毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

強みを知って力強く生きる☆☆☆☆

以前『心のなかの幸福のバケツ』を読んだ時に、この本も読んでみたいと思い、図書館でえんえん待ってようやく借りられた1冊だ。どうも、勝間和代さんが勧めていたらしい。2001年に出た本なのに売上げ順位が100番台。相変わらずの影響力を発揮されているのだろうか。
読んでみてわかったが、この本は図書館で借りてはいけない本だった(理由は後述します)。


同じドナルド・O・クリフトンの共著『強みを活かせ!―あなたの才能を伸ばす知恵』に書かれていることと、主張はほぼ同じだ。
欠点を矯正することに時間や費用をかけるのはもったいない。あなたの強みを知り、それを活かすためにエネルギーを注ぐべきだ。
この言葉に集約できると思う。大きく異なるのは、この本がその強みを34に分析し、ひとつひとつを解説しているということ。

ただ、問題は自分の強みを知る方法は本に載っているのではなくインターネットで質問に答える必要があること、さらにそのテストを受けるためにはIDが必要なことだ。IDは1回しか使えないのでテストを受けたければ、本を購入するしかない*1
ずいぶん待ってやっと読めたと思ったらいきなりこれだったのでかなりがっかりした。


内容は素晴らしかった。個人でやるのはもちろん、企業にとっても役に立つ考え方だ。
この本の功績はふたつあると思う。ひとつは長年のデータを分析して34の強みを定義したこと、もうひとつは“強み”を表現する言葉を定義したことだろう。

クリフトンは“ポジティブ心理学の祖父”と呼ばれる人で、ネガティブな資質を表現することばはたくさんあっても、ポジティブな資質を表現することばは少ない、と指摘していたそうだ。
この本でも書かれていたが、ポジティブな資質、つまり“強み”の定義はあいまいであり、人によって解釈が違うため、正当な評価がなされていないという。たとえば“人あたりがいい”と言っても、初対面の人と打ち解けるのが得意な資質と、信頼関係を深める資質は別のものだが、それをきちんと定義したものは今までなかった。


この本1冊を出しただけで世界が変わるわけではないだろうが、このようにきっちり強みを分析し定義したものがあれば、職場での評価や適性などもブレが少なくなるのではないだろうか。ちょっとそんな期待も持てる本だった。

自分の5つの強みがわかれば、その組み合わせでこんな活かし方ができるとか、どういう人と組めばいいかなども幅広く説明されているので役に立つと思う。

自分の強みを知りたい!と思った方は、アマゾンで購入するのが安全です。書店で買ったのにすでにID使用済みだった、という不運な方もネット上で見かけたので。私もアマゾンで買う予定です。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

強みを最大限に活かせ(P30)

最後に、傑出した存在なるには強みを最大限に活かせ、ということだ。決して弱点にはこだわってはいけない。だからといって、「弱点を無視しろ」と言っているのではない。(中略)弱点とうまく折り合いをつけ、強みを解き放ち、より鋭いものにした。ただそれだけのことだ。その方法は1人ひとり異なる。

才能・知識・技術の定義(P34)

・才能とは、無意識に繰り返される思考、感情、行動のパターンである。
・知識とは、学習と経験によって知り得た真理と教訓である。
・技術とは、行動のための手段である。

才能は限りなく柔軟なもの(P50)

使い方次第で、いい方向にも悪い方向にも向けることができる。才能は知性と同様、自らは方向性を持たない。もし人生を変えたいと思っているなら、人のために強みを活かしたいと思っているなら、価値観を変えることだ。才能が向いていない分野で優秀な成果を収めようとするのは、時間の無駄である。

脳の回路は減少することが重要(P61)

