毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

この本の狙いは何なのか?(評価不能)

すべては宇宙の采配
木村 秋則
東邦出版 (2009/07)

¥1,500
NHK『プロフェッショナル仕事の流儀』などで紹介され、有名になったりんご農家・木村秋則さんの著書。『奇跡のリンゴ』はプロフェッショナルの制作班の方が書かれているので、本人の言葉そのままとは違う*1。こちらはご本人の書かれた本なので楽しみにしていたが、読んでみたら頭の中がクエスチョンマークでいっぱいになってしまった。巻頭に茂木健一郎さんの「本書をより理解するために」という文章も載っているが、それでもこの本の内容をどう理解していいのか困ったままだ。


というのも、いかにして農薬を使わずにりんごを栽培するに至ったか、という話はもちろん載っているのだが、不思議な体験が多すぎるのだ。高校生の時に龍を見た話。UFOをやたらと見る話。宇宙人に遭遇する話。それが後には実際にUFOの内部に入った体験まで出てくる。極めつけは最後のエピソードだ*2


生い立ちや、木村家の婿養子であること、奥さんが農薬を散布するたびに寝込むほど農薬が合わない体質だったために農薬を使わない栽培を目指すようになったことなど、奇跡のりんごに至る背景はもちろん書いてある。
さらに、私は龍や宇宙人に遭遇したことはないが、見る人がいてもおかしくないだろう、くらいには思っている。まったく受け付けない人間ではない。
もっと踏み込んで言えば、りんごの完全無農薬栽培はそういった不思議な体験ができるような、人とはちょっと違うアンテナを持つ人だからこそできたことなのだ、と言われたらそうかもしれない、とも思う。
しかし、この違和感は何だろう。

おそらく、「この本で読みたい話はそんなことじゃない」というのが正直な感想だと思う。宇宙人の話が読みたくてこの本を手に取ったわけではないのだ。分けて書いてもらえたらよかったのに、と思った。そういうエピソードが全くなくてもりんごの話は充分伝わると思うのだが。


りんごにまつわる話はなるほどと思う。実家も婿養子に入った家もりんご農家だが、実家ではなく婚家だからできたことだ、というのもわかる。義父が理解してくれ、成果が出ない間ずっと応援してくれた話も心を打つ。

それとは別に、UFOや宇宙人の話に興味がある人が読んでも面白いんじゃないかと思う。たとえば、2012年に地球が終わるのでは、という話はスピリチュアルが好きな人は耳にしたことがあると思うが、この本には2012年ではないが、かなり近い未来にその時が来ることを宇宙人に教えてもらった、という話が出てくる*3

ただ、それを1冊の本に詰め込んであることが理解できない。出版社は誰に読んでもらいたいと思ってこの本を出したのだろう。内容が悪いというのとは違い、評価のしようがないため☆はつけてありません。ご了承ください。

*1:注意:まだ読んでいないので、内容についてコメントしているわけではありません

*2:興味のある方は実際に読んでみてください

*3:公表してはならない、という約束だったためそれが何年かは書かれていません