著者の市橋有里(いちはし・あり)さんは元マラソン選手だ。世界陸上で銀メダルを獲得、2000年のシドニーオリンピック代表に選ばれている。2007年に引退し、その後はランニングアドバイザーとして活躍されている。家族が借りてきたので読んでみた。
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申し訳ないが、私は市橋さんの現役時代のことはほとんど記憶になかった。昨年、とある関西のマラソンのゲストランナーで来られていて、そのテレビで他のゲストと一緒に食事しながら話しているのをたまたま見たことがある。元アスリートの女性は引退後もあまりおしゃれじゃない人の方が多い気がするが、市橋さんは大きなピアスをして元選手っぽくなかったのが印象的だった。それと、「料理が好き」と言っていたことも。
その理由が、この本を読んでわかった。この人は、ものすごくセンスがいいのだ。
まず、紹介されているウエアがおしゃれ。さらに、自家製ジュースや体にいいレシピも紹介されているが、それが自宅のキッチンで撮影されていると知ってびっくりした。え、撮影用じゃないの?と思うくらいセンスがいいのだ*1。
それから、ランニング中にどんな音楽を聴くか具体的なリストが紹介してあったり、現役時代からレースの「ごほうび」を設定していたそうで、その“戦利品”もいくつか載っている。本全体がとにかくおしゃれで、これだったらちょっと走ってみてもいいかな、と思えるのだ。形から入るタイプの人には最高だと思う。
と言っても、ランニングメニューについても基本を中心にしっかり説明されている。対象はランニングを始めるところからフルマラソン初挑戦まで。初心者がわかりづらい、つまづきやすいところがとてもていねいに解説してある印象を受けた。
「ランニングは靴さえあれば始められるから」という入り方もあるが、やっぱりかわいくないとね、という女性には最強の本。
*1:確かに、撮影用にしてはものが多いですが、どれも素敵なものばかりです