毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

楽しみながら文章力を鍛える☆☆

以前読んだ、『一瞬で心をつかむできる人の文章術』の続編にあたる本。前著が好きだったので期待して読み始めたが、私には合わなかったかもしれない。


今回は、“ゲーム感覚で"と副題にあるように、文章を書く練習が20個のゲームとしてできるようになっている。文章を短く、読みやすくする練習から、発想を柔軟にしたり、自分とは正反対の視点で見たりとメニューはさまざまだ。ゲームの中に“読ませる文章”にするためのコツも盛り込まれていて、楽しんでやっているうちに文章力が上がるようになっている。

ただ、前著と比べて欲張りすぎというか、絞り込めていない印象を受けた。特に後半は「自分以外の視点」にポイントが置かれているので、そこにどんな意味があるのかだんだんわからなくなってきた。視野を広げる目的で練習するならわかるが、自分の書きたいことからずれていくような感じがあった。このあたりは小説を書きたい人向きかもしれない。

中でも私が一番抵抗を感じたのは、著者の「生きる目的」や「使命」といった、文章術を越えたものが出過ぎているところだ。ご自身の離婚経験や、お嬢さんとのエピソードが読みたくて読んでいるわけではないので、だんだん重くなってきてしまった。
ただ、例によって家族は前著よりこちらの本の方がよかったそうなので、好みが分かれるかもしれない。

唯一、「5行詩」を書く練習だけはこの本で初めて知ったので興味を持った。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

文の長さの目安(P32)

20文字以下が超短文で、20〜30文字が短文、30〜40文字が中文、40〜60文字が長文です。それ以上の長い文章は書いてはいけません。

重要なのは突っ込み(P47)

文章というのは、突っ込みどころを考え、それに答えるように書いていけばできあがるのです。
(中略)
このテクニックを整理すると次のようになります。

  1. 結論となる言葉を設定する。
  2. その結論に突っ込みを入れる。
  3. 突っ込みにひとつひとつ答えていく。

何気なく書いた言葉に、いちど突っ込みを入れてみてください。
何気なく書いた言葉は抽象的でわかりづらい場合があります。勘違いされることもありますし、反感を持たれることもあります。その突っ込みを先回りして答えるのです。

まずは自分にインパクトを与える(P65)

物語は感情的インパクトが大事です。感情的インパクトが与えられるかどうかがポイントとなります。しかし、感情的インパクトは読者によってさまざまです。
(中略)
まずは、ひとりの人間に強烈なインパクトを与えてください。
そのひとりとは、地球上で最初の読者のことです。つまり、書き手であるあなた自身です。あなたがまずワクワクするような答を書いてください。あなた自身がワクワクしたり、驚いたり、悲しんだり、怒ったりするような物語を書くのです。

おもしろい話はそのままで価値がある(P76)

おもしろい話とは、笑える話、悲しい話、胸がキュウンとなる恋の話、感動する話、とにかく泣ける話、びっくりした話、「へえ」と言ってしまうような話、怒りを感じる話、喜べる話、気持ちが楽になる話などです。こうしたおもしろい物語の底に、自分のメッセージをさらりと盛り込むのです。
(中略)
そんなこと(=教訓を付加したり、偉人の名言を持ってくる)をすると物語のおもしろさを半減させてしまいかねません。最後のまとめの言葉を長々と書いてしまうと読者はうんざりします。ですから、メッセージはうちに秘めるか、ひとことか、ふたことでさらりと述べて終わりにするべきでしょう。

先に5W1Hを書き出しておく(P81)

文章の中に物語を挿入する時は、5W1Hを箇条書きに羅列するわけにはいきません。5W1Hを上手に盛り込みながら文章にしていく必要があります。本文を書く前に、5W1Hを書き出しておくと便利です。

想像力とは、言い換えると「面白がる感性」だといえます。(P88)

目に見えるものを文章で表現することはできない(P104)

目に見えることを表現するのは、写真や映画が得意とする分野です。映画ならば、耳に聞こえる音も表現できます。文章は、写真や映画にはかなわないのです。
しかし、文章の方がすぐれている分野があります。それは、目に見えないものです。
(中略)
文章は、目に見えるものの、その先をみることが重要なのです。ですから、ときには、人に会って取材したり、資料を探したりすることも必要になります。実際にその場所に立ってみることも必要でしょう。
その時のポイントが想像力です。

小説家・河林満さんの言葉(P174)

「お金を使って、仕事も休んで、取材に行くんです。そうして得るのはほとんどありません。小説に使える情報なんて1行か2行でしょう。でも作家は取材に行くんです。それはなぜか」
「なぜですか」
「愛するためだよ。お金と時間を使って、書き手が動くことで、その作品を愛しはじめるだろ。それが大事なんだ」
その『愛』が文章を書く実感ということだ。この実感を持って文章を書けと河林さんは僕に教えてくれた。実感のないものを書いてはいけない。それは、あやふやな薬を患者に売りつけるのと同じことなのだから。

5行詩でインパクトのあるメッセージが簡単に書ける(P126)

著者はホームページを簡単に更新する方法のひとつとして、5行詩を取り入れている。その時々に思ったことや感じたことをメッセージとして発信している。名言のような趣があり、好評だという。
例:
幸せは増えていくものです。
今ある幸せを大切にすれば、
波紋が広がるように、
幸せも必ず増えていく。
その幸せが愛と豊かさを引き寄せる。

5行詩は簡単に書け、ちょっとした空き時間に携帯電話にメモ書きすることもできる。文章トレーニングにも最適。

・詩のリズムが身につく
ことわざや名言を、自分なりの言い方に変え、5行詩にしてみる。
・比喩表現が身につく
「直喩」「隠喩」の両方を使って5行詩を書いてみる。いざ比喩を使いたいときに役に立つ。
・モノを列記するテクニックが身につく
例:
夏休み、宿題、絵日記、
花火大会で飲むラムネ、
甲子園の歓声と汗と涙、
イカの種とカキ氷、
イチゴミルクの甘い香り

空き時間ができたら、3つのどれかテーマを決めて5行詩を書くゲームをやってみる。