著者・浅野ヨシオさんは、このブログにもよく登場する「ビジネスブックマラソン」の土井英司さんが主宰する出版塾をきっかけに出版されたそうだ。
ごく普通のサラリーマンがどんな本を書けるのだろう?と思ったが、いい意味で普通の人だから書けた本だ、と思った。
著者のブレイクポイントは2つ。
出版塾の参加者はみんな敏腕経営者や起業家。その後もこの人たちと交流するにはどうすればいいか考えた著者は、
そして導き出したのが、自分の目の前にいる方の話をよく聞いて、優れているところを自分の視点で解釈し、本心で「ほめること」。これをやってみたのです。(P58)
すると、多くの人から連絡をもらうようになり、たくさんの誘いも受けるようになったそうだ。
さらに、彼女いない歴28年だった著者は、インターネットで婚活。面識のない女性にメールだけで自分をアピールし、会ってもらうにはどうすればいいのか。多くの男性からアプローチを受ける女性から自分を選んでもらうためのサバイバルレースを制してみごと結婚*1。その時にこの本に書いたメール術を獲得したのだそうだ。
場面ごとのテクニックがいろいろと紹介されているので、困った時にもすぐ使える。基本コンセプトは
「メールは感情が伝わりにくいツール。だからやや大げさに意思表示する!」
だ。個人的にはそこまでやる?と思うところもあったが、一般的な書き方と著者のテクニックを駆使した書き方のふたつを並べて読むと、確かに著者の勧める方がうれしくなるのだ。テクニックだけを見ればあざといようなものもあるが、根底に思いやりがあるからこそ、多くの人に喜ばれてきたのだと思う。
後半の写真を駆使したメールは簡単で意表を突く、受け取った人が感激する方法だと思うので、自分でも取り入れてみたい。
あとがきにもあるように、この本は単なるメールテクニックにとどまらず、人と人のコミュニケーションを学べる本だと思う。ちょっとした思いやりとか、相手へのさりげない心づかいがあればこそ、このテクニックが活きてくるのだ。
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
KST3原則(P54)
- 共感・尊重
- 賞賛
- 丁寧
「相手の言いたいことに共感し、尊重する。そしてその意見・行動を賞賛し、丁寧に意見を書く」
これがメールコミュニケーションの屋台骨。
*1:なぜか2回結婚、というオチはついていますが