脳に関する限り、「小が大を兼ねる」からだ。シナプスの成長を促進させようと、ベビーベッドの上に白黒2色のモビールを吊るしたり、赤ん坊にモーツァルトを聞かせる親がいるが、それは実は見当はずれなことなのである。シナプスが多いほど、賢く優秀な子に育つというわけではないからだ。賢さや優秀さは、もっとも強固な回路をいかにうまく利用するかで決まる。自然は選ばれた回路を有効利用させるために、何十億ものシナプスを失うことをわれわれに強いるのである。だから、回路が失われること自体は案じなければならないことでもなんでもない。回路の減少こそむしろ重要なことなのだ。

才能とフィードバック機能(P72)

ある意味で、才能とは永久運動をする機械が生み出す自然な働きとも言える。その人らしい反応というものがあるが、知らず知らずのうちに、同じ反応を示すことで満足が得られ、自然とその反応を何度も、場合によっては永遠に繰り返すようになるのだ。

W・C・フィールズ(アメリカの喜劇俳優)のことば(P190)

一度やって成功しなければ、もう一度やってみるといい。二度失敗したら、すぐにやめろ。なにも物笑いの種になることはない。

哲学者バルーク・スピノザのことば(P191)

本当の自分でいる、そしてそうなれる人間になる、それが人生における唯一の目的である。

備わっている資質を活かす(P210)

脳内回路の配線を替えることはできないが、新たな知識と技術を味方につけ、人生の方向性を変えることは可能だ。言い換えれば、新たな資質を得ることはできないが、備わっている資質を活かして、新たな強みを築くことはできるということだ。

弱点に対処する戦略(P219)

1.少しでもよくする
「ただひたすらがんばる」のは愉しいことではないかもしれない。また、ただひたすらがんばったからといって、それだけでは決して傑出した成果は出せない。それでも、ただひたすらがんばらなければならない時もある。それを怠ると、弱点が他の分野のあなたの強みを阻害する可能性も出てくる。
しかし、少しでもよくしようとしても、ただ消耗するだけだとわかったら、次の戦略を試してほしい。弱点の悪影響を極力抑える、簡単なサポートシステムを作るのである。
2.サポートシステムを作る
人はみな才能に関わる弱点に対処する独自のサポートシステムを自然と身につけているのではないだろうか。予定を忘れないようパームパイロットを買って、予定表を作成するといった直接的なものから、講演する前には気持ちを落ち着かせるため全裸の徴収を思い浮かべるといった風変わりなものまで。しかし、それがどんな方法であれ、その有用性を見くびってはいけない。自分に投資できる時間は限られている。弱点を気にしなくてもいいサポートシステムがあれば、強みを育てることにより長い時間をかけることができる。
3.才能の力で弱点に打ち勝つ
(企業コンサルタントマイク・Kのエピソード。吃音壁に悩まされていたが、全校生徒の前で朗読をさせられた時に吃音が克服できた。これはマイクが<自我>と<コミュニケーション>の資質に恵まれていたため、自らを表現することに成功した)
れは才能を活かして弱点を撃退した典型的な例だ。マイクは才能を磨いて武器することで、弱点から自らを解放したのである。だから、弱点を克服するにもやはり才能を活かすことを心がけてほしい。

34の資質リスト

アレンジArranger
運命思考Connectedness
回復志向Restorative
学習欲Learner
活発性Activator
共感性Empathy
競争性Competition
規律性Dicipline
原点思考Context
公平性Fairness
個別化Individualization
コミュニケーションCommunication
最上志向Maximizer
自我Significance
自己確信Self-assurance
社交性Woo
収集心Input
指令性Command
慎重さDeliberative
信念Belief
親密性Relator
成長促進Developer
責任感Responsibility
戦略性Stragetic
達成欲Achiever
着想Ideation
調和性Harmony
適応性Adaptability
内省Intellection
分析思考Analytical
包含Inclusiveness
ポジティブPositivity
未来志向Futuristic
目標志向Focus

*1:古本だとID使用済みの場合が多いので、テストを受けるならば新しいものを購入した方が安心です