毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

話の意味の決定権は聞き手にある☆☆

4569654657「場の空気」が読める人、読めない人――
「気まずさ解消」のコミュニケーション術

福田 健
PHP研究所 2006-06
価格 ¥ 735

by G-Tools
株式会社話し方研究所会長・福田健さんの本。以前別の著書を読んだ時にも思ったが、実例が多くて非常に具体的な内容になっている。気まずい場面をどう乗り切るか、どのように対処すればいいかがよくわかる。上司と部下といった会社関係、夫と妻など男女関係についてのさまざまな場面がたくさん登場するので、参考になることが多い。

また、よくない例がたくさん出てくるが、これがひとつやふたつは誰でも身につまされるものがある。私も、いいと思ってやっていたがまったくの勘違いだった、と気づくことがいろいろあった。自分の欠点を直視するのは辛いが、今後のために知っておくといいと思う。


この本で一番耳が痛かったのは、次のくだり。

「話したことの意味を決めるのは、話し手ではなく、聞き手である」
意味の決定権は聞き手に握られているのである。話し手は、ともすれば、自分の話したことはその通り相手に伝わるだろうと思いがちだ。
(中略)
だが、どう受け取るかは聞き手が決めるのであって、聞き手の権利なのである。話し手にとって聞き手とは、自分の思い通りに話を聞いてくれる相手ではない。聞き手の思い通りに話を聞き、意味を決定する存在なのである。

このことから、コミュニケーションというのは実はかなり不毛なものだということがわかる。それをわかった上で、じゃあどうするか、ということだ。理想や幻想を追い求めるのではなく、伝わらないものだ、という現実を踏まえて話をする。それがコミュニケーションをする時に大切なのではないか、という気がした。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

好意を押し売って相手を怒らせる

言葉で言うほど、人を思いやるのは簡単にできることではない。実践が伴わないと、「思いやり」という好ましい言葉だけがひとり歩きしてしまう。その結果、思いやりのつもりが、単に自分のこだわりだったり、ひとりよがりの思いやりだったりすることも少なくない。本人は思いやりのつもりだから、相手のとまどいや迷惑に気づかない分、場の空気にも鈍感になる。

フランスの哲学者アラン*1の言葉

「悲観は気分、楽観は意志」

落語家・古今亭志ん生の言葉

人の噺を聞いてみて「こいつは自分よりまずいな」と思うと、自分と同じぐらい、「こいつは自分と同じぐらいだな」と思うと、自分より向こうの方が上なんですよ。

*1:『幸福論』の著者