毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

人生は変えられる☆☆☆

4569578179あなたに成功をもたらす人生の選択
(PHP文庫)

オグ・マンディーノ 坂本 貢一 訳
PHP研究所
2002-10

価格 ¥ 680

by G-Tools
※私が読んだのはハードカバー(1995年刊)ですが、絶版のようなので文庫版をリンクしてあります
もちろんこれも小説なのだが、翻訳者のあとがきによればマンディーノの「もっとも私的な物語」だそうだ。「この世で一番」シリーズ*1にはオグ・マンディーノ本人がそのまま登場しているが、あれは別として、この作品の保険会社を辞めて作家になろうとする、そして書いた処女作が売れて生活が変わっていくあたりは自身の体験がそのまま書かれているようだ。

個人的な意見と思って聞いていただきたいが、オグ・マンディーノがそのまま登場するシリーズは(小説に分類していいかどうかわからないので)のぞいた場合、私はこの作品がもっとも小説として楽しく読めた。おそらく、一番人気は「12番目の天使」だと思うが、私はあまり好きになれなかったので、普通の感覚とは少し違うのかもしれない。

もちろんよりよく生きるために必要な素晴らしいエッセンスが満載なのはこの作品も同じ。だが、この本で貴重だなと思ったのは、「成功するためにはつらい局面もある」ということを実感させてくれたからだ。一足飛びに夢のように成功が手にはいるのではない。この作品の主人公は、会社を辞めて貯金を切り崩しながら小説を書いていたので、出版社に原稿を送っては断られる、ということが続いていた間に貯金がほぼ底をつく。家族にもつらい思いをさせ、自分は収入を得るために肉体労働をした時期もある。それでも結局小説が世の中に出て成功するのだが、プロセスとしてこういう場面もあるんだな、とうところにとてもリアリティを感じた。

また、本が手元にないのではっきりしたことは言えないが、おそらく以前紹介した「オグ・マンディーノ人生を語る」はこの本から生まれたものだったと思う。もともとあの本は、ある成功に関する本を書いた小説家を主人公にした作品が人気を博し、「主人公が書いた本を読みたい」というリクエストに応えて書かれたものだと紹介されていた。オグ・マンディーノが作品を通じて伝えたいことは一貫していたのでどの本も書かれていることは大きく変わらないが、この本を読んだあとに読むとさらに心に染みるかもしれない。

この本でも、その考え方の一部はスピーチなどで読むことができる。「人生は選択できる」ということを思い出すために、ぜひ読んでください。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

幸せとは香水のようなもの

賢い人間が幸せになるためには、ほんのわずかなものがあればいい。しかし、愚かな人間は、たとえ物質的な冨をどんなにたくさん手にしたとしても、決して幸せを感じられない。私は愚かではない。私は自分の周りに円を描いた。そして、もしその円の外側のものに手が届いたならば、私は、それを自分のものにするのではなく、人々に与えるだろう。私には、それほど多くのものは必要ない。行うべき何かがあり、愛する誰かがいて、目指すべき何かがありさえすれば、私は幸せなのだ。
私は今、幸せが存在しうる場所は1ヵ所しかない……それは、自分自身の内側のみである、ということをよく知っている。
そして、今後私は、自分の幸せを他の人々にも分け与えたい。幸せとは香水のようなものである。その香りを他の人々と共有するためには、まずは、その数滴を自分自身に振りかけなければならない。

*1:私が勝手に呼んでいます。あるところでは「サイモン・ポッターシリーズ」となっていました