毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

ブレない自分を作る☆☆

自分ブランドで勝負しろ!
藤巻 幸夫
オーエス出版 (2004/1/6)
¥1,365

元・伊勢丹カリスマバイヤーで、現在はブランドプロデュースや執筆、講演、TV出演など幅広く活躍されている藤巻幸夫さんの本。2004年出版なので、少し前だが、「自分ブランド」という言葉を初めて使われたのはおそらく藤巻さんなので、興味があって読んでみた。

しかし、読んでみて実は違和感があった。というのは、私自身が半年間「自分ブランド」構築のためにあれこれやってきたが、それと何となくずれている気がしたから*1だ。
5年前なのでやり方が古いのかもしれないし、そもそも方向性が違うのかもしれない。私にとってはセルフイメージを変える、新たに作ることが自分ブランドの第一歩なのだが、この本ではそれはほんの一部、「自分軸」のところくらいだろうか。

当然だが、この本は藤巻さんのやり方が書いてあるので、すべての人に当てはまるわけではないと思う。やはり会社や組織に属している人が対象だし、とにかく藤巻さんご自身が熱い人なので、同様に“熱い人”向きだと感じた。
という、やや斜めから見たような感想なのでご了承ください。個人的には藤巻さんは大好きだし、この人ほど肩書きが似合わない人もいないだろう。どこにいても何をやっても「藤巻幸夫」ブランドでお仕事をされていると思っている。


この本でなるほど、と思ったのは次の3つ。

  • 自分軸を持つ

どんなポジションにいるときも、どんな仕事をしていても、「自分はだれのために何をすべきなのか、何ができるのか」を繰り返し自問自答せよ!

すぐにわからなければ、憧れる人やものを大切にする。ビジョンがあれば理想の自分に近づけるし、信念もしっかりしてくる。それがあればどこにいてもぶれないでいられるのだ。
また、藤巻さんは会社でも自分がおかしいと思ったらルールは破っていたそうだ。たとえばヒゲと坊主頭。デパートでは身だしなみに関してとてもうるさいそうだが、自分のスタイルを貫き通したという。
もちろんこれも、結果をきちんと出していればこそできることだろう。

  • 自分を磨く

藤巻さんの素晴らしいところは、「バイヤーになる!」というビジョンを持っていたので、バーゲン会場や倉庫の担当だった時もそのための勉強を怠らなかったことだ。素材を知らなければ、と返品の商品をひとつひとつ触って感触を確かめたり、素晴らしい上司がいればさまざまなことを盗んだり。仕事の時だけでなく、休みの日に得意先の工場を回ったりしたそうだ。そんな積極的な学びの姿勢が今の藤巻さんを作っていると言えると思う。
また、自分のセンスを磨くことにも力を入れたそうだ。自腹でヨーロッパに視察に出かけたこともあるという。一流のものをはじめ、興味のあるものに積極的に触れること、「見る」ではなく「観る=観察」の姿勢を心がけることでセンスは磨かれていくという。
また、自分のことばを磨く大切も力説されている。お客様に商品をすすめる時、ただ単に「お似合いですよ」しか言えない人と、自分のことばでよさを伝えられる人のどちらから買いたいと思うだろうか?人の心に訴えかけるのはやはり「ことば」なのだ。
藤巻さんは今でこそしゃべりが大好きな人として知られるが、実はもともとは話すのは苦手だったそうだ。練習をして今のようにどんどんコミュニケーションが取れるようになったのだという。ビジョンがハッキリしていれば、自分に足りないものがわかり、それを身につける努力が自然にできるのかもしれない。

  • 人を巻き込む=人脈

自分に足りないもの、と上にも書いたが、自分でできることには限界がある、と知ることが第一歩だそうだ。まず自分の棚卸しをして、足りないものは人に求めればいい。そこから人脈が広がっていくそうだ。
そのためには、会いたいと思ったらまず飛び込んでいくのだという。尻込みする人が多いが、そういう場を経験することで度胸もつき、人とのつながりができてくるそうだ。
また、「目利き力」も大切になってくる。そのためには、仕事だけでなくその人そのものに興味を持つこと。ここでもやはり話を聞くことがポイントだそうだ。
目先の損得勘定ではなく、その人丸ごととつながることが藤巻流の人脈術なのだと感じた。


