毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

ビジネスの鍵は「熱狂的ファン」を作ること☆☆☆

今月初めの記事に書いた、『星野リゾートの教科書』で紹介されていた1冊。どんな本かまったく知らずに借りて読んでみたら、実は恐れていたような“難読本”ではなく、小説仕立てだった。


新たにエリアマネージャーに任命された男性(名前は明かされていない)が、天使であるメンターや、その教え子たちから「熱狂的ファンを作る3つの秘訣」を順番に教わる。何を大切にし、どこに注目するのか。何から手をつければよいのか。読み進むうちに自分もやってみたくなる、背中を押してくれる本だ。

薄い本ですぐに読める。しかし、内容はとても濃い。シンプルなルールと具体的な例がバランスよくまとめられているので、とても読みやすかった。内容のエッセンスは実はカバー袖部分に書いてある

「自分が何を望むのか、決定せよ」
「顧客の望むことを発見せよ」
「ひとつ余分に実行せよ」
その鍵は「一貫性」

これだけなのだ。ただ、ここだけ読んでもたぶん正しく理解できないと思う。興味を持った方はぜひ読んでみてください。


著者・ブランチャードの「1分間シリーズ」はたくさんあるそうなので、他にも読んでみたくなった。ちなみに、原著のタイトルは“Raving Fans”、つまり「熱狂的ファン」という意味だ。なぜ「1分間」なのかは謎。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

満足では足りてない(P22)

わかってほしいのは、お客が満足していても充分じゃないといことなんだ。顧客をつかんでいることにはならないんだ。彼らは他にもっといいところを見つけたら、さっさとそっちへ行くだろう。

顧客を中心にした完全なビジョンを作る(P52)

自分の考えがもとになるんです。まず自分が望む完全な世界像を作ることです。

なぜまず「自分のビジョン」を作るのか(P62)

要点は3つあります。まず、自分自身のビジョン持っていなかったら、どうして顧客を理解することができますか?
(中略)
顧客のビジョンは自分のビジョンがあってこそ意味があるんです。
次に、顧客が本当に望んでいること、つまり彼らのビジョンを発見しても、ひとつかふたつの点に焦点を絞ったものであることが多いでしょう。自分のビジョンでその足りないところを埋めなければならない。
最後に、顧客の望みを無視し、必要ならその要望はどこか他で満たしてくれと言わなければならない場合もあります。

すべての顧客の望みに応えない(P64)

…ポイントは、顧客サービスはスクリューやボルトと同じように製品の一部だということです。
たとえば、スポーツカーで、大型のオフロードカーでもあり、同時に配達用バンでもあるというような車を考案して売ろうなどと考える人はいないでしょう。顧客サービスにしても、いいサービスをしたいと考える人は、すべての人のすべての望みに応えようとしがちです。それは無理なんです。

ビジョンとイメージの関係(P66)

まず自分自身のビジョンを持つことで、顧客のビジョンが理解できるようになる。そして、自分と顧客のビジョンのギャップが埋まり、君は完全なイメージが持てる。

聞き方を訓練することが大事(P71)

まず、「言葉」と同じようにその「音色」に耳を傾けなければなりません。人々が本当に望んでいることは言葉に直接表れないことが多い。言っていることとその意味はまったく別のこともある。
(中略)
いつも熱心に聞かなければなりません。顧客が笑顔で「けっこうでした」と言った、または何も言わなかったからといって安心してはいけないということです。

ほとんどの顧客がこだわりを持っている(P80)

そのこだわりが何かを見つけ、それからそれを調べて参考にすることです。顧客のビジョンをひとつひとつ明らかにしていけば、容易にそれを自分のビジョンに組み込む、あるいは退けることができます。

ニーズに応えてくれないと不満に思っている顧客がいる(P88)

彼らの期待は彼[=主人公のエリアマネージャー]の考える枠から大きくはずれていた。こういう不満をもらす顧客には、彼らの望むことは会社の顧客サービスのメニューに入っていないと丁寧に断るべきだったのだ、と彼は思った。こういう顧客にさらに時間と注意を注ぐよりも――つまり会社の本来のビジョンから逸脱するよりも――他に目をやるよう告げるべきなのだ。

ヒルではなく鷲になる(P94)

グチをこぼすのをやめることだ!競争相手と自分は別だと認めた方がいい。アヒルではなく鷲になるんだ。アヒルはガーガー鳴いて不平をもらす。鷲はその群の上に高く舞いあがる。

顧客は期待するんだ。すると言ったことをあてにするんだよ(P118)

あまり多くのことをすると言わないこと、少なくとも最初は(P119)

できないなら口をつぐんで、何も言わない方がいい(P121)

彼らは、できないサービスを宣伝してチャンスをふいにし、客の方は、ぼられたと感じる。顧客サービス向上のための金の使い方としてはあまり利口な使い方じゃない。

熱狂的ファン・サービスの基礎(P123)

製品やサービスをいつでも間違いなく実行することが熱狂的ファン・サービスの基礎だ。その実行を保証するのがシステムであって、にっこりして「いい1日を」などと言うことじゃない。

1%のルール(P131)

ビジョンを実行する時最大の問題は、次に何をすればいいか知ることだ。一度に多くのことをしようとして挫折するか、仕事が大きすぎて何もできないでいるか。
1%のルールは、そんな時1%ずつ改善していくべきだと教えてくれるんだ。それならできる。毎週毎週1%改善していけば、1年後には50%以上できることになる。
(中略)
1%改善するか変更することで、君はほとんどあらゆることを大きく変えられるし、立派なことをなしとげることができる。一度に1%を心がけていけば、ものごとは変わらざるをえないよ。

顧客は製品以上のものを求めている(P137)

自分たちが重視され、したり考えたり言ったりすることが本当に価値があると感じたいんです。

熱狂的ファン・サービスを実行する方法(P139)

一貫性と、常に改善し続け迅速に進路変更する融通性が、熱狂的ファンを作る鍵だった。一貫して実行できる最大限のことをすると言い、それから1%のルールを用いてさらに多くのことを実行するのだ。そうすれば前進していける。