毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

原始仏教式「思考を止める=頭を休ませる」方法☆☆☆☆

考えない練習
小池 龍之介
小学館(2010/2/9)
¥1,365

最近は探書リスト*1のお世話になっているので、書店で新刊をいきなり買うことはほとんどないのだが、この本はいろんな偶然が重なって、買って読んでみた。とてもいい本だった。


著者の小池龍之介さんは東大卒の若いお坊さん。存じ上げなかったが、著書はすでに10冊以上あり、積極的に活動されているようだ。

巻末に脳科学者・池谷裕二さんとの対談が載っている。仏教と脳科学?と思ったが、実はとても似ている点が多いようだ。池谷さんの「科学的根拠がなければ言えないのですが」という前置きはあるものの、実は同じものをとらえているような印象を受けた。

著者によれば、仏教は中国を経て日本に入る時に儒教の影響がかなり入っているのだという。著者が説く「原始仏教」はそれ以前のものであり、科学的でシステマティックなものなのだそうだ。


この本では、いかに脳を勝手に暴走させないか、脳内おしゃべりを止めるか、その方法を原始仏教の観点から教えてくれる。修行の内容をわかりやすく一般の人でもできるようにしてあるのだが、すんなりと受け止められた。
ひとつひとつの説明がとても納得できるのだ。「話す」「聞く」「書く」「食べる」など、体に意識を向けながら、欲を解放していく。いろいろと便利なものが発達しすぎて、身体感覚が薄れたことで、いろいろな問題が起きているのだな、と改めて感じた。

毎日がモヤモヤしてスッキリしない、何だかイライラする、という人はぜひ読んでみてください。そうだったのか、とスッキリします。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

自分の心を客観視する(P44)

もし、ムカつく!と思ったら、すぐにこの「ムカつく!」をカギカッコでくくってしまうのです。
(中略)
それをカギカッコでくくって、《私は「ムカつく!」……と思っている》《私は「ムカつく!」……と思っている》と繰り返し念じてみるのです。
そして、《今「ムカつく!」と思っているだけであって、これは真実ではない。自分の心が作り出しているだけのものである》と認識することです。
(中略)
第3者の視点で切り離したうえで、肯定も否定もせず受け入れるという離れ業を使って、反射反応を起こしてしまうのを食い止めるのです。
二度三度、同じ言葉を念じて、「○○と思っているだけなのだな」と心に言い聞かせると、自分の心を客観視することができます。すると思考の暴走がカギカッコにくくられて静まり、クリアな意識状態になるでしょう。

口先だけの謝罪を減らす(P46)

口先だけの謝罪や言い訳がなかば習慣のようになってしまうと、本当に申し訳ないことをしてしまった時に、「申し訳ありません」が伝わりにくくなります。そのことを自覚しながら、「謝れ!」とけしかけてくる思考を抑制して、口先だけの謝罪は日常的に少しずつ減らしていくよう心がけてみることをお勧めいたします。

過剰な感謝・褒め言葉も避ける(P64)

保身のための言い訳、ごまかしのための謝罪と同じように、実感の伴わない感謝の連発や必要以上の褒め言葉を繰り返すことは避けた方がいいでしょう。

呼吸と感情(P66)

人は自分の姿を認知すると、変わらざるを得ません。
話し方がおかしいことがわかると、話し方が変わります。
自分の心の歪みがわかると、心の持ちようが変わります。
浅い呼吸の違和感を認知することで、呼吸が変化してゆきます。
きちんとした呼吸に戻して楽な状態に戻ると、その呼吸と結びついていた嫌な感情や煩悩は流れ、自慢話がしたいという感じや、なじりたいという感情が薄まってきます。
今自分がどんな感情を抱いているかを、日常生活の中で、呼吸を通じてチェックする練習をしていますと、次第に自分の感情に気がつきやすくなります。

愚痴の内容より気持ちに着目する(P77)

愚痴を言っている方はそもそも、その内容を伝えたいというより、自分のことをわかってもらいたいという気持ちに導かれているのです。ですから話を聞く時に最も重要なのは、相手の感情を浮き彫りにして受け止めてあげることです。そのためには、相手の声音や速度、呼吸の変化といった情報に注目することです。

常に自分の感情に意識を向けておく(P86)

大事なことは、「この相手は、次に何を言うのだろう」と相手の話に意識を向けるのではなく、常に自分の感情に意識を向けておくことなのです。

インターネットは、単に自分の心が疲れるか疲れないかを判断基準にしながら、距離をおいてつき合うのがよろしい(P116)

快楽は脳の錯覚?(P118)

「快楽」というものは実在するものではなく、基本的には「苦」が減った時に錯覚するもの、苦がなくなったことを脳が楽と錯覚するだけのこと。これが仏道の「一切皆苦」という真理です。一度、楽の味をしめると、「もっと、もっと」と、より大きな楽がほしくなって、その材料になる苦をさらに求めてしまうのです。

メールのチェックポイント(P120)

