毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

すべての仕事の基本になること☆☆☆

4478540705一人で20人分の売上! 新人ツルちゃんの接客営業
鶴岡 秀子
ダイヤモンド社 2005-03-04
価格 ¥ 1,365
by G-Tools
私が日記のカテゴリを「天国体質」に改めたほど影響を受けた「天国体質になる!」の著者・鶴岡秀子さんの本。

鶴岡さんは現在は伝説のホテル開設準備を始め、さまざまな企業を経営されている人で、10歳から起業しようと考えていたというスーパーウーマンだが、その社会人第一歩について書かれているのがこの本。

流通に関することをまず勉強しようと考えた鶴岡さんは大手流通系のアパレルの店に配属になる。今は社名まで出しているプロフィールはないが、いろいろ探したところ古いセミナーの紹介ページに載っていた情報によれば、ダイエーのロベルタというブランドだったようだ。ダイエーに入っているミセス向けのブティックだ。そこで店長と掛け合いながら30〜50万の毛皮のコートをガンガン売っていた、というのは想像を超えている。この本に書かれているのは研修として店舗で実際に販売に携わる1年間の出来事だ。たった1年で月に700万円売り上げる人になったのだという。
どうやって?と思うが、そのノウハウはこの本にしっかり書いてある。


その根底にあるのは「自分がお客様を好きになること」。自分から好きになれば相手も好きになってくれる。鶴岡さんはオベッカを使って仕事をしたことはないそうだ。自分をオープンにし、大好きなお客様と話しながらお買い上げ頂く、それは楽しい仕事だったに違いない。

もちろん、そのための心遣いは細かなことから客観的な目をもつことまでさまざま。閉店ギリギリに駆け込んできたお客様は用事があって来られているので誠意を持って対応するとか、明らかにサイズが合わないお客様でもきちんとお話をしながら合うブランドまでご案内するなど。
だが、心がければ誰もができることばかり。私は昔デパートで女性向けの商品を売っていた経験があるのだが、結局職場のカラーが合わず1年ほどで辞めてしまった。当時この本がもしあれば、その時とは違う結果になっていたんじゃないか、と思った。そのくらいすぐ使える、取り入れられることがたくさんある。
その他、ディスプレイの配置から売り場作り、掃除、バーゲンの声の出し方など具体的で多岐にわたる。

私が面白いと思ったのは、「セットで提案することは押し売りではない」ということと、「お客様のタンス在庫を把握する」こと。
セット販売とはジャケットを買いに来たお客さんにインナーを勧めるとか、トップを買いに来たお客さんにボトムを勧めるなどのこと。私たちはついつい抱き合わせ販売のようで身構えるが、店長によればそれは提案であり、押し売りではないのだとか。よいと思うコーディネイトをフルセットでご提案しても、お客様はすでにお持ちのものは自分でカットするので大丈夫、勝手にお客様の値踏みをしてご提案の数を減らさないこと、というアドバイスに納得した。いかにも一緒に買ってくださいという押しではなく、こんな組み合わせも素敵ですよ、と示すことでコーディネイトの可能性が広がり、じゃあ買いましょう、という気持ちになるものかもしれない。確かに、微妙な襟あきのものなど、合わせてインナーなどを買っておいた方が一緒に試着できるので間違いがないし、同じブランドの方が統一感は出るものだ。それを勧めてくれなかったために合うものが他の店でなかなか探せなかった、というのは結局、お客様に迷惑をかけることになるのだ。

さらに「タンス在庫の把握」とは、お客様が店に着てこられた服をお買い上げの商品とは別に顧客リストにメモしておくこと。そうすることで、お客様のワードローブと組み合わせた提案ができるのだそうだ。さすがに、著者を育ててベストバイヤー賞を取る店長だと思わせる言葉だ。


「接客販売の仕事」のノウハウなので、はじめはそういう仕事の人にいい本だと思いながら読んでいたのだが、著者はこの時の経験がその後のすべての仕事に生きたと書かれている。確かに、徹底的に相手の立場に立って考える、相手が喜んでくれることを考える習慣はビジネスのどの局面にも必要な能力だろう。
また、この人自身の魅力も大きいと思う。店長にものおじせずに疑問点や提案をぶつけ、またとても素直に言われたことを吸収していく姿は「ああ、愛される人はこういうところがあるのか」と勉強になった。店長や地区のバイヤーも著者を成長させた素晴らしい人たちだが、やはりこういう人たちを引き寄せたのも著者の魅力・パワーなのではないかと感じた。

仕事をするのが楽しくなる本。仕事に行き詰まっている人は接客の有無にかかわらずお勧めです。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

みほこさん

「みほこさん」とは「認める・褒める・肯定する」のこと。みんなが「みほこさん」になれば会社や組織、人間関係はうまくいく。

お店に活気を作り出す

「お店の中で動きを作り出しましょう。静から動です。どうやって動きを作り出してよいかわからなかったら、同じ場所に10秒以上いてはいけない!と思って手や足を動かしてください。するべきことは山ほどあるはずです」