毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

自分を大きく見せるには☆☆☆

4837922066カリスマ 人を動かす12の方法
―コールドリーディング なぜ、あの人は圧倒的に人を引きつけるのか?

石井 裕之
三笠書房 2006-08
価格 ¥ 1,365

by G-Tools

「コールドリーディング」シリーズで有名なセラピスト&パーソナルモチベーター・石井裕之さんの著書。もう飽きたよ、と言われそうだが、こちらもメルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」で星5つの最高評価だったので読んでみた。


コールドリーディングとは、ニセ占い師や詐欺師がクライアントを信じ込ませる時に使う方法で、この方法を使えば簡単に人をだませるという。著者はだまされないようにする目的でこのノウハウを公表してきたのだが、潜在意識に働きかけるコールドリーディングの手法を自分のカリスマ性をアップさせるために使おう、というのがこの本の趣旨。

文中に「実績ができれば自信がもてるというのはまちがい」とある。確かに、初めてのことをやる時に自信のある人はいない。じゃあどうするのか?自信のあるフリをするのだ。はったりでも自信があるように振る舞うことで実績ができ、実績を積むことでやがて本当の自信につながっていく。
この本は「ビジネスリーダーのためのカリスマ養成法」が焦点なので、自分のカリスマ性を高めることでチームをまとめたい人にはとてもよい本だと思う。上から抑えつけるのではなく、どうすれば自分の言うことを聞いてもらえるのか、それがよくわかる。叱り方、褒め方などは子育てにも使える方法だと思う。
私も仕事柄、クライアントさんにいかに信用してもらうか、話すことに耳を傾けてもらえるかは大切なテーマなので、この本で紹介されている方法はぜひ役立てたい。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

カリスマ最大の武器は「揺れない心」にある

チームメンバーを褒め、叱り、指導しながら、ベストパフォーマンスを実現させるためには、リーダーの「求心力」が不可欠です。
リーダーに人を引きつける力がなくては、メンバーたちはあちこちに無秩序に散らばってしまいます。メンバー全員の心のベクトルが揃って、同じ目標に向かって力を発揮するためにこそ、リーダーの「揺れない心」が必要なのです。

なぜ占い師はきっぱり「断言」するのか?

占いを受けに来る人たちはみな不安なのです。不安だから、「断言」してほしいのです。たとえその占いがはずれるかもしれなくても、それでも断言してほしい。
「そうかもしれないけど、そうじゃないかもしれないねえ」などと言われたらよけいに不安になる。そんな言い方をされたら、占い師の不安が相談者に共鳴してよけいに不安になってしまうのです。
なぜ、多くの人たちが占い師に助けを求めにいくのでしょうか?意識では「当たる占いが聞きたい」と思っていくのだけれども、潜在意識的には「断言してくれる人」を求めている。これが本当のところです。だから、仮に占いがはずれたとしても、相談者の方から、好意的に解釈してくれるのです。

「なりきる」ことは最高の自己暗示

何かになりたかったら、そのごとく振る舞うこと。
行動こそが、最高の自己暗示です。

人は、認められたとおりに成長する

あなたのメンバーが、非常にがんばって、その結果、3億円の契約を取ってきたとします。ここであなたが、「君は、本当にデカイ契約を取ってきてくれた。おかげで、今年の売り上げ目標を達成できたよ」と、そのメンバーを褒めたとしましょう。
彼は、どのように成長するでしょうか?
彼の中で、「次もデカイ契約を取ろう」「これからも売り上げ目標に貢献しよう」という思いに焦点が当たります。
(中略)
彼がまじめにがんばった結果、デカイ契約を取ってきた時は、あなたは次のように褒めるべきなのです。
「君は、本当に真面目にがんばってくれた。ありがとう!」

そのメンバーにとってみれば、「デカイ契約」を取ってきたことを認められたのではなく、「真面目にがんばった」ということを認められた。デカイ契約は、あくまでもその結果だと理解するのです。
だから彼は、次も「真面目にがんばろう」と思い、そのように成長するのです。

