毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

アナログとデジタルの幸せな共存☆☆☆☆

482226534X 仕事が速くなる プロの整理術
吉越 浩一郎
日経BP出版センター 2008-11-20
価格 ¥ 1,575

by G-Tools

「デッドライン仕事術」で有名な、元・トリンプインターナショナル社長、吉越さんの新刊。メリタ式と言われる書類管理法が知りたかったので、くわしく紹介されているこの本を手に取った。このシステムは基本的に紙をそのまま使う。 ====


一時、IT技術の進歩でペーパーレスへの期待が高まったが、いまだに書類はなくなっていない。それには紙とデジタルのどちらにも一長一短があるからだ。吉越さんの方法は、効率がよくなる方法を徹底的に追求した結果、両方の長所をうまく活かせる併用になっている。
この本では、具体的にどういう流れで書類を処理していくのかがしっかり書いてあるので参考になる。もちろん、仕事の流れはさまざまなのですべての人がこの方法をそのまま使えるわけではないが、基本がわかれば自分なりにアレンジできると思う。

吉越さんの仕事のもうひとつのポイントは「メモ」。とにかくスピードが大切なので、すぐ指示できるようにどんどん書類にメモするのだそうだ。メールも印刷して質問やポイントなどをメモしておく。そして処理が終わったら捨てる。
極限まで無駄を省いてあるので、読むうちに本当に大事なこと、必要なことは何なのかを考えさせられる。

もうひとつ、吉越さんのキーワードは「ロジカル」だと思う。メリタなど外資系の勤務経験と海外駐在経験、また奥様がフランス人ということも大きく影響している。外国人はそこにロジックがないと納得しないのだという。「常にロジカルである」ことを身につけた結果が、トリンプの改革につながったのだと思う。

そのロジカルの一端が、この本にも出てくる。それは「図解」、イラストで伝えることだ。自分の考えていることを相手に間違いなくしっかり伝えるには図解が一番いいのだという。このセクションはある雑誌の連載をまとめたもので、その連載の依頼が来て初めてイラストを描いたそうなのだが、絵のうまい下手はともかく、やはり自分の頭にしっかりしたビジョンがある人はビジュアルで伝えられるのだな、と感じた。
吉越さん曰く、考えて書いていればきっちり伝わる絵は描けるようになるそうだ。ロジカルでなければ絵は描けないので、伝わる絵を描こうと練習するうちに考えることがうまくなる、という効用もありそうだ。

また、吉越さんはiPhoneを愛用されているそうだ。Gメールを始め、Googleも駆使しているそうだが、iPhoneがあれば外出先でもオフィスと同じ環境で仕事ができるそうだ。吉越さんには秘書がいらっしゃるのでまったく同じことはできないが、メールに添付されたすべての書類をiPhoneで読むことができるし、スケジュールもパソコンと共有できて便利、などと書かれているとiPhoneがほしくなる。仕事が出先でも処理が必要になったら考えてもいいかもしれない。


この本はタイトルの通り、「整理術」がメインだが、やはり吉越さんとは切っても切れない「デッドライン」に即した仕事の方法についても書かれているので、自分の仕事をスピードアップさせたい、何かいい方法はないか、という人はこの本から読むのもお勧めです。