著者は金融機関勤務→ベンチャー起業するが、3億円の負債を抱えて取締役解任→経営コンサルタント→著述業という異色の経歴の持ち主だ。しかし、書評の本が評判を呼び、この本もベストセラーになった。面白そうだと思って読んでみたが、「1粒で2度おいしい」以上の価値がある本だった。なぜなら、ビジネス書を読みたい人にも書きたい人にも役に立つからだ。
ビジネス書の選び方とコツ、効率よく身につけるための読書術、出版側の裏事情あれこれ、10大著者の特徴と解説、そしてビジネス書の書き方まで、内容は多岐にわたるが、これがとにかく面白い。ビジネス書がどうやって作られているか、それがわかるとハズレ本をうっかりつかまされるリスクも回避できるし、裏読みもできる。「本を書きたい」という意図にもいろんな種類があるというのを、私はこの本を読むまで意識したことがなかった。
著者は書評の本を短期間で書き上げた経験から、ポイントをつかんで的確にまとめることに秀でているそうだが、その才能がこの本でも発揮されている。中でも面白いのがPART4の10大著者の「ここが読み所」。そうそうたる顔ぶれだが、指摘はかなり辛口で鋭い。勝間さんの項はまさしく私が感じていたことがそのまま書いてあって爽快だった。
また、ビジネス書を書くためのセミナーを開かれているそうで、そのコンテンツがほとんど掲載されている。なので、ビジネス書を書きたい人にとっても必読の本だ。書評を書いてもらう方法やアマゾンキャンペーンのやり方など、普通に暮らしていたらわからない裏話も知ることができる。
書評ブログの紹介や著者のマトリックス、過去のベストセラーリストに厳選リスト90冊ととにかくこれでもか、と豪華に詰め込んである。これで1260円は安すぎる。
ビジネス書はかなり読んでいる方だと自負していたが、厳選90冊のうち、読んでいるのは2〜3割程度。まだまだ勉強が足りませんね。
この本を足がかりに読んでいくと確実に力がつきそうだ。
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
感銘を受けた本は3回はくり返し読む
まず1回目は、まえがきを読んだら本文を精読する。そこで「これは!」という内容や言葉に出会ったら、付せんを貼っておく。
そして2回目は付せんを貼ったところを中心に読む。そして3回目には、ブログや読書メモを作りながら、ぱらぱらとページをめくりながら、通読するのだ。
短期記憶を長期記憶にするには、くり返し読むとよいとされている。短期間に3度脳に焼き付けることで、短期記憶が長期記憶に変化し、内容が脳に定着するのである。
本の探し方「垂直検索」と「横断検索」
探しているジャンルの本の「mece」リストを作る。
まず、アマゾンでキーワードを入れて検索する。これを売れている順に並べ替え、さらにメモする。その後、著者名などで「指名検索」=垂直検索を行う。
その後、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」をチェックする=横断検索。