毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

見る目が変わる☆☆☆

4584392595<新装版>敵は我に在り 下巻 (ワニ文庫)
野村 克也
KKベストセラーズ
2008-02-20
価格 ¥ 710

by G-Tools

現在は東北楽天ゴールデンイーグルスの監督で、今まで数々のチームを優勝・日本一に導いてきた野村監督が20年以上前に書いた本。新装版として文庫から去年出されている。こちらは下巻だが、図書館で予約したら先に下巻が来てしまい、もともとは上巻に当たる本の続編である、とまえがきにあったのでこちらから読んだ。この本もメルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」で紹介されていたものだ。

私は家族が熱狂的な阪神ファンだった影響で20年以上プロ野球を見ているので、野村監督はよく知っている方だと思う。ただ、阪神で思わしい結果を出せなかったり、奥様が脱税で逮捕されたり、正直言ってあまりいい印象がなかった。何より一番の理由は解説者としてTVに出ている時、とにかく暗かったからだ。私は選手を褒めて伸ばすタイプの人が好きなので、文句ばかり言っているように見えた。

しかし、驚いたことに、この本を読んで印象がガラリと変わったのだ。
野村監督はテスト生としてドラフト外で入団し、自分に一流選手になるだけの素質がないことを知り、考えることでのし上がってきた人だ。だから、考えずに漫然と野球をやる選手に対して厳しいのだと思う。考えて打席に立てば、もっと結果が出せるのになぜ何も考えないのか。それが「ぼやき」になって出ているのだろう。

選手に対してもやさしい目を実は持っているということも驚きだった。解説でぼやいてばかりいると思っていたが、広岡達朗氏と一緒に解説した時に、あまりにも広岡さんが選手を見る目が厳しくてびっくりして何も言えなくなった、というエピソードが紹介されていた。
自分の選手時代のこともあり、やはり体や素質は恵まれないがそれを努力や頭でカバーするタイプをかわいがる傾向はあるようだが、ぼやかれるのは愛情の証かもしれない。

これを読んで思い出したのが、現在楽天の中軸を打つ山崎選手だ。中日時代は打撃のタイトルをたくさん取り、素晴らしい活躍だったが、オリックスに移籍してからは目立たない選手になってしまった。その後楽天に移籍し、野村監督の「考える野球」に触れて山崎選手は驚いたのだそうだ。「野球はこんな風にするのか」と。そこで真摯に監督の教えを受け、今では楽天を引っ張るチームリーダーになっている*1
あれほど活躍した選手が「考える野球」を知って驚いたこと、それを学ぶことで復活できたことは野村監督の理論が素晴らしいことを照明していると思う。

そして、この本の素晴らしさは、その理論が野球選手以外にも役に立つことだ。まるで人生訓を書いた本のようにも読める。野球がまったくわからない人には読みづらいかもしれないが、WBCを見て野球の面白さを感じた人にはぜひトライしてもらいたい本だ。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

打たれた悔しさが残る、反省がある。

では、どうすればいいだろうか。次は、どうしよう。そう考えるところから進歩が始まります。成長もあるのです。失敗した点が骨身にしみないようでは、とても「いい捕手」にはなれません。

目標を決める

打者としての目標を、1シーズンに打率3割、40本の本塁打を打つことに置いてみます。その目標と、自己の打者としての能力をひとつの線上に結んだ時、自然に、自分の進むべき道が、決まってくるでしょう。
その方向が決まれば、あとは徹底するしかないのです。それは、サラリーマンでも、自分で商売をする人でも同じではありませんか。
まず、「自分が、どういうタイプか」を見極める。つぎに、「目標を立てる」でしょう。すると必然的に、「道が決まる」のです。あとは、とにかく「徹底してゆく」それ以外にないと思います。

運を呼び込む

そういった運を呼び込める選手は、たとえヒットしたあとでも、「ストレートを待っていたら、カーブがきた。振り切れたからよかったけれど、参ったなあ。どうして読み間違えたのかなあ」と反省している。それが凡打になっていても、やはり「なぜ?」を考えている。その姿勢が、次につながるのです。
その反対に、「ストレートを待っていたら、カーブだもん。この次があるよ、しゃあないわ」と片付けてしまう選手には、決して運は向かないでしょう。
「自分は、運が悪いなあ」と嘆くのは簡単です。しかし、不運(いい結果が出ない)には、必ず、それなりの理由があります。そして、幸運にも、それ相当の過程があるのです。

チームプレーの本質

自分のために「10」の力で働くところを、「1」か「2」くらいはチームのために働く。その気持ちをもつこと、それ自体が人間を磨くのだと思います。
その「1」か「2」を考えることが、自分を成長させ、周囲の評価にもつながるのではないでしょうか。

自分を信頼する

信頼というのは、自分を大事にするというところから、スタートするのではありませんか。それは、どれだけ自分を愛しているか――というのと同義語のような気がするのです。

*1:このエピソードは以前山崎選手がホームラン王のタイトルを取った時に確かテレビで見た内容です。出典がはっきりせず申し訳ありません