毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

想いをビジネスにするためにやるべきこと☆☆☆

渋井真帆さんは、女性向けのビジネスセミナーの主催運営を手がけ、企業の人材教育・コンサルティング、著述業と幅広く活躍されている人だ。
その渋井さんが、ご自分の体験をもとに、起業したり事業展開をして成功するためのノウハウを書いたのがこの本。以前読んだ『「稼ぎ力」ルネッサンスプロジェクト 稼ぎ力養成講座』と同様、銀行に勤めるご主人からレクチャーを受ける形式でストーリーは展開する。

起業したものの鳴かず飛ばず代表取締役の肩書きもむなしい、という状態から、現在のセミナーをスタートさせるまでが書かれている。私のような個人で仕事をする人には「そうだったのか!」という気づきが満載だ。

今では輝かしいキャリアの渋井さんだが、最初からバリバリできたわけではなかったんだ、ということがわかって親しみが沸く。渋井さんの体験をわかりやすく再構成してあるので、順を追って学べるようになっている。もちろん、学ぶだけではだめで、そこからどう行動するかが大切なのだが、女性特有の考え方や苦手意識、弱点などの解決法をここまで教えてくれる本は貴重だと思う。
起業したい、個人で仕事をしたいすべての女性に読んでほしい本。ぜひ読んでください。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

『想い』と『事業プラン』は別物(P32)

では、事業プランとは何か?それは、お金を払ってもらう仕組みをどう作って、維持・発展させていくのかについてのプランのこと。借りたお金を返済するにしても従業員に給料を払うにしても、まずは会社が存続しなければお話にならない。
1.誰にお金を払ってもらうのか?
2.何の価値にお金を払ってもらうのか?
3.単発ではなくお金を支払い続けてもらうためにどういう仕組みを作るのか?
この3つをどうやっていくのかについて思考を練って、他者にもわかるよう数字データなども使ってまとめた文書なり話が、事業プランというもの。

プランの着眼点(P43)

誰からお金を払ってもらうのか?ターゲットにお金を払ってもらうためにどんな価値やメリットを提供するのか?そういったもろもろを実現するために、具体的にどういうふうに商品やサービスを構築していくのか?その際、競合に負けないためにどんな差別化価値をつけていくのか?

思考の3つのプロセスとポイント(P64)

1.テーマ・課題・問題の正確な認識
2.情報収集と情報分析
3.分析結果に基づいて判断・選択・決断をし、結論や答を出す。
プロセス1:テーマ・課題・問題の正確な認識ができていない時に結論を出すと、「的外れ」、「ピント・課題がずれている」という評価になる。
プロセス2:情報収集と情報分析で、収集した情報を分析せずにそのまま出すと、「どこかで聞いたことがある、誰かの受け売りだろう」と言われる。情報収集と分析自体が不十分だと「底が浅い」という評価になる。
プロセス1・2を省略して、いきなり3に行く人のことを『思いつきでモノを言う人』という。

毛づくろいツールとしてのコミュニケーション(P106)

つまり毛づくろいは寄生虫を互いに取る目的だけでなく、生き残るために仲間と絆を深めるための、一種のコミュニケーションでもあったということなのね。
(中略)
コミュニケーション力を向上させたいのなら、情報伝達ツールとしてのコミュニケーション能力を磨くことも大事だけど、それ以前に毛づくろいツールとしてのコミュニケーション力を磨く方が先決だし、すぐ効果が出るんじゃないかな。

一流のプロフェッショナルかどうかの基準(P139)

『仕事を通して期待されている役割をどう果たそうとしているのか?』

自らの役割に対する意義と責任と覚悟、これを自覚することがプロフェッショナルの第一歩です(P169)。

消費のプロは、供給のプロではない(P193)

自分が満足するためにお金を払うことに秀でた能力がある人(消費者)=相手に満足してお金を払ってもらうことに秀でた能力がある人(供給者)――という公式は、成り立たないことがわかりました。
「しかも消費というのはあくまでも今現時点で供給されているものだ。その商品の良し悪しの評価はできるかもしれないけど、何か新しい価値を作り出すということは別問題だよ。」