カリスマのための12のサトルティ

※サトルティ(subtlety)とは…相手の意識ではなく、潜在意識へのさりげない示唆のこと
1.相手の話に頻繁にうなずかない。その分、うなずく時にはゆっくりと深くうなずいてみせること。
・うなずきの少ない人の方が、相手をリードする「主」の立場を獲得することができる。
・頻繁にうなずくのは「わかったわかった。もうやめてくれ。もっとオレに話させてくれ」という心理のあらわれ。
合いの手のようにリズムだけでうなずいたりせず、相手の話にじっと耳を傾け、大切なところでだけ深くうなずくことを心がけてみてください。それだけで、あなたにはカリスマの落ち着きと余裕が漂いはじめます。
2.できるだけ意識して相手の右手側のポジションを確保すること
3.『でも/しかし』と言わず、『だから/そして』と言うこと。
「でも/しかし」は相手を否定することば。「だから/そして」は相手を受け入れることば。今まで「でも/しかし」と言っていたところに「だから/そして」をあえて入れる。文法的におかしくてもかまわない。人は「自分を受け入れてくれる人」には必ず従う。
4.自分が本当に信じているセリフ、あるいは信じ込めるセリフだけをしゃべること
自分が信じていないことを他人に信じさせることなどできません。このサトルティを心がけると必然的に口数は減ります。他人から聞きかじっただけの話や、リズムだけの合いの手、見え透いた社交辞令、ありきたりの決まり文句などは口にできないわけですから――。
口数が減った分だけ、あなたが発することばの重みがまします。あなた自身が信じていることだから、チームメンバーに対しても説得力が生まれるのです。
5.余裕の雰囲気を醸し出すために、本物の笑顔でチームメンバーに接すること
本物の笑顔を作るには、相手の肩越しに愛する人があなたに笑顔で手を振っているとイメージするのです。
6.走らないこと
「人は、自分よりもゆっくり動く人を、自分よりも偉いと感じてしまう」。どうしてゆっくり動く人の方が偉く感じるかというと、ゆっくり動くということは、つまり、他のものに振り回されていないということだから。どんなことにも振り回されない。自分は自分のペースで動く。それがカリスマです。
つい走り出しそうになった時には、いったん立ち止まって、「待てよ。私は今、何に振り回されているのだろう?これは本当に振り回されるに値することだろうか?」考えてみる。
「走らない」ことを心がけるだけで、自信や落ち着き、安定感が心に育ってくるのが実感できるはずです。
※「人間は、潜在意識的に自分よりもゆっくりと動くものに勝てない」ことを試すには、満員電車や混み合ったエレベーターから降りる時、あえてできるだけゆっくりとした動作で降りてみるようにするとよい。みんなスッと道を空けてくれる。
7.相手を安心させるアイコンタクト――相手を包み込むように見ること
相手の目を見るのではなく、上半身を全体を見るようにする。目線で相手を包み込むように意識する。このようにすることで、まなざしが柔らかくなると同時に、包み込まれているという印象を相手の潜在意識に与えることができる。速読の時のようにほんの少し焦点をぼかして、相手の上半身全体を同時に視野に収めること。つまり、「周辺視野」で見るようにする。
ずっと包み込むように見るのではなく、相手としばらく目を合わせている時だけ「上半身全体」を見るように焦点を縮め、ときおり目線をはずして、通常の見方に戻せばよい。
目線をはずす時、下に目線を移動させると、自信のない印象を与えてしまう。下に目線をはずすのではなく、相手の肩越しに、向こうにある壁や窓などを見るように目線をはずす。つまり、目線を下に落としたり、引っ込めたりするのではなく、グッと先を見るようにする。それによって、堂々とした印象のまま目線をはずすことができる。
8.握手をする時、左手を上に乗せて包み込むこと
相手の手のひらと密着する程度の力を入れながら、お互いに握り合った右手に、あなたの左手を「上から」乗せる。こうすることで、あなたの方が主導権を持つ立場にいることをアピールできる。しかし、相手は包み込まれている心地よさを感じるため、強引さを感じることはない。
9.不安は、仮に態度に出てしまったとしても、決して口に出さないこと
不安を口に出すのは、言ってしまうことで自分の気持ちを楽にしたかったから。しかし、リーダーについていく人たちにとって、自分たちのリーダーには不安を匂わせてほしくない。当然あるはずの不安を、グッと堪えて表に出さない覚悟の中にこそ、カリスマの本質があるのです。
10.リーダーのあなたは『わかりやすく』なければならない
リーダーとしてのカリスマ性を漂わせるためには、あなたというリーダーが「(メンバーにとって)どういうリーダーであるか」を、まず、あなた自身が明確に意識しなくてはならない。自分がどのようなタイプのリーダーとしてメンバーを統率したいのかを、ことばにまとめて整理してみること。そして、自ら決めたその性格づけに、可能な限り合わせて行動するようにする。
あなたの性格づけがどのようなものであろうとも、それが「わかりやすい」限りにおいて、そして一貫している限りにおいて、メンバーの潜在意識は安心し、あなたについていこうと感じる。
11.ゆっくり食べること
人やものに振り回される人は絶対信用されない。人は動かないものを求めている。その動かない様を、人は「落ち着き」と表現する。落ち着いている人のそばにいると安心できる。日々の生活の中で、リーダーに必要な「落ち着き」を身につけるために、ゆっくり食べることでカリスマのトレーニングをするとよい。

レーニングの時は、食事をしている間はその食事のことだけを考えるようにする。パッケージから多くの情報を読み取り、開けて外観を楽しむ。食材の香りを感じ、ひと口、口に入れる。噛んだ感触に集中する。味覚や食感にも集中する。できるだけ長く噛み、噛むたびに変わってゆく味、食感を感じる。存分に噛んだと思ったら、ゆっくり飲み込む。その時にも、食べ物が喉を通り、食道を通り、胃袋にポトンと落ちる様子をイメージする。ひと口分が、胃袋に納まったことを確認してから、次のひと口を同じように食べる。この食べ方をすれば、おそらく全部食べきれないうちに満腹になってしまうだろう。
1日のうち1度だけでも、週末のランチだけでも効果がある。このトレーニングをすることによって、『今、この瞬間』に集中できるメンタリティが養成される。
12.トラブルの時ほど、『今、この瞬間』に集中すること
与えられた苦しみを、自分の心で勝手に3倍にしてしまっているということ。
「あなたが本来耐えるべき痛みは、今の3分の1でいいはずなのです。よぶんな3分の2は何かというと、まず、過去の痛みの記憶。そして、将来の痛みへの不安です。だから、『今、この瞬間』の現実の痛みだけに向き合えば、あなたが感じる痛みは今の3分の1になる。3分の1になれば、それはもうほとんど気にならない痛みになるはずです――」
※著者自身が花粉症を克服した例を思い出す。
このトラブルは、本当は3分の1でいいはずだ。『今、この瞬間』にやるべきことに向き合い、それを淡々とこなしていけば、乗り切れないはずはない!
天地がひっくり返るほどのトラブルに際して、落ち着いて対処できるリーダーほど、チームメンバーたちにとってカリスマ性を感じるものはない。