毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

伝えるために必要な「国語力」☆☆☆☆

著者・川辺秀美さんは大学生向け就職情報会社を皮切りに編集者として活躍、現在は人材教育コンサルティング・執筆・編集の仕事をされている。つまり、ずっとことばの最前線にいる人だ。

そんな著者が就活中の学生や新社会人に向けて書いたのがこの本だ。この本の目的は、学校では教えてくれない実践的な国語力を身につけてもらうこと。具体的には「読む」「書く」「聴く・話す」「編集する」能力をどうすれば鍛えられるかが学べる。

「22歳」とタイトルにあるが、年齢に関係なく広く伝えたいことがある人すべてに役に立つ本だと思う。


ポイントは7つの鍵。

  1. 私が/WHO
  2. 誰に/WHOM
  3. 何を/WHAT
  4. どのように/HOW
  5. いつ/WHEN
  6. どんな文脈で/CONTEXT
  7. 結果は/RESULT

伝えたいことを正しく受け取ってもらうには、この7つのうちどれを使えばいいのか。場面や目的ごとに使い分けが示されているのでとてもわかりやすい。
他にも、実践的なノウハウが満載なので、この本に書かれたことをきちんと押さえれば、伝える力は格段に上がる。今までにないタイプの文章術の本だと思う。自分の表現力、伝える力を鍛えたい人はもちろん、ある程度慣れている、自信のある人もぜひ一度読んでみてください。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

情報には引力がある(P49)

あなたが現在セットしている情報によって、あなたの人脈は形成されています。ということは、もっと上のステージに上がるためには、あなたはその情報をより高度なもの、質の高いものへと上げる必要があるのです。そのように自力で情報の質を高めると、不思議と人脈も流動し、出会うべき人としかるべき場所で出会うことになります。
原理はとてもシンプルです。あなたが理想とする仕事や実行したいと思っていることを明確にすればよいだけで。それだけで、あなたの周りにあるものがガラガラと音を立てて変わっていきます。あなたのやりたいことが明白であれば、道は自ずと開かれていくものなのです。

熟読法 ブルー・ブラック・レッドマーキング

1回目にブラックでマーキングする。この時は「思うがままに」線を引いていく。
2回目にブルーを引く。この時は、とくに「理解しづらい」ことを中心に引く。1回目と比べて概念の意味などを頭の中で整理しながら読んでみる。
3回目にレッドで引く。ここは「重要だと思う」ところと「まだ理解していない」ところに引いていく。ポイントをまとめながら読む。
以上のように線を引いていくと、必ずダブって引かれるポイントが出てくる。3本線が重なっている箇所は「最重要な場所」または「理解していない場所」ということになる。
その上で、線の引かれている箇所だけを1冊通して読んでみる。さらに、理解していない箇所は、書き出してみる。

辞書の記述方法はWHAT文(P112)

まず冒頭にテーマ(回答)を示し、その後に箇条書きで3つにまとめている。この文章構造は、相手に伝える文章術の基本になりますから、何かものごとが伝わっていないと感じたら、このようにじしょにならって「回答」を示し、その後に説明文を書いてみてください。

文章は背景整理が90%(P128)

文章を書くという行為は、以下のサイクルに集約される
1情報を入れる(読む)→2振り返る→3思考を拡大する→4背景を整理する→5キーワードを複数出す→6コンセプトをひとつに決める→7タイトルを決める→8構成を決める→9編集する→10文章を書く

「書き取り」のポイント(P162)

「決して手を休めてはいけない」というルールを課してください。自分の頭で勝手に情報を判断し、「いる・いらない」という判別をしてはいけません。あなたにとって相手が語る内容は、すべて必要な情報なのです。
(中略)
私たちが最初に受け取る情報は、量が多ければ多いほどよいのです。その方がより正確な情報を得ることができるからです。それが「選択的に」聞いている状態だと、自身の思い込みで大切な情報がカットされてしまっているのです。

やりたいことにこだわりすぎない

社会に出てからよく陥る罠は、「やりたいこと」にこだわりすぎることです。「やりたいこと」を中心に考えると、結果として「やりたいこと」にたどり着くことが困難になります。それは、他人から見てひとりよがりに映るからです。そのような目で見られると、他人や社会があなたを応援しなくなり、結果として欲望のままに終わってしまうのです。

メールのルール(P191)

1.1コンセプト1メッセージにする
2.署名は〒番号、住所、電話、FAX、携帯電話、メールアドレス、会社のURLを入れる
3.日時・場所を明確にする
4.否定語・批判語は基本的に入れない
5.重要な案件内容は書かない
6.決定事項を明確にする
7.字数は400字以内におさめる

適度に短く1コンセプト。肯定的な表現で、何をいつまでに実行するかが書かれていること(P193)

説得力の鍵はエピソードにある

実践的な国語力の肝はあなたを端的に表現できるエピソードを持っていることです。このことは他の何よりも強力な武器になります。なぜかというと、エピソードがなければ会話も文章もただの抽象論になってしまい、何一つ説得力がなくなるからです。しかも、エピソードがユニークであると、それだけでつかみは達成できるのです。