毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

仕事の極意は人を喜ばせること☆☆

476319643Xお金でなく、人のご縁ででっかく生きろ!(2)[出会い編]
中村 文昭
サンマーク出版 2005-05-21
価格 ¥ 1,365

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著者・中村文昭さんは、高校卒業後に単身上京し、ある事業家との出会いから行商をスタート。その後六本木で飲食店を経営、現在は地元である三重県伊勢市に戻りレストランウェディング事業を手がけている。

この本も、最近たびたび名前が出ているメルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」で紹介されていたもの。この本は2なので、まず1から読もうと思って両方図書館に予約したのだが、手元に来たのはこちらが先だった。Amazonのレビューでも1、2同時に読むことを勧めている人が多かったので、できれば1を先に読んだ方がいいと思う。


先日紹介した「出逢いの大学」と同じようなジャンルの本で、いかに人脈を広げていくか、そのノウハウを教えてくれる。とにかく著者は母親譲りの世話好き、人好きで、そのすごさは常識はずれと言ってもいいと思う。どこの世の中に「新幹線で隣の席の人の足を踏んで友達になる」テクニックを持つ人がいるだろうか。おそらく著者くらいのものだろう。
なので、これをそっくりそのままやるのは凡人にはむずかしいが、その根底に流れるものが何なのか、この本を読めばわかる。それはおそらくすべての人に役に立つだろうと思う。

この本では事業を立ち上げるきっかけになった師匠との出会いやそのことばを始め、講演先で知り合った人や紹介されたさまざまな人たち、そして身近な家族までその素晴らしさがつづられている。心に深く染みることばがたくさんある。

著者を通して語られるそれぞれの人のことばや考え方を知ることができ、さらに著者自身の生き方や考え方もそこに重なるように書かれているので、まるで織物のように重層的でとても内容が濃いと感じた。


一番印象的だったのは、著者が経営する店の方針を「いかにお客さんを喜ばせるか」しか考えていない、と書いていたこと。お兄さんが経理などを一手に引き受けてくれているからこそできる、という背景はあるが、それでビジネスとして成り立つ、というところに感動した。

「どや。今日のお客さん喜んで帰ってるか?ごっつい笑顔で帰ってくれたら、その人はまた来てくれる。お客さんが3千円しか使うてへん?そんなんどうでもええねん。その人を喜ばせようと、お前らが頑張ったか。僕が求めてるのはそれやから」
 どのお客さんも満足して帰ってくれたら、必ずまた来てくれます。お客さんがうちの宣伝マンになって、「あの店いいぞ」と友達を呼んでくれます。お客さんに喜んでもらうことだけ考えていたら、自然とお客さんが増えて、商売は順調にいきます。

顧客満足を考える」というのはよく聞くことばだが、これほどきっぱり断言しているのは初めて読んだので、ここまで徹底していいんだ、とうれしくなった。著者の周りには同じように考えている人がたくさんいて、著者が尊敬している事業家のことばも心に響いた。

「あのなあ、フミちゃん。人は『私の仕事は教員です』とか『私はスーパーを経営してます』だのと言うやろ。あれは間違いなんや」
「間違いですか?」
せや。人の仕事は、全員おんなじや。人間の仕事はすべて、人の役に立つことや。
だから、正解は『私の仕事は、教員という役割を通して、人の役に立つことです』になる。『私の仕事は、スーパー経営を通して人のお役に立つことです』とな。おまえは、人の役に立ちたいんやろ?それなら何をやっても、おまえは立派に仕事をしている事業家や。生きることが事業なんや。人間が営業力であり資材なんや。これこそ永遠に飽きない商いやで」

人と出会うことの無限の可能性を感じる本だった。もちろん、本を読むことでも多くを学べるが、人に会って話を聞くことはもっとたくさんの、中身の濃い学びを得られそうだ。人見知りしている場合ではない、と思った。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

沖縄・久高島の「ノロ」*1真栄田苗さんの「あいうえお」の教え
  • 「あ」は、ありがとうの心です。

他者への感謝と自分への謙虚な気持ちがあれば、自然に出てくることばです。

  • 「い」は、いたわりの心です。

自分自身をねぎらい、相手もいたわって過ごすと安らかな気持ちになります。

  • 「う」は、嘘をつかないことです。

他人に対してだけでなく、自分にも正直になることです。嘘をなくせば誠実な人生が歩めます。虚栄や傲慢な心から離れて、素直な心を取り戻すことができます。

  • 「え」は、笑顔でいることです。

「笑い」は、人間にだけ与えられたすばらしい特効薬です。自分も相手も幸せにする笑顔、いつも笑みを絶やさずにいると、幸せは向こうからやって来ます。

  • 「お」は、思いやりです。

人の気持ちを思いやるということは、想像力が必要です。相手の立場に立つということ、自分でなくて、他人のことを第一に考えること、――それは子育てにも通じ、社会をうまく生き抜くことにも通じます。「思いやり」は、大局を見渡す視野の広さを育てるのです。

ご縁の「基礎体力づくり」

せっかく尊敬する人や、“なつきたい”と思う人にすすめられたものをそのまま放っておくようでは、出会いを、真の信頼関係、ご縁につなげていくことは難しいでしょう。
「見たい」を「見ます」に、さらに「見ました」に変えていくのも、大切な出会い力のひとつです。

中川電化産業(株)・代表取締役の川中宏さんの教え

50年で集大成せよ。20代=体を鍛える。30代=勉強する。40代=スタートする。50代=つぼみをつける。60代=花を咲かせる。70代=実らす。80代=収穫。
「焦って短い銃身の鉄砲をつくったらあかん。銃身の短い鉄砲は命中率が悪い。だから、じーっと自分の中で蓄えを作り、経験を積んで、一発で的のど真ん中を撃ち抜くような、長い銃身の拳銃をつくれ。それが成功だ」

福禄寿のバランス

人は「福禄寿のバランス」がとれたとき、幸せを感じるといわれます。
「福」とは人とのつながりやふれ合いです。愛する家族、大切にしたい人、信頼できる友人に恵まれることです。「禄」は生活に必要なモノやお金、「寿」は健康のことです。
愛する人がいて、仕事や収入があり、健康であることが、幸せの条件だというわけです。

*1:神に祈る巫女のような存在。詳しくはWikipediaでどうぞ