会社勤めはしているがこのままではいけない、という人、がむしゃらにやってみたい人にはいい本だと思う。そうじゃない人にもヒントはいろいろあります。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

自分のスタイルを発揮できているかチェックする

試しに、自分が自身のスタイルを発揮しきれずにつき合っている人のリストを作ってみてはどうだろうか?仕事をする上で、自分のスタイルをかなり抑えてつき合っていたり、無難に接していたりする人のリストだ。
そのリストが長ければ長いほど、自分はまだ実力で勝負できていない、という動かぬ証拠になる。悔しがろう。
そして1年後や3年後に、そのリストを改めて見返してみてほしい。自分のスタイルを押し出せるようになって、どれだけの人をリストから減らせただろうか?もし何年経ってもリストにまったく変化がないとしたら、あなたは「実力」ではなく、「従順さ」を身につけてしまっている。

素直に負けを認める

私は「人生は勝ち続けなくていい」」と心の底から思っている。今自分が周りに負けていると感じたら、素直に負けを認めて、その時にうまく行っている人たちに助けてもらうなり、教えを乞うなりすればいいじゃないか。そんなスタンスに何の問題がある?

興味のある世界に身を置くには

  • 自分が深く関わりたい世界を見つけてきたか。その範囲を拡げてきたか。
  • その世界で一流と呼ばれているものは何かを、情報誌やインターネットで調べるなり、人にたずねるなりして、貪欲に探ってきたか。
  • 注目されている人について調べてみたか。プロフィールや略歴を追ってみたか。
  • 気になる人が出てきたら、その人をフォーカスしたような催し物があった時に、自分の耳や目で確かめるべく、出向いてみたか。

本当に人の心にことばを届けたいなら、信念のあるペテン師になれ

私の惹かれるペテン師とは、次のような人たちのことを言う。

  • あなたのためになります、あなたの力になれます、と心を込めて真顔で言える人。
  • これはいいものだ、こうすれば世の中はもっとよくなる!と自信をもって主張できる人。
  • 自分のやっていることにはこれだけの価値がある!と言い切れる人。
  • 自分のやっていること(あるいは夢や志)について、無関係な人を飽きさせることなく(むしろ楽しませて)1時間以上話せる人。

あなたは、自分の思いを“断言できる”くらいの自信を築いてきただろうか?

思いを言い切ることにまだ躊躇してしまうなら、それはあなた自身が、己の武器や意志を完全には信じ切れていない、という証だ。だから今一歩努力を重ねよう。
揺るぎない自信を築くには、すでに述べてきたとおり、仕事の現場を徹底的に歩き、街並みや人の流れも絶えず見て回り、たくさんの人に出逢い、さらには失敗からも多くを学んでいくことだ。

自分のことばの磨き方

まだ自分のことばができていないと感じるなら、次のように、複合的な面からものごとを捉え、ことばを築くといいだろう。

  • 復習(今はどんな時代かをことばにする)

自分の関わる市場や人々のライフスタイルをどう表現できるか。「顕在」しているものごとを自分のことばに置き換えていく。

  • 予習(これからどんな時代になるかをことばにする)

自分の関わる分野で、どんな動きが起きつつあるか、何が大事になってきているか。「潜在」しているものごとを自分のことばで形にしていく。

  • 仮説(自分には何ができるかをことばにする)

自分にはどんな武器があり、誰に対して何ができるか。自分の目がよいと判断したものには、誰に何をもたらしうるか。自分の「可能性」をことばにする。

*1:私が「自分ブランド」を作るためにセミナーでやったことは、中井隆栄さんの『自分ブランド構築術』に全部書いてあります。読書日記もUP予定なので、しばらくお待ちください