ビジネスや商売は究極的には、お金を払ってもらうために創意工夫する行為だ(P194)。

消費行動はみんな同じではない(P197)

「もし、お金を払ってもらう大変さも喜びも私が理解していなかったらどうしたの?」
「空いている時間に、もう一度販売の仕事でもするよう勧めるよ。ところで販売や営業をやっている人の中には、顧客にお金を使ってもらうことに罪悪感まで持つ人もいる。消費者の視点でビジネスを眺めてしまっている典型だ」
「高いものを売るのに、何となく躊躇してしまうことはあるんじゃない?百貨店の販売をしている時の話だけど、隣の化粧品のブースで新人さんが、お客さまが高い商品を買いそうなのにわざわざワンランク下の商品をお勧めしてしまって、先輩に叱られていることがあったわ。あれも消費者の視点から抜け出せないってことね」
「安くていいものを選ぶという“自分の”消費者としての常識でお客さまの消費行動を考えてしまっている、つまりみんなが同じ感覚で消費行動しているんだと勘違いしてしまっているんだね。お金持ちの人の消費行動を想像したり、理解しようとしないんだ」

自分のところを通過する時に何らかの新たな価値を付加できるか、それができなければビジネスとは呼べないのです(P200)。

ビジネスの付加価値(P201)

「知識をお伝えするにプラスして、お客さまの時間を預かって、より有意義な時間に加工してお返しすると考えればいいんじゃないかな。その時間の加工料が受講料だ」
「さっき飲食店の話が出たけど飲食店もただ食事をいただくだけじゃなくて、お店の雰囲気だったり、接客だったり、そこにいる時間を楽しむことにも価値を感じてお金を払っているような気がする。それと同じように受講生が私のスクールに来て時間を費やすことでよりよい時間になることが“付加価値”になるってことね」
「そう、知識プラス君のスクールに来なければ味わえないような有意義な時間に加工してお返しするのが君のビジネスの付加価値になるんだ。さらにその場だけではなく、実際の仕事や生活に役立つことで、より高い付加価値の提供になる。お預かりした時間はもとより、それ以降の時間も有意義なものにできれば他のセミナーに対する競争力になるよ」

事業のコンセプト作り(P202)

「コンセプトは事業の土台や背骨みたいなものなんだ。人間に置き換えて考えてごらん。たとえば西郷隆盛の『敬天愛人』や吉田松陰の『知行合一』、リンカーンの『人民の人民による人民のための政治』などなど、土台や背骨となる精神を持ち、それに沿った生き方をする人が人々から支持も尊敬もされるし、こうした偉人たちの人格や人間的魅力も、やはりそれらが源になっている。企業も同じだ。その企業を形作る土台や背骨のようなものを人々が感じてくれた時初めて、その企業に対する信頼も生まれるし、差別化もできるというものだよ」
「差別化という、大きな競争力につながるわけなのね」
「コンセプトがもたらしてくれるのは差別化だけじゃないよ。今後事業に関する判断に迷った時の、大きなよりどころにもなってくれる。従業員やアルバイトさんを雇うようことがあれば、彼らに同じ方向を向いてもらうための指針ともなる」

選択肢の多い人生=女性にとって幸せな人生(P210)

仕事の力の高い女性の方が、選択肢の多い人生を送れるということよ。選択肢の多い人生こそが、女性にとって幸せな人生だというのが私の出した結論よ。だからこそ、どんな社会環境や境遇にさらされても、自分らしく、自分の満足のいく愛・キレイ・富・仕事を手に入れようと挑戦できる、そのための選択肢が多い人生をに入れる力をセミナーカリキュラムを通して提供したいの。

4つのP(P215)

1.Product(製品戦略)
品質、種類、デザイン、特徴、ネーミング、パッケージ、大きさ など
2.Price(価格戦略
希望価格、値引き、割引、優遇、ポイント、分割 など
3.Place(流通戦略)
販売チャネル(デパート、専門店、通販、インターネットなど)、輸送、在庫、範囲、場所 など
4.Promotion(プロモーション戦略)
後方、広告(TVCM、チラシ、看板など)、販売促進(イベント、景品など)、人的販売、クチコミ など

