毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

美しい言葉遣いで美人になる☆☆☆

4883193470ぜったい幸せになれる話し方の秘密
――あなたを変える「言葉のプレゼント」

佐藤 富雄
スリーエーネットワーク
2005-04
価格 \1,260
by G-Tools

文庫版あり*1

「口ぐせ理論」で有名な佐藤富雄さんの本。著書も多数出されていて、私も何冊か持っている。脳科学をベースにしたメソッドはわかりやすい語り口調でまるで心に染み込むようだ。最近「脳科学」的な本ばかり読んでいるので、もう飽きたよ、と言うかなと思ったが、そこは佐藤さん、他にはない斬新な切り口の話がいくつもあった。

この本のベースにあるのは「自分の欲するものを、まず他に与える」というゴールデンルール。これは、欧米のビジネス界でも成功に導くものとして知られているのだそうだ。これは会話に関するルールではないが、言葉もプレゼントと考えてまず与えること、そうすることによって与えられるいい関係が作れるという。

また、面白いと思ったのは「脳は主語を認識しない」ということ。誰かをほめた時、脳は自分がほめられたのと同じように反応し、誰かをののしった時は自分がののしられたように反応するのだそうだ。積極的に言葉のプレゼントを贈ることは、自分のためにもなる、というのは納得できた。自分ではなく、別の人が怒られているのにその怒鳴り声を聞くとビクッとしたりショックを受けるのはそういう理由だったのだ。

女性は表面的な「キレイ」ではなく内面の美しさを目指すべき、と佐藤さんは書き、表情が美しくなるのはなんと60代からだという。これからが楽しみになってくるような言葉だ。
「相手へのプレゼント」として美しい言葉遣いを心がけるうちに、自分の口から出た言葉で自分が磨かれるのだという。この本を読めば嫌な言葉、悪い影響を与える言葉を使いたくなくなるはず。


こんな風に、読むだけで美しくなれそうな本。どこかで読んだことのあることもたくさん出てくるが、うまくまとめられているのでよく理解できて身につきやすいと思う。女性向けだが、最終章をのぞいて男性にも役に立つはず。


※最近読んだ「話し方」関連の本

口のきき方 (新潮新書)口のきき方 (新潮新書)
梶原 しげる

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フリーアナウンサー梶原しげるさんの本。よくテレビで見かけるし、好きな司会者のひとりなので期待して読んだが、総花的というか欲張りすぎたのか、内容が散漫な感じ。テレビ業界の裏話が好きな人にはいいかも。評価は☆。
話し方のマナーとコツ (暮らしの絵本)話し方のマナーとコツ (暮らしの絵本)
伊藤 美樹

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「暮らしの絵本」シリーズなので絵が中心で、文字も全部手書き。いろいろなシチュエーションごとにいい例と悪い例が紹介されていて、マナーと話し方を両方一度に教えてくれるので、困った時に読むのに向いていると思う。入門書としておすすめ。評価は☆☆。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

美しい言葉は誰のため?

私たちの脳の自律神経系は、「本当」と「想像」の区別がつかない。だからこそ口ぐせのとおりに自分を動かすことができる。
さらに、自律神経系にはもうひとつの面白い「欠陥」がある。それは、言葉にされたことの「誰が」という主語の部分が理解できないということだ。誰かをほめればほめるほど、自分自身がほめられたように感じる。それが私たちの脳なのだ。
誰かと口げんかをしたり、罵ったりすると、その瞬間は感情を爆発させて気持ちがいいかもしれないが、時間が経って冷静になってくるにつれ、あなたの気持ちは暗く重たいものになっていくだろう。自律神経系は、その悪口によって自分が傷つけられたと判断してしまうからだ。ストレスホルモンを大量に分泌させ、心身に多大な影響を与えてしまうだろう。
美しい言葉、美しい会話、美しい話し方は、相手を気持ちよくさせるだけのものではない。むしろ、自分自身の気持ちを高め、清めてくれるとっておきの魔法なのだ。

プレゼントとしての言葉

日常会話にだって用件を伝えるだけの「送る」言葉と、気持ちまで伝える「贈る」言葉があるはずだ。
メモ書きのように投げつけられる言葉と、プレゼントのように手渡される言葉。相手からもらってうれしいのは、当然プレゼントの言葉だ。また、自分が贈って気持ちいいのも、やはりプレゼントの方だろう。私たちは言葉ひとつで大きく喜び、大いに傷つけられるものだ。

大切なのは話し方

私たちは決して話の「内容」で相手を判断しているわけではない。
大切なのは話し方であり、話す時の「態度」なのだ。

どうしてお世辞は通用しない?

