毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

本当の頭のよさとは何か?☆☆☆


この本も実は内容とタイトルがまったく関係ない、最近多いタイプの本だ。タイトルでベストセラーになったと言ってもいいと思う。ただ、内容は私にはとても深く考えさせられる、いい本だった。売れてよかった。


端的に言えば、「何でも調べたり人に聞いてすませちゃダメ、自分の頭で考えなさい。考えるほど頭はよくなるんだから」ということが全体を通して述べられていることだ。“目先の結果を求めない、大局的な考え方”ができるようになるのが目的と言ってもいいと思う。その視点で世の中を眺めてみると、ほとんどのことが納得できる。

書いてあることは多岐にわたるので飽きずに読める。ご自身の離婚ネタがちょっと多いのはご愛敬だが、仕事に行き詰まっている人にはこの視点は救いになるのではないだろうか。

この本を読んでどう行動するかは人それぞれ違うが(もちろん画一的な答はこの本には書いていない)、こんな考え方ができる人が増えれば、世の中は変わると思う。たくさんの人に読んでほしい本。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

イデアとはひらめきではなく「発見」

イデアとはゼロから生み出されるものではなく、そこにあるが誰も気づいていないものをちゃんと見つけることだ。

仕事に「みんな」は禁句

みんなで一緒に考えようというのは、一見するといいことのように思えるが、こればかりを繰り返していると、自分の頭ではなく他人の頭を頼るクセがついてしまう。
「みんなはどう思いますか?」
「みんなの意見をまとめましょう」
打ち合わせでよく耳にする言葉だが、これは自分の頭を使っていない人の台詞だ。人の頭を当てにして仕事をしている限り、自分の頭は働かない。
(中略)
仕事に加わる意義は、自分自身の頭を使い、あなたでなければ出せない何かを提供することにある。

ぐっと来る人と来ない人の違い

あと1段、階段をのぼるために何かを捨てる覚悟をしているかどうか、だと私は思う。

私はビジネスの基本は、「役に立つ」ことだと思っている。

ボツをしっかり検証する

人は「成功」と「失敗」があると、成功を見てその秘訣を知ろうとする。
しかし、成功をいくら見ても本当に大切なことはわからない。
なぜなら、成功の「型」は常に変化しているからだ。時代によって人が求めるものは変わるし、相手によっても求めるものは違う。
でも、失敗の要素というのは、時代が変わっても、相手が変わっても、実はあまり変化しない。
だから、ボツをしっかりと検証して、明らかなボツとニアなボツを識別していくことがスキルアップのために最も重要なことなのだ。
明らかなボツを知り、ボツの要素をひとつずつ取り除いていけば、結果的に成功の確率は上がっていく。

サン=テグジュペリの名作『星の王子様』は

ナチスの弾圧下で苦しむたった1人のユダヤ人の友人に向けて書かれた本だ。
大ヒットには、「この人のために」という、非常に個人的な感情からスタートしたものが多い。
大切な人を思う時、人の思いは強くなる。
そうした強い思いが作品の背景にあったからこそ、多くの人の心に響く本になったのだ。

これからは「ぐっとカンパニー」の時代

私は、これからの時代、起業はビッグカンパニーでもグッドカンパニーでもなく。「ぐっとカンパニー」を目指していくべきだと思っている。
日本全国に、なぜかお客様の集まる高収益の中小企業が現れ始め、それがあるタイミングで一気に増え、彼らによって経済が牽引されていく。そして、彼らこそが人の心をつかむ「ぐっとカンパニー」だと思っている。

会社ですべきこと

「いい商品を作り出すこと」(本質)と「その商品のよさを伝えること」(伝える技術)

コミュニケーションに必要なこと

どんなコミュニケーションにも目的があり、目的がアクションに結びつかないコミュニケーションなど存在しない。
だから最初に、誰にどういう行動を起こして欲しいのか、ということを明確にしておかないと、伝えるべき内容を間違ってしまう可能性がある。
なにかを伝えようとする時、人は自分の持っているものを全部伝えようとする傾向がある。だがそんなことをしたら、本当に重要なことは、かえって伝わらない。

「理論」と「感情」、両方のアプローチが必要

アクションにつながる理解を得るためには、理論と感情、この2つのアプローチが必要だということだ。
何かを伝えるという行為は、相手の手を取って感情の階段を一歩ずつ上っていくイメージに近い。
うまく相手を上らせることができれば、相手はアクションを起こしてくれる。

