。その時家庭は崩壊寸前。おそらく、成功法則をがむしゃらに突き進んだ人が行き当たる壁なのだろう。それをどうやって切り抜けるのか、その処方箋はかなり違う。野口さんのこの本は、幸せに生きて行くとはどういうことなのかを教えてくれていて、そのことばが心に残った。
「だけど僕は、ネガティブな言葉が出てくると聞けなくなっちゃうんですよ」
「それは、君自身が自分の内面と向き合っていないからじゃ。人は、自分の中のネガティブな感情に向き合っていないと、他人のネガティブな感情を受け止めることができない。たとえば、自分の中の悲しみを抑圧している者は、他人が悲しみを感じることをも抑圧したくなるのじゃ。本来、感情によいも悪いもない。悲しみや不安を、悪い感情だと思うから抑圧してしまうのじゃ。自分の中で感じていることをそのまま味わうのじゃ」
(中略)
「感情は目的として追求するものではなく、結果として受け取るものなのじゃ。大切なのは、『幸福感』という感情を追い求めることではなく、『幸せな生き方』をすることじゃ。もし君に、予期せぬアクシデントが起き、結果としてネガティブな感情が沸いてきたとしたら、『幸福感』を保つのは難しい。しかし、『幸せな生き方』*1を保つことはできる。
どんな状況にあっても、君は愛を実践することができる。感謝することを見出し、愛する対象を見出し、人間として成長していくことができる。それこそが『幸せな生き方』じゃ。そのプロセスにこそ、本当の幸せはある」
薄くて簡単に読めるので、色々読んだけど何からやればいいかわからない、という方はぜひ読んでみてください。
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以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
第1の真実
人間は肉体を越えた存在であり、宇宙の偉大な力とつながっている。そして、その本質は愛である。このことを心の底から認める時、われわれの自尊心は満たされ、恐れに支配されなくなる。
第2の真実
『人生は自分の心を映し出す鏡である』ということだ。これを鏡の法則とも言う。
第3の真実
『感情は感じれば解放される』ということだ。自分の感情を感じなさい。自分が何を感じているのかに気づき、そしてそれを、感じられるままに感じて味わうのだ。
鏡の法則は
さらに2つの法則に分解できる。ひとつは『心の底で認めたものが現実化する』という法則。もうひとつは『心の波長と同類の出来事が引き寄せられる』という意味だ。
人を見る時の極意
この極意は、人間関係を劇的に変えてしまうこともあるくらい強力だ。その極意とは、第1の真実にもとづいて人を見る、ということだ。つまり、肉体を越えた素晴らしい存在として、宇宙に愛されている存在として、その人を見るということだ。
鏡の法則の視点で人を裁かない
たとえば、頑張っても豊かになれない人を見て、『きっとあの人は、与える心が足りないのだ。だから豊かになれないのだ。この人は心を改めないとダメだ』などと、人を裁いてしまうことがある。しかし、他人を裁くと自分に返ってきて自分が裁かれる人生になるのだ。
こんな時は、第1の真実にもとづいて他人を見るのだ。結果を出せない人を見ても、その人の存在の素晴らしさを敬い、その人が宇宙から愛されていることを祝福する。しかし、自分も裁かないこと。自分が悪いのではなく、自分が引き寄せただけなのだ。
自分を責めない
自分が引き寄せたという事実を、いいとか悪いとかいう判断をせずに、ありのままに認めたらよい。自分を責めるのではなく、事実を中立な心で受け止めるのだ。そして、自分を振り返るヒントにすればよい。
*1:文中では傍点