お世辞には、相手に対する気持ちが込められていない。
そこにあるのは「ごほうびがほしい」という下心だけ。相手に向けているようで、実は自分だけに向けられた言葉が、お世辞の正体なのだ。その意味では「自分の話しかしない人」と大差ない。

誰かにほめ言葉を贈る時には、

しっかりとその理由まで教えてあげるとよい。それだけで、相手に与える印象はまったく違ってくる。

話し方と立ち居振る舞いの関係

たとえば、ケンカや戦闘のシーンでは、俳優さんたちは必ず汚い言葉で相手を罵る。実は、こうした言葉は「相手を威嚇する」ためだけの言葉ではない。むしろ、大きな声と汚い言葉を発することによって、自分自身を興奮させているのだ。あまり好ましいたとえではないが、これは私たちが無意識のうちに「話し方によって立ち居振る舞いが変わる」ことを知っていて、それを実践している何よりの証拠である。
もしあなたが美しい話し方、美しい言葉を身につけることができれば、それは必ずあなたの立ち居振る舞いを変えてくれる。

○「ありがとう」×「すみません」

日本人の多くが「ありがとう」を言うべき時に、へりくだって「すみません」と頭を下げてしまう。これでは感謝の気持ちなどまともに通じない。「すみません」は謝罪の言葉だからだ。
いつも「すみません」と口にしている人は、たとえ本人にそのつもりがなくても、どんどんと謝罪を重ね、自己像を低いところへ押し下げていってしまう。
一方、いつも「ありがとう」と口にしている人は、世界中の人たちが自分の味方になったような感覚を覚える。自分を卑下することなく、相手の厚意に、純粋な感謝の気持ちを抱くことができる。もちろん、そうすればどんどん自分のことが好きになるし、自分の生きる世界、自分の周囲の人たちを好きになっていくことができる。

感情の言葉を使う

私たちは、相手が感情の言葉を語ってくれると、その人の「素顔」に触れたような気持ちになる。一方、ロジックで語られた言葉からは、その人の表情は一切読み取れない。それは「仮面」をかぶった言葉なのだ。ビジネスの現場ではともかく、少なくともプライベートの場では、「仮面」を脱ぎ捨てて、感情の言葉を使うようにしよう。知的であろうとする必要はどこにもない。

誰かから相談を受けたら

決してロジックで問題解決しようとせず、まずはじっくりと話を聞いて、心の底から共感してあげること。
多くの場合、相談してくる人は「答」を求めているのではなくし、ただ「共感」と心の安らぎを必要としているのだ。

周囲の人の長所を探す

ひとつでも長所が見つかれば、その人のことを好きになることができる。少なくとも、そのきっかけにはなる。他人の短所ばかり探していたって、人生ちっとも面白くない。
嫌いな人や苦手な人こそ、その人だけの長所を探してみよう。そして見つけることができたら、ちゃんとそれを口にして伝えてあげよう。あなたを取り巻く人間関係は、それだけで劇的に好転するだろう。

「以心伝心」を求めるのは禁物

本当の以心伝心は相手に求めるものではない。相手の表情やしぐさから、こちらが気持ちを察してあげる関係。相手が言葉にする前に、それに応えてあげる関係。
それが本当の以心伝心。決してこちらから理解を求めていくものではない。

説得より納得を

文法的には少しおかしいが、「相手に対して納得を試みる」ことが大切だ。
説得とは「する」ものであり、納得とは「してもらう」ものである。私たちが説得を試みる時、その多くがロジックに頼ることになる。客観的なデータを集めて、なるべく主観を交えないようにして、理詰めで「正しさ」を主張する。それが説得の正体である。人の体温を感じさせない、方程式のような言葉だと考えればわかりやすい。
一方、納得とは、相手がその考えを「自分から受け入れる」ということである。つまり、こちらからグイグイ押しつけるのではなく、相手の方が歩み寄ってくるようにしなければならない。
納得において大切なのは、ロジックの言葉ではなく、感情の言葉だ。客観的なデータや論理的な「正しさ」を示すのではなくて、まずは感情の言葉であなたの「気持ち」を伝える。そして、あなたの気持ちに「共感」してもらう。あなたと一緒に、同じ気持ちを分かちあってもらう。これが、納得というものだ。

学ぶ気持ちをもって会話する

あなたは、いつも「学ぶ気持ち」を持っていますか?
そのために、相手の長所を探そうとしていますか?
短所ばかりを探して「この人から学ぶべきことはない」と決めつけていませんか?
相手を「説得」することにばかり熱心になっていませんか?
相手の意見に「納得」することを忘れていませんか?

すべての基本はフォーマルにある

洋服にしても、フォーマルな着こなしができる人ほど、カジュアルな着こなしのコツも身につく。ふだんラフな格好ばかりしている学生さんが、急にリクルートスーツに身を包んでも、どこか不自然に見える。
一方、ふだんからフォーマルな格好になれている紳士淑女がバカンス先でラフな格好をしても、しっかりと気品を漂わせているもの。これは言葉も同じ。
どんな場所でも通用するフォーマルな話し方を覚えてこそ、フランクな話し方、友達から好感を持たれるやさしい話し方が身につくのだ。
イメージングのために、自分が「こうなりたい」というお手本を見つける。たとえば、話し方のプロであるアナウンサーなどがよい。好きなアナウンサーをいつも頭の中でイメージして、まるで自分がアナウンサーであるかのように心がけると、誰に対してもやさしく、聞きやすい、そして気品や知性のあふれる「美しい話し方」を身につけることができるだろう。

