中日スポーツ2009年1月26日の記事
特にマラソンが好き、というわけではないが、家族の影響で何となく気になっていた今回の大阪国際女子マラソン。渋井選手というのは7年前に鮮烈なデビュー(初マラソンで優勝)を飾ったが、その後は「30キロ過ぎで失速し、優勝争いにまったく絡めない」というパターンを繰り返していた。あまりに初マラソンのイメージが鮮烈で、本人がそれに振り回されているような印象だった。
今回は昨年11月に走った東京国際女子マラソンからわずか2ヶ月弱という短い準備期間で参加したため*1、レース前から賛否うずまいていた。
しかし、「どうせまただめなんじゃないの」という周りの評判をはね返し、今までは失速していた30キロあたりからスパート、後半は独走で堂々の優勝。直前インタビューの暗い印象とは別人のように明るい受け答えを見ていてこれが同じ人か、と驚いた。
低迷してからは毎日のように「やめようか、続けようか」と考えていたという。周りも、自分自身も持っていた「また後半失速する」というイメージをよく覆して勝てたなあ、と見ていて感激した。それが「あきらめなければ夢は叶う」なのか「続けていれば成功できる」なのか、何に感動したのかうまく言えないが、力強く走る姿、そしてゴールの笑顔がとても美しかったのでいいものを見せてもらった、と思った。勇気をもらえたような気がする。
たぶん、「やりたいと思うことをやっている」時が一番強くて美しい、それを見せてもらったんだと思う。