『週刊こどもニュース』などを担当した元NHK記者・池上彰さんの新作。なんてわかりやすい解説をする人だろう、とたまにテレビで見かけた時に思っていたが、この本では池上さんのふだんの仕事のやり方が公開されている。学生時代にこんな本が読めていたら、と思った。
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素晴らしい仕事をされている人だから、きっと特別な情報源やノウハウがあるんだろうと思っていたが、実は特別なものは何も使っていないそうだ。ご丁寧に、メモはA4用紙の裏紙*1ということまで書いてある。
方法はいたってシンプル。新聞を読む種類は仕事柄8紙と多いが、読み方は普通の人でも充分役に立つ。雑誌は目についた時に買うそうだが、買うかどうかの判断基準も明快だ。さらに、新聞や雑誌の保存方法・処分の基準まで書いてあるので参考になる。
その他、新聞・雑誌・TV・本の情報の違いや特徴なども頭に入れておくと役に立つ。
また、実例がたくさん出てくるのでとてもわかりやすい。サブプライムローンの破綻の理由がこの本を読んで初めてきっちり理解できたし、自民党の総理大臣がなぜあっという間に辞めたのかという仮説も面白い。見通す力は地味な情報収集と、仮説と検証の繰り返しでつけられる、ということがよくわかる。
とても読みやすいので、中学生以上なら読めると思う。今後の人生の知的レベルが変わる本。ぜひ読んでください。
*1:インターネットなどで印刷し、不要になったものを使っているそうです