まず1秒の間をおく

「つい、口にしてしまう」失言を減らすのに、よい方法がある。それは、言葉を口にする前に、「まず1秒の間をおく」という習慣だ。

大切なのは脳のボイストレーニング

誰かと会う前、会社に出かける前に「今日はあのアナウンサーみたいな自分で会おう」と自分の理想像をイメージする。それだけで、脳の自律神経系はしっかりと反応してくれる。態度はもちろん、声までも劇的に変えてくれるのだ。
もっと正確に言うなら、声そのものは変えることができなくても、声の「表情」は、いくらでも変えることができる。

いつも笑顔を心がける

いつも笑顔を心がけていれば、汚い言葉は口から出てこようとしない。笑顔からは、楽しい言葉、明るい言葉、美しい言葉、つまり「笑顔の言葉」しか出てこないのだ。

笑顔は大切なサイン

笑顔は「私はあなたを受け入れていますよ」という大切なサインになるのだ。だから、人から笑顔で話しかけられると、私たちはリラックスして話をすることができる。

人の名前を覚える方法

どうして人の名前を覚えるのが苦手なのだろう?
答は簡単。日常的に人の名前を口にしていないから、覚えられないのだ。いつも口にしていれば、どんなむずかしい名前でも、どんなにたくさんの名前でも、簡単に覚えることができる。

人生のサポーターを得る

私たちが幸せな人生を歩んでいくには、たくさんの協力者が必要だ。私という人間の素晴らしさを多くの人に伝えてくれる、人生の「サポーター」が必要なのだ。
サボーターになってくれる人を得るためには、どうすればいいのか?……まずは、自分自身が誰かのサポーターになること。汝の欲するものをまず他に与えよ。
このゴールデンルールを常に頭に入れておく。

どんな時でも「これでよかった!」

どんなことがあっても、まずは「これでよかった!」と口にしよう。
このたった一言で、ストレスの原因となっていた不安や恐怖は消えてしまう。そして、脳が活性化して「どうして、これでよかったのか?」という理由まで探し出してくれるのだ。
恐ろしい時、不安な時、イライラしている時、どんな時でも「これでよかった」と口にする。そして「大丈夫、どうにかなるわ」「これがベストの選択よ」と考える。この大原則を忘れないようにしてほしい。

相手が不安がっている時は

目の前の相手が不安がっている時、おびえている時、イライラしている時ほど、自分は落ち着いているべきなのだ。そして「これでよかった」の言葉を語りかけてあげる。
ここであなたが不安そうな表情を見せては、何の意味もない。相手も「これでよかった」ことを期待しているし、その言葉を待っている。

自分を信じれば、他人も信じられる

私たちは、何よりもまず、自分のことを大好きになる必要がある。ナルシストになるのではない。自分という人間の「ありのまま」を受け入れ、肯定し、愛していくのだ。
ありのままの自分を受け入れ、肯定し、大好きになることができたら、自分のことを信じられるようになる。自分が現在置かれている立場についても、「私が選んだことなんだから、間違いない」「このまま進んでいけばいいんだ」と思えるようになる。

自分を好きになれば、自分を取り囲む「世界」を好きになれる。
自分を好きになれば、自分の周囲の人たちみんなを好きになれる。信じることができるようになる。
他者を信じて、感謝の気持ちに満ちた「言葉のプレゼント」を贈っていれば、あなたの人生はさらに輝きを増していくのだ。

鏡で表情をチェックする

鏡を見る時は、自分の「表情」を確認すること。ストレスがたまっている時、たとえ自分で自覚できなくても、その疲れは必ず表情として鏡の中に映っている。気づかないうちに、眉間にしわを寄せていたり、口が「への字」になっていることも。
体重計や血圧計で健康状態を確認するように、鏡をのぞき込むことで「心の健康」をチェックする習慣を身につけよう。

笑顔の確認法

携帯電話に、最高の笑顔を見せる自分の写真を入れておく。自分の笑顔をたくさん集めておき、ちょっとストレスがたまったなと思ったらその写真を見る。仕事でミスをして落ち込んだら、その写真を見る。
自分には、こんなに素敵な表情ができるんだ、ということを知る。自分の人生には、こんなに楽しい時間があるんだ、ということを確認する。
そして、その楽しい時間があなたの「笑顔」によって作られていたことを確認する。笑顔には、私たちの人生を劇的に好転させてくれるパワーがある。

自分を誰とも比較しないこと

さらに、現在の自分と過去の自分を比較するのもやめよう。成長した自分をうれしく思う気持ちもあるだろうが、幸せとは比較できるものではない。あくまでも今日という1日を、そして明日という1日を、さらに幸せにしていくことを考えよう。
自分を誰とも比較しないこと。それは、ありのままの自分を好きになるための、大切な条件なのだ。

*1:ぜったい幸せになれる話し方の秘密 あなたを変える「言葉のプレゼント」 (朝日文庫)