手紙屋 〜僕の就職活動を変えた十通の手紙〜 喜多川 泰 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2007-08-15 価格 ¥ 1,575 by G-Tools |
先日読んだ「手紙屋蛍雪編」の続編に当たる作品。ただし、出版された順番でいくとこちらが先になる。昨日の続きになるが、どちらを先に読む方がいいのか、少し考えてしまった。というのも、どちらを先に読んでもネタバレになるからだ。時系列ではこの本は蛍雪編の4年後になるのだが。
こちらは、大学4年生で就職活動中の諒太が、手紙屋と10通の手紙のやりとりをすることで働く意味や目指すものについて考え、自分らしい生き方に目覚めていく物語だ。ここで重要になってくるのが、手紙を書くことを商売にしている「手紙屋」と呼ばれる人物の存在だ。この人が誰なのかが実は物語の鍵を握っているような気がする。それは「蛍雪編」でも明かされているので、この本を「蛍雪編」の後に読むとわかって読むことになり、やっぱり楽しさが半減してしまった。ストーリーを大切に読みたい方は、こちらを先に読んだ方がいいかもしれない*1。
この本も目からウロコの考え方がたくさん出てくる。10通手紙を書く間に、諒太の価値観はどんどん変わり、生きる目的が明らかになってくるのだ。「蛍雪編」と同じく手紙屋のたとえ話は非常にわかりやすいので、自然に心に入ってくると思う。
私は「蛍雪編」ほどリアルタイムの時に読みたかった、とは思わなかったが、これから就職活動を控えている人にはぜひ読んでもらいたい本。会社を見る目が180度変わるし、万一希望していた会社に入れなくても、それは大したことないんだ、と思えるようになります。
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
相手に『称号』を与えてしまう
私があらゆる人から約束を守ってもらえる理由がここにあるのです。
私は、初めにあなたに、
“絶対に約束を破らない人”
という称号を与えました。それを与えられたあなたはその称号通りになろうとするのです。これは本当です。
私の場合は、相手がどのような人かを判断してから、○○な人という称号を与えるのではなく、相手にこうなって欲しい、こういう人でいてほしい、という称号を初めに与えてしまうところから人間関係をスタートさせているのです。
人間には過不足なく、あらゆる性格が備わっている
『相手を変えることはできない』
『すべての人にあらゆる性格が備わっている』
このことがわかれば、あと必要なのは、あなたが相手の持っている性格の中で欲しいものを引き出してあげる存在になることなのです。
そして、相手の性格を引き出してあげる方法が、称号を与えるということなのです。
目標を持つから壁が現れる
壁はその人がよりよく生きていこうと考える時に必ず現れるものです。そういった意味では、壁は自分ががんばって生きていこうとしている証として誇り、歓迎していいものなんです。
このように、人生におけるあらゆる壁は、あなたが決める生き方に応じて目の前にやってきます。
だから、目の前にやってくるものを、取捨選択しないことです。「これはいる、これはいらない」と、その時の自分で判断していると、後悔するばかりでなく、自分の持っている秘めた可能性を開花させることはいつまで経ってもできなくなります。
報酬を得るとは
私は、一個人であれ、一法人であれ、働く“人”はみなできるだけ多くの報酬を得るよう努力すべきだと思っています。
ただ、それは多くの人から必要とされるようになれば結果的に自然とそうなるからであって、多くの報酬を得ることを第一目的として達成するべきものではありません。あなたがそのことを理解し、一個人として生きる時も、そして会社を作った時にも、ひとりでも多くの人から必要とされるのを目標にすることは、何より重要だと思うんです。そして、それを忘れずに行動する限り、結果としてあなたの受け取る報酬は大きくなる続けることでしょう。
失敗した人は才能を理由に挙げる。成功した人は情熱を理由に挙げる
*1:個人的な意見なので、ぜひ他の方の感想も読んでから決めてください