毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

「君主論」の書かれた背景☆☆

※現在は文庫版になっています。わが友マキアヴェッリほか、全3冊(新潮文庫
※適切なカテゴリが存在しないため、[読書日記]のみに入れてあります。
こちらも、小飼弾氏の『空気を読むな、本を読め。』で紹介されていたもの。マキアヴェッリが生き生きと描かれている、という紹介に興味が湧いたので読んでみた。


図書館で予約したら、届いたのはハードカバーの500ページ近い大作。現在は文庫本3冊に分かれていると知って腰が抜けそうになった。私にとって塩野作品デビューである。

私はマキアヴェッリについて、歴史の教科書の記述程度にしか知らなかった。つまり、中世イタリアにおいて「君主論」を書いた人物。それだけだ。イタリアの歴史についても似たようなものだ。


この本では、マキアヴェッリの一生を軸に話が進んでいく。確かに、実に生き生きとマキアヴェッリが動き回っている。手紙もたくさん紹介され、賭け事が好きだったり、イタリア人特有の女性に対する態度*1など、教科書では知り得ないことがいろいろあった。教科書では無味乾燥な1行の記述の陰に、こんなにたくさんの人の人生や、国の歴史を左右する出来事があったのだ、という当たり前のことを思い出した。

君主論」は、目的を達するためには手段を選ばないというような冷酷さ、あるいは腹黒さがなければ君主にはなれないという風に一般には理解されていると思うが、マキアヴェッリが本当に書きたかったことは何か、がこの作品を読めばよくわかる。「君主論」以外の作品*2についても、くわしく知ることができる。


超大作であり、もともと特に興味のある人物でも時代でも場所でもないのに読めたのは驚きだった。しかもそれなりに楽しく。
やはりそれは著者の文章力によるところが大きいと思う。塩野ワールドにはまる人が多いのもよくわかる。
これだけの内容を論文として読もうとしてもたぶん読めないし、もし想像だけで書かれたものだとしても、やはり読む気がしないだろう。その意味では、著者は希有な書き手だと思う。イタリア史の研究者・学者としても通用する知識量なのではないだろうか。


ただ、残念ながら私は著者ほどにイタリアを愛していない。どんどん次も読みたい、とは思わなかった。
もし、今後イタリアについて何か知りたくなったら、著者が書いていないか調べて読んでみると思う。ただし、長さは前もって調べた方がいい。

じっくり読めるものを求めている人にはお勧めです。ただし、イタリア語の名前について行ける素質は必要と思われます。

*1:つまりいくつになっても愛人がいた、ということです

*2:なんと喜劇まで書いています