間接的な自慢や自分をわかってほしいという欲の感情が頻繁に文章に入っていないかどうかをチェックすることです。
相手を責めているような怒りのニュアンスが入っていないかもチェックします。

計画を遂行する(P126)

人の性分は、基本的に自分の計画通りにいっているか、いっていないかで、気分が良くなったり悪くなったりします。ですから、最初に思ったとおりにやるべきなのです。
にもかかわらず、それができないのは、欲があるからです。
その欲に流されたい、すると気持ちがよいのではないかと錯覚するのですが、結果的には本来やるべきことができず、心の奥では「本当はあれをすべきなのに」とか「まだあれをやっていない」などと思考のノイズが響きわたりますから、苦の総量が増加します。

計画通りに貫徹するエクササイズ(P127)

1.計画じっくり立てる
2.それを貫徹しないと、あとで嫌な思いをすることを、あらかじめ自覚しておく
3.それを邪魔するようなものは見ない訓練をする
最初の計画はかなりきっちり立てることです。この時間内にすべきこと、必要最低限のことをリストアップし、どの順番にしたら効率的にできるかをしっかり考える。そして順番を決めたら、基本的にその順番は変えないことです。
たとえばAの作業に30分と計画したら、全部終えていなくても、とりあえず30分でAの作業は切り上げます。計画に沿って次の作業Bに進み、片づかなかったAはあとからやり直す。計画通りに仕事が終わらなかったとしても、一応、ルール通りに次の仕事に進んでいるわけですから、ダラダラと続けずに「30分で切り上げた」スッキリ感も多少は感じられ、メリハリも出てきます。
大事なことは、しっかりと計画を立てること、つい途中で「この順番でよかったか」とか、「やっぱりこれを先にしよう」などとよけいな思考が出てきにくくするためにも、先に合理的な計画を立てます。計画を立てるだけの時間を10分とか15分、しっかり取ることです。急いでいる時は、つい計画を立てないまま作業を始めてしまうかもしれませんが、自分の計画がこれでよいのかと迷いながら作業を進めると効率が落ちますから、最初にきちんと計画する時間を取った方が、結果的には損をしません。
また、途中でインターネットのニュースやウェブを見たいのであれば、最初から20分などと時間を決めておいて、それ以上にならないようにします。休憩や無駄をしてもよい時間を決めておいて、しっかり守るのです。
そのためにお勧めなのは、キッチンタイマーです。
(中略)
この仕事は1時間と計画を決めたら、1時間後にタイマーがなるまで、計画のことは考えずに仕事に没頭します。計画を考える時間と、計画のことを考えずに没頭する時間のメリハリをつけるということです。
2の「貫徹しないとあとで嫌な思いをすることを、あらかじめ自覚しておく」ことを下敷きに、自ら定めたルール通りに進めていきます。そして重要なのは、ルール通りにいかず嫌な思いをした時は、「ほーら、ルールを破るから嫌な思いをするでしょう」と学習し直すきっかけにすることです。
3は、仕事でパソコンを使う時も、必要な時以外はネットにつながないとか、情報の多いページは「ホーム」に設定しないなど、最初から避けるやり方もあります。
しかし、思考の流れに負けてしまわないエクササイズとしては、「あるけど見ない」訓練をするべきです。メールを書くと決めたなら、パソコンを立ち上げてもメールのボタンだけを見て、メールだけにぐーっと集中する訓練をします。
計画が遅れるのは当たり前、誘惑に引きずられるのは当たり前と思わずに、最初の計画を守り、気分によって順番を狂わせない練習を続けますと、単に仕事がはかどるだけでなく、本来すべきことがあるのに、それより刺激の強いものに意識がそれてしまうという心のクセを修正する練習にもなります。思考やよく、怒りが、瞬間的にバッとわき上がってきても、そこでとどめて、今すべきことに心を戻すことができるようになってくるでしょう。

ものを捨てないことが「無明」の領域を育てている(P144)

覚えていられない物が増えると、自分の心が今どうなっているのかを認識する能力、自分の心を広く見渡す能力、自己統御力を減らしていくことになるのです。
(中略)
とりあえず考えたくないから、引き出しの一番奥に入れておいて、また今度見た時に判断しようと思ってわすれたつもりでいます。それが大間違いなのです。忘れたつもりでいても、心はちゃんと覚えていて、「どうしようかな」と思い続けている。
実は、これはとても危険なことです。「無明」の領域を増やすことになります。無明とは、真理の光に照らされていない、迷いの状態のことです。心の中の真っ暗闇の領域です。自分で自分が見えない領域を増やしてしまうのです。

思考病が不眠を招く(P193)

思考病に陥っている人は、いつでも刺激を求めるクセがついていますので、刺激がなくなると、すぐに新しい刺激を求めて、思考に逃げ込んでしまうのです。思考の中でも、より刺激の強い心配ごとや不安、怒りなどの煩悩に逃げ込み、そこからいろいろと思考を暴走させてしまうので、脳が興奮し、いつまでも眠ることができなくなるのです。

*1:奥野宣之さんが著書で勧めていた、これから読みたい本のリストのことです