東大生が教える!超暗記術 徳田 和嘉子 ダイヤモンド社 2006-03-03 価格 ¥ 1,500 by G-Tools |
また、大学生のお姉さんから直接教わっているような書き方なのでとてもわかりやすいし、マンガも面白い。中高生にはいい本だと思う。
しかし、優しく書かれているからといってこれを受験用だけにしておくのはもったいない。著者の徳田さん自身も「資格試験でも入社試験でもあらゆるところで応用できる」と書いている。ここには主だった暗記の方法がほとんど書かれているのだ。暗記法の本を何か1冊読んでみたいと言われたら、私はこの本を薦めると思う。そのくらいきっちり基本は抑えてあると思う。暗記の理論的な話がまずあり、その後テクニックを含めた実践方法が書いてあるので理解しやすく、やってみようという気になれる。各科目の暗記の実例も出ているので受験以外にも応用できると思う。
さらに、著者がどんな風に勉強をしていたかやノートの取り方・色分けの方法なども紹介されていて役に立つ。特に、私は時間の経過と共に忘れないためにいつ何をするか、という内容がためになった。
受験の時にこの本を読んでいればなあ、と思ったが、何か試験を受ける予定がある方はぜひ一読をお勧めします。
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
赤ペンで採点するのはオススメしません
絵が苦手な人でも、誰かが見たら「何、これ?」と驚かれるくらい思いっきりノートをビジュアルにするテクニックがあります。
それは「色を塗っちゃう」ということです。
つまり絵を描かない代わりに、「色を塗る」ということで、頭に入りやすいノートを作っていくのです。
(中略)
まず科学的に、人間が最も注目しやすい色は何色かご存じですか?
それは「赤」です。赤は最も人間の注意力を惹きつけます。…そこで、問題は最も目立つ色、赤です。…では、そのようにして鉛筆で書いた答えを添削し、正しい答えを赤で訂正していった。そのとき当然、「ここをよく間違えるな」とか、「ポイントはここだったんだ」という注意事項が出てきますよね。
これを何色で記載しますか?
(中略)
実は暗記しなければならない最重要点は、添削そのものではなく、“抜き出すポイント”なのです。…しかし、間違えた答えをなかなか覚えられないという人は、抜き出すポイントを赤に、丸つけは青や黄色でやる方法を試してみてください。
目立たせる必要がある部分とは
暗記するにあたって重要なのは、「自分がなかなか覚えられないところ」とか、「自分がよく間違えるところ」なんです。
徳田さんの色分け基準
- 板書しているときに講師が「重要だ」と言ったところ…青
- 説明を聞いていて、自分ですんなり理解できなかったところ…赤
- 自分でここがポイントだと思って加えたところ…緑
- この中でさらに重要な部分を…黄色のマーカーでなぞる
効率のよい暗記のコツ
- その日にやること
寝る前の1時間前から、遅くとも20分前に、勉強したことをサッと見直してみる
その日取ったノートをサッと見直すだけで充分。余裕があれば重要なところや、自分が難しいと思ったところに印をつけていくとよい
- 1週間後
その日のチェックで印をつけたところだけを念入りに確認していく。時間の余裕があれば、この時期に「暗記カード」や「暗記のノート」を作るとよい
- 1ヶ月後
ここでは少し踏み込んだ復習をするとよい。ノートを見直すだけでなく、さらに自分の理解度を確認して、わからないところにさらに印をつけたり、あるいは暗記が完璧かどうか確認したり、という作業をする。問題を積極的に解くのも効果的。
この時期の復習が重要なのは、やっと「脳」と「情報」のリンクが生まれるからです。いままでは「忘れる→覚える」という行為を繰り返してきた情報が、ようやく普段でも反応できるような「完璧暗記」に変わっていきます。ようやく記憶は、強固なものとなっていくのです。
逆にこの1ヶ月のタイミングを逃すと、再びゼロから覚え直さなければならない可能性も出てきます。
次の言葉は、先に紹介した池谷裕二博士のものです。
1ヶ月以上の間隔をあけてしまうと、2回目の学習をしても記憶力はほとんど増強されません。無意識の記憶の保存期間は、 1ヶ月程度なのです。つまり、1ヶ月以内に復習しなければ効果がありません
『脳の仕組みと科学的勉強法』
失敗したらラッキー!
「経験と結びつくと記憶が強化される」ということを述べてきました。
これは経験そのものよりも、自分が何らかの感情を持ったから、つまり「インパクトを受けたこと」が大きく影響するということでした。だから楽しかった思い出や、辛い体験などを、わたしたちはいつまでも覚えているわけです。
(中略)
特に私が思うのは、マイナス体験をもっと重視してほしいということです。
テストなどでも、悪い点を取ったらショックを受けますよね。それで、もう「こんな問題は見たくない」なんて、失敗から逃げてしまう人もいます。でも、こんな失敗体験こそチャンスなのです。ショックが刺激になり、より強い印象が残ります。
(中略)
失敗すればするほど、次につながっていくのです。失敗したからといってがっかりするだけでなく、その気持ちを大切にして、次の暗記につなげていってください。