毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

視野を広げるための方法☆☆

 

脳機能学者・苫米地英人さんの本。野球ファンなら「侍ジャパンがWBCで優勝できたのは、原監督がこの本を熟読し、戦術に活かしたから」という秘話をご存じかもしれない。サブタイトル“真実のリーダーとマインドオペレーション”というタイトルからリーダーシップの取り方の本と思い、読んでみたがそう甘くはなかった。

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自伝のところでも書いたが、この人がいかに頭がいいかは文章を少し読めばすぐわかる。わかりやすく書いてくれているのだと思うが、内容が難解なのでいくらやさしい言葉を使っていても限界がある。
ただ、理論はともかく使える部分もかなりある。やはり読み手を選ぶが、ちょっとくらいむずかしくても耐えられる、という人にはいいかもしれない。


そもそも、リーダーはどういう立場でいなければならないのか?という話が面白い。日本ではすべての部署を研修で経験させたりするが、実はその必要はないのだそうだ。「経験」で学べるレベルのことと、「知識」で学べるレベルは違うが、リーダーになるのに「経験」レベルまでは不要、「知識」がきちんとあればよい、と著者は結論している。現に、アメリカでは経営者になるべき人物はそのように育てているという。

つまり、この本に書かれているのは日本ではまだ一般的ではない「リーダー論」なのだ。「高いところから、広く見渡す」ことがリーダーに求められるのは誰でもわかると思うが、現場を知らなくても現場以上の決断をするやり方、それがわかる人はほとんどいないだろう。この本ではそんな斬新な考え方を学べる。

これを読んで実践に活かせた原監督はすごいな、というのが正直な感想だった。
読みごたえのある難解な本が好きな方はどうぞ。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

視点を高くすると情報量は減る

“動物”は“イヌ”よりも視点の高い概念ですから、潜在的には持っているにしても、“動物”という概念そのものが“イヌ”の情報を持っているわけではないことにご注意ください。
つまり、視点を高くすると、情報量は減るのです。
しかし、潜在的な情報量は増えます。
“動物”は“イヌ”にも変われますし、“ネコ”にも変われる、ということです。

視点を高くする=「抽象度を上げる」

視点を高くすることを、カント以降の分析哲学では、抽象度を上げる、と言います。
“動物”は“哺乳類”よりも抽象度が高いし、“イヌ”は“哺乳類”よりも抽象度が低い、というわけです。

脳と心は同じもの

では、何をもってして分けているのかといえば、記述する視点の高さです。視点が低いとモノとしての脳、高いと情報としての心、というわけです。

視点を上げて広く解決する

視点を上げて、より広く問題を解決してゆくことが私たちの責務だと思います。視点の低い解決は、解決したような気分になっているだけで、本質的な解決にはなっていません。
高い視点での解決は低い視点に落とすことができます。しかし、その逆はできません。低い視点での解決は、対症療法にしか過ぎないのです。

ホメオスタシスの同調(相手を自分の臨場感の世界に引き込む)

たとえば、霊がいるかどうかは別にして、霊を見るという人はいます。彼らには本当に何かが見えていることが多いです。
「霊がいた!怖い!ギャー!」とものすごく怖がると、別の人も怖がります。しかし、すごく平然として全然怖がらないと、別の人も怖くないのです。
わかりやすくいうと、臨場感のレベルの問題です。思いっきり臨場感を強く感じた人が勝つのです。その臨場感が相手に移るのです。

視点を上げる訓練

視点を上げるという作業は、記憶からの切り離しです。それには、顔の前で、ほんの3回くらいでいいので、指を左右に動かし、右、左、右、左と目で追う方法があります。
目を動かすと、レム睡眠の逆が起こります。
夜寝ている時に目がピコピコッと動くのがレム睡眠です。
(中略)
逆に、過去の記憶を思い浮かべながら目を動かすと、過去の記憶が体感から切り離されます。

過去は記憶の中にしかない

つまり、過去は記憶の中にしかないということであり、そして、その過去は、現在、未来の行為でどんどん変わっていくということです。