毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

人脈を広げる鍵は“素直さ”☆☆



京大教授・鎌田浩毅先生の人脈術の本。でも、単なる人脈を広げる方法ではなく、人づきあい全般や、自分の生き方のプライオリティを考えてしまうような深い本だった。


人脈を作るというと、「異業種交流会に行って名刺を配りまくる」イメージがあるが、鎌田先生によればそれはあまり意味がないそうだ。初対面の人との会話に慣れるための練習、と割り切ればいいが、そこで100枚名刺を交換したとしても、それは真の意味で「人脈」ではないという。人脈とは育てるものだし、時には実を結ぶまで何年も熟成させることもあるという。
初対面で「この人は自分の役に立つかどうか」と考えてしまうようなやり方とは対極の人脈術がここにある。

また、鎌田先生がこんな風にどんどんメジャーになっていった鍵は「素直さ」なのだ、と読んで思った。目の前の縁を大切にし、メンターから言われたことは素直に受け止める。その素直さは、火山学に打ち込み、自然に対して素直に接してきたことで得られたもの、という一節が心に響いた。


書いてあることひとつひとつはそれほど目新しいものではないが、ただのハウツーではなく奥行きのある内容になっている。読んだあとはとてもすがすがしい気持ちになる。
人脈術の本はいろいろ読んだけど結果が出ない、という時にぜひ読んでみてください。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

「こんど食事でも……」をやめる(P56)

人間関係において「また、今度」は往々にして「もう、ない」と同義なのです。
まず、自分から「こんど食事でも……」を連発するのはやめましょう。
実行しない口約束を続けていると、遠からず信用を失うのは必至です。
(中略)
「こんど食事でも……」を口にする前に、本気で一緒に食事したいのかを、自分の心に問うてください。もし本当に食事をしたいのであれば、手帳を取り出して「いつにしましょうか?」と尋ねましょう。その場で、スケジュールを確定させるのです。

名刺の整理法は紙ベースのアナログ管理(P62)

ただし、名刺をいただいた際には、必要に応じて住所や電話番号、メールアドレスを直ちに携帯電話に入力しています。
また、あとで電子メールの交換が予想される場合は、メールソフトを起動し、先方のアドレスと名前を入力しておきます。送信はせずに、下書きフォルダに保存しておくのです。
(中略)
名刺を持ち帰った時点で、これだけの作業をしておけば、いざという時に迅速に連絡できます。入力後、2〜3週間経っても送信の必要が生じなければ、メールソフト上の下書きを削除してしまえばよいのです。
(中略)
いただいた名刺には、1枚ごとに会った日にちと場所だけを記入しておきます。そして、新しいものを収容するごとに、古いものから捨ててゆきます。「押し出し法」で、名刺フォルダから取り出して処分していくのです。
2年以上経過してから、異業種交流会で名刺を交換した人から連絡があることは、まず考えられません。ですから、名刺フォルダはコンパクトなものが1冊もあれば充分なのです。
(中略)
同じ会社で実務担当者と役員からそれぞれ名刺を受け取ったような時には、役員の名刺を担当者の下に2枚重ね入れしてかまいません。というのは、役員に直接連絡する機会は考えにくいからです。

遠藤周作さんの手紙術*1(P79)

(1)便箋、封筒、切手を身のまわりにいつも用意しておくこと
(2)趣味のよい便箋、封筒を使って手紙を書くことに楽しみを持つこと
(3)便利な葉書をいつも鞄やハンドバッグに入れ、外出先の途中で大いに利用すること

まず身近な人間関係を見直す(P102)

人脈はアウトソーシングの一種ではありません。最初から外部に求めるものではなく、「内部から固めていくもの」です。まず、心を砕くべきは隣の机に座っている人との良好な関係なのです。

自分の「2メートル以内の人」に対して懸命に仕事をする(P145)

自分が影響力を与えられる最初の人たちは、手の届く範囲の人なのです。そこからよい波紋が広がり、いずれ自分の仕事が津々浦々へと渡ってゆきます。

ハンドリングの時間を考える(P148)

私のホームページは、テキストだけでも、充分に相手が自分を見つけてくれるようにできているのです。そして「3分間での更新」にとどめる最大の理由は、ホームページのハンドリング時間を最小にするためです。

1日のうちで「時間の戦略」がもっとも必要のは、実は自分のインターネットとの付き合い方なのです(P148)

*1:『十頁だけ読んでごらんなさい。十頁たって飽いたらこの本を捨ててくださって宜しい。』より