「さらけ出される暴力」

世の中には、「さらけ出される暴力」というものがあると、最近つくづく思う。
電車の中で大声で聞きたくもない話を聞かされた時。
スーツの裾からはみ出たすね毛を見せられた時。
不愉快だから、頼むから見せないでくれと思う。
嫌なら見なければいいじゃないか、という人もいるが、見えてしまうのだから仕方がない。
それに、周囲にいる人がどのような感情を抱くか、想像して不愉快な思いをさせないようにするのがマナーというものだろう。マナーがむずかしいのは、同じ行為の是非が時と場所によって違ってくるからだ。
(中略)
そして、何が許されて何が許されないかというのは、時代と共に変化する。
だが、そこには変わらないルールもあると私は思う。
それは「相手の感情に思いをはせる」ということだ。

アクションに結びつく理解と、結びつかない理解

なぜなら「わかる」には3つの段階があり、最も深い理解の段階「レベル3」まで行かないと、人はアクションを起こさないからだ。
理解の最初の段階、レベル1は「内容を理解する」ことである。
言葉が理解でき、何を言っているのかわかる。情報が正しく伝わる段階、と言ってもいい。
次のレベル2は、伝えたことに「同感」する段階だ。
同感とは、もともと自分の中にある感情と一致することなので、話を聞いて「ああ、一緒、一緒、私もそう思っていた」という気持ちになるのがこの段階といえる。
そして、レベル3になると理解は「共感」を生み出す。
「同感」と「共感」は似ているようで違う。「共感」は、最初から自分の中にあったわけではないが、相手の感情にふれたことによって、自分の感情がそこに一致するということである。
同感が「頭が一致する」というイメージなら、共感は「心が一致する」イメージと言ってもいい。

頭がよくなるレベル3段階

最初の段階でできるようになるのは「失敗と成功の学習」。
次のレベル2では「習慣の入れ替えと工夫」が身につく。
そして最後はレベル3「目的自体の変更」が可能になる。

まず最初の「失敗と成功の学習」で学ぶことは2つ。ひとつは「同じ失敗をくり返さないこと」、もうひとつは「成功を再現すること」である。
まず、同じ失敗をくり返さないためには、失敗の原因を突き止めなければならない。この時大切なのは、失敗を「点」としてとらえることだ。
失敗というのは「かけ算のゼロ」のようなものだ。ゼロがひとつでも入っていると、かけ算はすべてゼロになるように、失敗のポイントがあると、他にどんないい条件があっても失敗してしまう。
同じレベルでも、もうひとつの「成功を再現すること」は、失敗を排除するよりむずかしい。なぜなら、失敗が点なら成功は「面」だからだ。
よく「成功の秘訣は?」と聞く人がいるが、成功は失敗と違って、これさえあれば成功するというものではない。成功はいろいろな要素が組み合わさってできあがるものなので、私は成功の「レシピ」と呼んでいる。
成功のレシピを再現するためには、順番を間違えず、慎重に分量をはかりながら再現していくことが必要になる。
(中略)

考えなくてもできるようになったら、次のレベル「習慣の入れ替えと工夫」の学習が求められる。
これは、考えながら前とは違う行動をすることで、さらなる成果を上げることである。実は、仕事も料理も同じプロセスをくり返したからといって、同じ結果になるとは限らない。材料や気温、湿度によって調理のやり方を変える必要があるように、仕事も環境の変化に合わせて、そのレシピを意識的に変化させなくてはならない。大切なのは、レシピを守ることではなく、味を守ることだ。

ここまでは積み上げる成長と言ってもいい。
だが、最後のレベル3「目的自体の変更」は、これまでの学習とは大きく違う。
なぜなら、ここで学ぶのは、習慣を身につけることや習慣を変化させることではなく、まったく別のもの、目的そのものを変化させることだからだ。
つまり、レベル1が料理のレシピを守ることだとすれば、レベル2はレシピを変化させることにより味を守ること。レベル3は味そのものを変化させることと言える。
なぜ変化させなくてはならないのか。それは、時代の変化によって、おいしいと感じる基準そのものが変化するからである。
同じ味であっても、同じようにおいしいと感じてもらえなければ意味がない。「美味しい」の基準が変われば、レシピは1から練り直さなくてはならないのである。