手作り弁当を食べてる場合ですよ
格差社会を生き抜く処方箋 (角川oneテーマ21)
格差社会を生き抜く処方箋 (角川oneテーマ21)
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思わず手に取りたくなる、うまいタイトルのつけ方だろう。やられた、と思った。
といっても、その意図はあとがきにきちんと書いてある。これからの時代を生き抜くひとつの象徴が「手作り弁当」なのだ。
この本は雑誌の連載を元に再構成されたものなので、少し古い時事ネタが出てくると興ざめしてしまい、やや残念。ただ、切れそうな鋭い視点や文章は健在で、自分ではなかなか言葉にできないことをハッキリと書いてあるのは頼もしい。
この本の根底を流れるテーマは“もう他人のせいにするのはやめよう”だ。会社が悪いから、国が悪いから、●●さんのせい、と責任転嫁するのをやめる。人に責任を押しつけられなくなったら、どうやって生きていく?そのひとつの回答がここにある。
中でも、第4章の「サバイバル子育て術」は素晴らしい。これはたぶん日垣さんにしか書けないだろう。高校生以下のお子さんをお持ちの方はぜひ読んでほしい。こんな風に教育してもらっていたら、世の中に出てもきっとタフに渡っていける。これは学校でも、アルバイト先でもおそらく学べない。
ひとつひとつが短くバラバラなのがややもの足りないが、見方を変えれば気軽に読める本とも言える。日垣さんの本を読むなら手始めにこれから、というのも悪くないかも。