強みを活かせ!―あなたの才能を伸ばす知恵 ドナルド・O・クリフトン/ポーラ・ネルソン 宮本喜一 訳 日本経済新聞社 2001-05 \1,260 by G-Tools |
簡単に言えば、「自分の短所はそのままにして長所を伸ばせ」ということだ。
プロローグにたとえ話があるのだが、動物が集まる学校で、走るのが得意なウサギに泳ぎを教えようとする。ウサギが泳げないのは当たり前だ、と冷静に考えればすぐわかるのだが、実は人間の学校でも同じことをやっているのだ。得意なことではなく、弱点に注目し、弱点を克服させようとする。それがいかに無意味であるか、この本を読めばわかる。
現代は「オールラウンダーこそ素晴らしい」という価値観ができあがっているので、弱点を放置したまま(に見える)なのは怠慢に映る。しかし、強みを活かすことがいかに人生の質を上げるかが具体的に語られているので、この本を読み終わった時には得意分野を伸ばすことにもっと力を入れようかな、という気持ちが沸いている。
また、どうやれば弱点に上手く対処できるか、ということにもページが割かれている。とても実践的な本だと思う。
私が特に役に立つ、と感じたのは「自分の弱点を知る8つのポイント」という項目だ。自分の強みと弱みが何なのか、きっちり把握している人は実は少ないと思う。この項目を読めば、自分の弱点がチェックできるので、強みと弱みを知りたい方はぜひ、読んでみてください。
個人的には6ヶ月セミナーでは触れられなかった「ミッション」(自分の使命)を作る方法や、具体例などが紹介されていたこともあれしかった。ミッションと強みは両方あるとさらに活かせるそうなので、機会を見てミッション作成もやってみようと思う。
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
自分の成功と強みをはっきり思い描く
自分が最も自信が持てる時はいつですか。それは成功した瞬間を思い出す時ですか、それとも、うまく行かなかったことを思い出す時ですか。自分の成功と自分の強みをはっきりと思い描いている人は、間違いなく強くなれるのです。
「何でもできる人」を目指さない
個人がひとたびコンピテンシーを発揮できる分野を手に入れたなら、それは知識を構築することによって新たな知識を取り入れ理解するための基礎的枠組みを手に入れたことになります。あるひとつのことについての膨大な知識は、他のすべての知識を融合する核になるのです。
強みが最も成長するのは、あるひとつの事柄あるいは目標に集中して充分や時間が投入される時です。いったんある特定の分野でコンピテンシーを獲得すれば、他の分野のことも吸収できます。こうして自分なりの経験を積み上げられるのです。
もし充実感を覚えないなら、それは強みを発揮していることにはならない。
何でも屋にならない
「先生になろうか、それとも歌手の方がいいのかな」
「ルチアーノ、2つの椅子に一度に座ろうとしたら、その椅子の間にしりもちをつくぞ。生活のためにはどちらかの椅子に決めなさい」
人は成功を手にすればするほど、強みの道筋から転落する可能性が大きくなる。
(例)
- スポーツのスター選手が映画の制作に乗り出した。
弱点を何とかしようと思わない
「弱点を克服、強みに転換させる」このお題目はとても無理な注文です。なぜなら自分の弱点を一生懸命克服しようとすることは、まさに立派な態度そのものだからです。われわれは自分の能力に備わっている強みひとつに対して、ざっと千の弱点があると推測しています。この割合は、自分対の弱点をすべて直そうとすることで、膨大なエネルギーの無駄遣いだということを教えてくれています。
弱点の見つけ方:活動の最中に燃え尽きてしまう
燃え尽き現象は、人が弱点のある分野で働いたことから来る精神的・肉体的な結果であることがよくあるのです。これはその本人に弱点が存在することの決定的な証拠です。
弱い分野を認める
弱い分野をいち早く認めることは勇気ある、そして同時に成長を約束する行動です。自分に強みのない領域を積極的に肯定する人は、自分が持っている強みを伸ばしながら前進する人なのです。
ミッションは個人的なもの
ミッションはまず個人的なものでなければなりません。個人のミッションはその人自身にとっての世界そのものです。それが持っている強みと融合して、本人が成長するための糧となるのです。
強みはミッションを基礎にして最高の機能を発揮する
カンザス州トピカにあるメニンガー財団のミッション
生活の質を向上させる……。
精神医学の知識を開発、応用、そして普及させることによって。
病気の人にもそうでない人に対しても分け隔てなく力になる。
人生のストレスに立ち向かうための個人の自立性と充実した能力を通して。
より大きな個人的な充実感と満足感を見出す。
あくまでミッションであって目標ではない
自分のミッションを考えるのに数分ですむ時もあれば何ヶ月もかかる場合もあるでしょうが、これを始めるにあたって、その目的を明確に述べておくことにします。目的とは、「自分の強みに集中させてくれるような」個人のあるいは企業のミッションステートメントを書くことです。
少し時間を割いて、次の質問に対する答を書いてみてください。
「他の人間とは違った存在になると信じて実行していることは何ですか。言い換えれば、自分を突き動かしているものは何ですか。」
人間関係とは何か
人間関係とは、自分に対する見返りを期待することなしに相手のためになることをする、そのことによってその相手に投資をするプロセスのことです。要するに、他の人に対する自分の融合的な反応ということになります。
成功は人間関係のおかげ
人間関係によってわれわれは、自分が何者なのか、そして何者になれるのかを教えられます。われわれが成功できるのは、ほとんどの場合、その何ものにも代えがたい人間関係のおかげなのです。
他の人のことをよく理解するための提案
- その人の名前、特にその本人が呼んでほしい名前を覚える。
- 何をして収入を得ているのかを調べる。
- その人がどんなことに熱くなるのかを理解する。家族、ペット、政治、ゴルフなど。
- その人が持っている強みをひとつでもよいから発見する。
- その人が何をしたいのかを見極める。目標は何か。将来をどう見通しているか。
目標を人と共有する
目標というものは、自分に関心を持ってくれている人と共有しない限り、いつまでたっても夢のまま終わってしまうものです。われわれはこうした目標の共有を「認知のプロセス」と呼んでいます。これは2人の人間がお互いに話し合うという単純なことです。
(中略)
ひとたび目標が設定されると、本人の耳元にはこんなささやきが聞こえます。
「さあ、もうやり抜く以外にないぞ」