毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

「栄養素」にとらわれない食事法☆☆☆

先日読んだ、『粗食生活のすすめ』より前の、2007年に出た本。こちらの方がより具体的だが、取り入れるにはややハードルが高い印象を受けた。


第2章で、著者が実際に訪れて調査した長寿村・山梨県棡原村(当時)の話が印象的だった。従来の食生活を続けている高齢者よりも、現代的な食事に慣れた40代、50代の方が成人病(=生活習慣病)になる割合が多く、死亡率も高かったそうだ。以前は食事とは「何を食べるか」ではなく、「何がとれるか」が基本だったのだという。

そう考えれば、ごはんをしっかり食べ、あとはみそ汁と野菜、タンパク質は大豆製品や魚介類少々で充分だ、というのも説得力がある。


「食事の栄養バランスに気をつける」というのは、現在の健康法の基本になっているが、著者によれば逆効果だそうだ。最近のマスコミの報道はたとえば「赤ワインのポリフェノールが○○にいい」など、ひとつの栄養素を取り上げがちだが、食物にはいろんな栄養素が含まれ、それがどう組み合わされて体内で働いているのかはまだ一部しか解明されていない。しかも、人の体は人によって違い、消化吸収や代謝能力は個人差が大きい。あまり栄養素にこだわりすぎるのは、「木を見て森を見ない」ことになる。

日本人にあった食事はどんなものなのか、それよりも*1季節の変化に合わせた食材選びをするには何に気をつければいいのかなど、栄養素ではなく「食」を大きな視点でとらえることが大事なのです(P13)。

全体を通じて、なるほどと納得すること、ほっとする内容が多い。とはいえ、「このくらいやってね」と書かれているレベルはかなり高い。後半に40歳代向け・男女別のチェックテストがあったが、それなりに気をつけているはずの私ですら100点満点でたったの40点しか取れなかった*2。清涼飲料水は基本的に飲まないし、ほぼ家で和食中心に食べているのに。

いきなり厳しいのは…という人は『粗食生活のすすめ』の方が取り組みやすいと思う。この本ではインスタントだしの素は使わず、だしは自分でとるよう勧めていたりする。

とはいえ、スーパーやコンビニの上手な利用法や、できるだけ避けたい食品添加物一覧表、外食時に避けた方がいいメニュー、仕事で忙しい人が粗食にするためのヒントなども紹介されているので、しっかり取り組みたい人には充実した内容だ。

「栄養素を考えて」「バランスよく」「いろいろ食べなきゃ」と思いすぎない方がいいという、ある意味逆説的な食事法。毎日元気に過ごしたい人は、ぜひこの機会に食生活を見直してみてください。
関連記事
読書日記:『粗食生活のすすめ』


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

栄養素にとらわれすぎない(P11)

食生活を考える時に無意味とまでは言いませんが、栄養素のみで食生活を考えるのには限界があるのではないでしょうか。むしろ、栄養素にとらわれすぎて振り回されているのかもしれません。

アトピーなどの人への食事アドバイス(P33)

  1. 食べた時に明らかに症状の出る食べものを避ける
  2. ごはんをきちんと食べる
  3. 朝食は「ごはん・みそ汁・漬物」できちんと食べる
  4. パンの常食をやめる
  5. 未精製の米(分づき米・胚芽米・玄米など)を食べる
  6. 副食は季節の野菜を中心にする
  7. 動物性食品は魚介類を中心にする(牛乳・乳製品・肉類は多く食べない)
  8. 砂糖・油脂類の取りすぎに気をつける
  9. 神経質にならない程度に食品の安全性に配慮する
  10. 食事はゆっくりと「楽しい食事」を忘れずに

「何を食べるか」ではなく「何がとれるか」(P47)

私がお会いした長寿の方は、みなさん「何を食べるか」など考えていませんでした。基本にあるのは「何がとれるか」です。
自然条件が農業を決め、農業が食生活を決める。時代が変わったとしても、これが「食」の基本だと私は考えています。

*1:この文の前に「1日30品目とることばかり考えていたら疲れ果ててしまう」という趣旨の文があり、それを指していると思われます

*2:これは甘いものを食べるせいです。が、それだけでこの点数になるのは厳しい。