毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

働き方が変わる本☆☆☆☆

著者の天野敦之さんは公認会計士であり、『会計のことが面白いほどわかる本』というベストセラーシリーズを書いた人でもある。そんな人が書いた本だからこそ、この本には価値があると思う。ただのスピリチュアル本とは違う説得力がある。


効率至上主義や短期的に利益を上げるためには人から奪うしかない、という考え方が現在の経済危機を招いた、という第1章の解説には目からウロコが落ちた。サブプライムローンなどの証券化そのものが問題なのではなく、「自分が儲かればいい、誰かが損をしてもかまわない」という考え方が問題だったのだ。確かに、世の中全体が周りのことまで考えている余裕がない、すぐに結果を求められる、という流れになっている。
それでいいんですか?と著者は疑問を投げかける。


じゃあどうすればいいのか。著者がすすめるのが“宇宙とつながる”働き方だ。これがピンとこない人には、「目の前の人を大事にする」と言えばいいだろうか。お客さんを金づるとして見ず、大切なパートナーとして接する。取引先も仲間として扱う。同業他社でさえ、共に歩む存在として認める。自分の目の前の人に喜んでもらうことを最優先すると、たくさんの人とつながることができ、それが結果的に豊かさももたらしてくれる。それが、著者が考えるこれからの働き方であり、経済を回復させる唯一の方法だという。

きれいごとに見えるかもしれない。自分一人だけが心がけても今の環境では評価されないし、それで社会が変わるとは思えない、という人も多いと思う。
最後の章にはそのことについて書かれている。真剣に読めば価値観や生き方が変わるかもしれない。


中でも印象に残ったのが“時間軸を長く持つ”こと。今は時間の流れがどんどん加速し、短絡的に結果を求められてしまう。そこであえて長期スパンでものごとを見るよう意識するのだ。
こういう生き方をしよう、と心から思った。こんな人が増えていけば、世の中はもっと生きやすくなる。

今の「極限まで進んだ競争社会」に疲れた人、なじめない人はぜひ読んでみてください。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

価値創造が必須

正直者が損をしてしまうのは、価値を創造せずにゼロサムゲームの世界で争っているからです。新しい価値を創造すれば、奪い合いの呪縛から逃れられます。だからこそ、つながりを取り戻すビジネスでは価値創造が必須になります。

感情を抑えずに味わう

人は感情を持った生き物です。1人の人間として生きている以上、様々な感情が湧きあがってくるのが自然であり、それを無理に抑えようとすれば、鬱屈して別の形で爆発したり、感じる力を麻痺させてしまいます。
喜怒哀楽の感情が湧きあがるのは、私たちの存在が愛だからです。怒りや哀しみも、愛するがゆえに生じるものです。愛の反対は無関心です。無関心の状態では怒りも哀しみも生じません。
喜怒哀楽の感情が湧いてきたら、それを無理に抑えたりせずに、眺め、味わい、流していきましょう。感情を味わい、そのような感情を抱いてしまう自分をも受け容れ愛してあげれば、感情は自然と流れ去っていきます。