仕事に役立つマインドマップ―眠っている脳が目覚めるレッスン 神田 昌典 近田 美季子 ダイヤモンド社 2008-05-09 価格 ¥ 1,680 by G-Tools |
マインドマップの本はたくさん出ているが、その中でもこの本は「仕事に役立つ」と銘打ったもの。
しかし、注意してほしいのは、この本は「マインドマップをどう描くか」ではなく、「マインドマップをどう使うか」に焦点を当てた本という点だ。
描き方を知りたいのなら以前紹介した「マインドマップfor kids」の方がずっとわかりやすい。ある程度マインドマップが描けるようになってから読むべき本だと思う*1。
そこさえ間違わなければいい本だと思う。監修者である神田昌典さんが巻末の解説で「10年間に1冊の本しか読んではならないと言われたら、私は迷わずこの本を選ぶだろう」と書いてあるのもうなずける。計画、問題解決、スケジュール管理から記憶力アップやいじめの克服までありとあらゆることがマインドマップで可能だとこの本を読めばわかるからだ。
すべてを読む必要はないと思う。自分に関係や関心のあるところだけ、この本を参考にマインドマップを描いてみるといろんなことに気がつくはずだ。
私がなるほどと思ったのは事業計画。同業他社に対して自分が提供できるサービスのどこがユニークなのか、どんな顧客をターゲットにするのかなど、とても斬新な切り口が面白かったので、あとで自分で描いてみようと思う。
他にも、履歴書を書く前や面接対策としてマインドマップを描くというのも新鮮だった。
「マインドマップfor kids」でマインドマップがどんなものかを学び、大まかなルールを身につけて描けるようにはなったが、この本を読む*2ことでさらにマインドマップの全体像がつかめたように思う。私の個人的な理解だが、マインドマップは描かれた成果物よりも各プロセスの方が大切だと考えればいいのではないだろうか。それは、書き続けることによって脳が活性化するとか、習慣化してしまうと紙がなくてもとっさに頭の中でマインドマップを描くことすらできるようになることからもわかる。
この本にも実際のマインドマップが何枚か載っているが、そのマインドマップに対応したページを読んでから見ても、やはりよくわからない項目がかなりあった。これはつまり「自分の頭の中を整理したり、アイデアを出すためのものなので人が見てもわからない」ということなのではないだろうか。今まで「成果物としてのマインドマップ」にウエイトを置きすぎていた気がするので、もっとプロセスを大事にしてみたらさらにマインドマップのよさが実感できそうだ。
マインドマップはマクロの視点とミクロの視点の両方を同時に持てるツールであり、MECEを実践するためにも強力な助っ人になり得ると思う。勉強以外にほとんど使っていなかったので、これを機会にもっと気軽に使ってみよう。