毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

男の「指」「声」に惹かれるのにはわけがある☆☆

女は男の指を見る (新潮新書)
竹内 久美子
新潮社 (2010/04)
¥714
いきなりだが、私は手(特に指)のきれいな男性が好きだ。手は必ず見る。さらに、声もはずせないポイントである。
今までそれは単なる個人的嗜好で、○○フェチみたいなものだろうと大きな声では言ってこなかった。
だが、この本を読めば、女性が判断基準にしていることで、堂々と言っていいことだということがわかる。


著者は動物行動学をベースにしたさまざまな本を書き、著者が紹介した「人間は遺伝子の単なる乗り物である」*1という説は話題になったのでご存じの方も多いと思う。著作のひとつに『シンメトリーな男』というのがある。体のさまざまな部位を計測し、シンメトリー(左右対称)であるほど、遺伝子的にすぐれているというのを、動物はもちろん人間にまで範囲を広げて書かれたものだ。

その発展型としてここで語られているのが“指の長さ”。人さし指に比べて薬指が長い方が、スポーツができたり、ギターや歌がうまかったり、演技力がすぐれているという。もてる職業はほとんど薬指の方が長いらしい。
つまりそれは、女性がすぐれた遺伝子を自分の子孫として残したい、という判断力から来ているのだ。


このように、世の中では常識とされ、深く考えられていないことに実はれっきとした理由があることがわかり、目からウロコが落ちる。人間もやはり動物であり、メスがオスを選ぶメカニズムは同じなのだ。
動物行動学の観点から見ると世の中がまったく違って見える。さまざまな発見があり、知的な読みものとして面白い。

ただ、私は女性なので楽しく読めたが、男性は心おだやかに読めないかもしれない。今人気の俳優さんの名前も出てくるので、どちらかと言えば女性向きに書かれた本だろうか。
人差し指と薬指の指比の算出方法*2も“はじめに”で紹介されている。

一番読んでほしい人はこれから結婚相手を選ぶ女性。それ以外の気になる方もどうぞ。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

一番大事なのは免疫力(P44)

人間にしたところでお金や地位よりも、本来は免疫力なのです。
(中略)
寄生者(パラサイト)に負けない遺伝的性質をいかに取り入れるか。いかに免疫力の高い相手の遺伝子を取り入れて子を産むかがメスたちの最大の課題なのです。相手の質のよしあしとは、実のところほとんど免疫力に関わる問題だったのです。

いい男は臭くない(P131)

実を言えば汗も皮脂も、それ自体はほとんど臭くありません。それらは皮膚に住みついているバクテリアによって分解され、初めて臭い匂いを発するようになる。
ということは免疫力の高い、シンメトリーな男は、それらバクテリアが増えるのを抑えており、臭くない。かたや免疫力が低い、シンメトリーでない男はバクテリアを増長させていて、あまりいい匂いとは言えないだろうと考えられるのです。

*1:この説を唱えたのはイギリスの動物行動学者、リチャード・ドーキンス

*2:実験の計測ほど正確には出せませんが、目安はわかります