期待値を上げすぎない(P217)

お客様まはサービスを受ける前に無意識のうちに期待値を持っている。実際に受けたサービスが期待値以下なら不満に感じるし、期待値通りなら納得する。期待値以上なら感謝するし、期待値のはるか上なら感動する…期待値よりはるか下なら怒り出す

ニーズとウォンツ(P220)

消費者が「こんなものがあったらいいな」とすでに考えられるものをニーズという。一方で消費者が想像もしていなかったけど、実際にサービスを受けてみると「考えもしなかったけど、こんなものがほしかったのよ」というものをウォンツという。モノにしろサービスにしろウォンツを掘り起こした商品は爆発的にヒットする可能性がある。古くはウォークマン、新しいところではWiiなんてその典型じゃないのかな。
(中略)
「君の場合はセミナー、スクールビジネスへの新規参入だよね。消費者に聞いても消費者が知っている既存のセミナーやスクールの範囲内でしか答は返ってこない。これでは新規参入しても生き残っていける付加価値の高い競争力のあるサービスを提供することはむずかしいだろう。生き残るためにはセミナー、スクールビジネスでも新しいジャンルを開拓するくらいの気持ちでやろうよ」
「ウォンツを掘り起こすってことね」

ゴーイングコンサーンとは環境適応すること(P224)。

リピーターの重要性(P227)

個人向けのサービスは、いかにリピーターになってもらうかが鍵だ。新規顧客を開拓するのは本当に大変だし、リピーターがいないような商売の場合、広告宣伝にかける費用も馬鹿にならない。かといって既存顧客が10人とか20人ではいくら熱心なリピーターになってもらっても早々に限界が来る。理想的なのはある程度の既存顧客のボリュームを確保しリピーターになってもらうのと同時に、少しずつ新規顧客が増えるような仕組みだ。その仕組みを考え、作り、運営し、メンテナンスし続けること。これがビジネス、経営のコアな部分だよ。喜んで何度でもお金を払ってもらうことができれば、経営は安定するからね。

リピートのキーワードは「会いに行く」(P241)

「『会いに行く』って誰に?」
「ディズニーランドに行く時を考えてごらん。子どもたちは『ミッキーマウスを見に行く』ではなく『ミッキーマウスに会いに行く』って言うよね。それと同じことさ。『渋井さんの話を聞きに行く』ではなく『渋井さんに会いに行く』と思わせるくらいの魅力と講師スキルを、君自身と君が行うセミナーは持たなくてはだめだ」

ファーストクラスの仕事術(P252)

サービスの一番の違いを具体的に言うと、新聞を持ってきてくださいって言われる前に持っていくか、言われてから持って行くかの違い。
(中略)
お客様を観察して、お客様の上京を察知して、それに合わせた対応、接客をするのがファーストクラスのサービスの真髄。お客様がそわそわしていたり手持ち無沙汰にしていたら、新聞か雑誌でも読みたいのかなとか、咳払いが多かったら喉が渇いているのかなとか、想像して、お客様からリクエストされる前に解決策をご提案、もしくは行動するの。それに対して基本的にエコノミークラスの接客は決まったことを間違いなくこなすのと、お客様からリクエストがあったらそれに応じて的確に対応すること。これが大きな違い。

目立つ(世間的に知名度が上がる)ことと儲かるということは別物(P263)

目立って儲ける、目立たず儲ける、目立って儲からず、目立たず儲からず、という4つの中で、一番望ましいのは“目立たず儲ける”

プランを実行する時(P269)

そこにはたくさんの事務処理が発生します。いいプランでもやってみたら今イチだった、そういう時の原因は、実行すべき事務処理が不完全だったという場合がほとんどです。
それを簡単に言うと、「やるべきことを、期限までにできなかった」となりますが、ものごとがうまく行かない時、その原因はこの一言に集約されるのかもしれません。