※仕事に関わるような、ふだんこのブログで書かないジャンルの内容です。興味のある方はご覧ください。
石井ゆかりさんは星占いのサイト「筋トレ」を主宰する方だ。奇遇だが同じはてなダイアリーでブログも書かれている。ゆかりさんのことを知ったのは、友人が「この本面白いよ」とブログで著書「12星座」を紹介していたことがきっかけ。一般的な「星占い」とはまったく違う斬新なことばが魅力で、毎週のサイト更新を楽しみにしている。
たまたまブログで今回の講座があることを知り、申し込んだ。私が申し込んだ理由はたぶん他の方とは全然違い、
- 生のゆかりさんがどんな人か見られるチャンス
- ゆかりさんご自身が書いてくれた1行占いカードがもらえる*1
という変わり種だったと思う。100人規模の講座だからそんな人が混ざっていても許されるかな、と勝手に決めて参加させてもらった。
ずっとゆかりさんの書く文章に触れて来たので、勝手に自分の中で「石井ゆかりさん」のイメージができていたが、そのイメージとは全然違っていた。先だって芥川賞を取った、大阪出身の作家の方に雰囲気が似ているな、と思った。ああそうか、作家っぽいからあんなことばの選び方や文章になるんだ、と納得した。詳しくは知らないが、確か以前にある文学賞を取られて、ペンネームで本を出されたこともあったそうなので。
そんなミーハーな気持ちで参加したので、講座の内容は自分の関心の外にあったのだが(すみません)、会場で渡されたのはゆかりさん手書き(しかも鉛筆書き!)の私の出生時のホロスコープ。それをもとに、星占いの仕組みや読み方を基礎からきちんと説明してもらった。
今ではほとんど自分ではやらないが、子どもの頃から占いフリークだった私はもちろんアストロロジー(=西洋占星術)にもはまった時期がある。何年か前、たまたまプロの星占い師が仕事用に作ったというフリーソフトをダウンロードさせてもらって持っているのだが、専門用語が全然わからず、しかもプロ用なのでそういう解説は一切なし。宝の持ち腐れになっていた。そのちんぷんかんぷんだった内容を今日一気に教えてもらえてとてもありがたかった。
私が使っているタロットはアストロロジーとも深い関連があるので、今日の講座はその意味でも勉強になった。しかし、一番なるほど、と思ったのはどうやって占うかという手法。私はアストロロジーというものは、解釈に幅がない、「こう出ているからこうなる」というようなビシッとしたものだと今まで思っていたのだが、実は読み手によってずいぶん変わるものだった。読むものがカードか星の位置関係かの違いだけで、本当はとても似ているのかもしれない、と思った。
出生時の星の位置と、知りたい瞬間の星の位置の関係から読んでいくのだが、そのふたつの関係から何を読むか、というたとえ話がとても印象的だった。
フルーツの盛り合わせにフルーツソースが何種類か添えられていた。その中のラズベリーソースがルビーのようでとてもきれい、このきれいなソースをきれいなオレンジにかけたらさぞきれいだろう、と思ってかけたら「火サス」状態*2になって怖かった、という話をされていた。
ふたつの要素を組み合わせて考える時、その可能性はものすごくたくさんある。バラバラなら予測できても、組み合わせると思いがけないことになる、というのはよくわかる。タロットも基本的に2枚ずつの組み合わせで読むので、無限に解釈ができてしまうからだ。
また、今回ひとりひとりに書いていただいた「おみやげ」=ホロスコープによる今後の占いについても、書くのがむずかしかった、とブログにも書かれていたし、話されていた。わかるのは名前と生年月日などの情報だけ。その人がどんな人生を送っていて、どんなことをやりたいと思っているのかまったくわからない状態で今後についてメッセージを書く。それがどれだけ恐ろしいことか私にはよくわかった。
私のタロットは「黙って座ればピタリと当たる」形式ではなく、カウンセリングのように話を聞きながら読んで行く。そうしなければ当てものになってしまうから。その情報が一切ないまま、言わば丸腰でメッセージを書く、それがどれだけ勇気の要ることか。考えただけで震えが来た。
その「おみやげ」は帰りに受け取ったのだが、個人的にはここ数年の流れとこれからについての解釈が自分の感覚とぴったり合っていてうれしかった。とても丸腰で書かれているとは思えなかった。微妙な年齢の女性に、結婚しているかも子どもの有無もわからない中でこれを書くのは(以下同文)、とゆかりさんを尊敬した。
これだけきちんとわかりやすい内容の講座にひとりひとり違う直筆メッセージ*3、これで3千円ちょっとは安過ぎる。大阪のこの講座はしばらくお休みだそうだが、また機会があればもう少し詳しい講座も受けてみたくなった。
星占いは読み手によって解釈が違う、ということがはっきりした今、石井ゆかりさんの占いはいいよ、と声を大にして勧めたい。不思議に占いということばがあまりしっくり来ない人で、「星読み師」と呼んだら似合いそう*4。興味を持った方はぜひ。