図書館で予約し、かなり待ってからやっと順番が回ってきた。
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著者は最近注目されているポジティブ心理学の第一人者だそうだ。実は原著のタイトルは“CURIOUS?”。つまり、人生にいかに好奇心が大切かについて書かれている本だ。
このため、この本は「脳の働き」と言われてイメージする内容とは少し違っている。
人間関係の話や、不安をコントロールする方法、時間の使い方、自分の価値観を知っておくなど、生きて行く上で大切なことを確認できる。
日々のちょっとした心がけでできることがほとんどなので、いわゆる脳科学が苦手な人にもお勧めの本だと思う。
個人的に面白いと思ったのは不安はコントロールできないので、不安とセットになっている探求心をコントロールすることでものごとに立ち向かえるようにするといいことや、ドーパミンは結末と関係なく、新しいことを探していると放出されること。
いわゆる脳科学ものとは違う、と書いたが、そこは茂木さんの訳された本なのでそういう分野の話もちらほら出てくる。脳の話が好きな人も満足できると思う。
うつは意欲が低下した状態とか、いろんなことに興味が持てなくなると痴呆になるなどとよく聞くが、「好奇心」はイキイキと生きるための鍵なのだと改めて感じた。毎日の生活の質を上げるためにも、ぜひ読んでみてください。
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
若い人がパワフルなのは(P8)
「必ず明日が来る」と期待し、信じて疑わないからです。
…必ずそこに「次」があると思っているから強いのです。
毎日、これから来るものを予想して、ドキドキし続けている限り、あなたの人生は無限の可能性を持つのです。
人よりたくさん好奇心を持てば、人生何でもうまくいってしまう(P36)
好奇心をムクムク高める秘訣(P44)
「あるがままの状態に目を向け、受け入れる」こと。
また、あるがままに受け入れることで、苦しみを最小限にとどめ、充実感を増し、ストレスや困難に立ち向かう心を作ります。
脳を「ワクワク、ドキドキ」させると…(P53)
1.健康で長生きできる
2.頭がよくなる
3.人生が面白くなる
4.みんなから愛される人気者になる
5.とにかく幸せになれる
6.強運を引き寄せられる
人々がどれだけ喜びを感じるかに、最も強く影響するふたつの要素(P55)
1.誰か助けてくれる人がいること
2.昨日、何か新しいことを学んだかどうか
当たり前だったことに打ち勝つ喜び(P66)
人間の脳は、新しいことや予測できないことが、今まで当たり前だったことに打ち勝った時に、強い興奮を感じるように作られている。
結果とドーパミンは無関係(P71)
たとえば、男性が素敵な女性と親しくなりたいと思い、彼女の電話番号を聞き出そうと考えたとしましょう。この時、電話番号を教えてもらえたかどうかの「結果」は、ドーパミンとは関係ありません。
むしろ線条体は、「電話番号を聞いたら、彼女は教えてくれるかな……」と男性が考えている時、つまり「彼が行動を起こす前」に活発化します。
(中略)
好奇心を持つと、線条体が活動して多量のドーパミンが放出されるのに加えて、脳の中で「オピオイド」という神経伝達物質が分泌されます。
これは、「ご褒美」を楽しむ時に関わって出てくる物質です。
(中略)
ドーパミン細胞は、特にワクワクしていなくても、居心地がよくなかったとしても、何か新しい情報を探し求めている時は活動します。その場合、ドーパミンは脳内で活発になっていますが、楽しんではいないので、オピオイドの活動はほとんど見られません。
(中略)
さらに、最近の研究では、海馬が「将来起こるかもしれないこと」のシナリオを想像する時にも、大切な役割を担っているとわかってきたのです。
つまり、ご褒美を期待している時、海馬が同時に活動しているとすると、探求したいという気持ちは好奇心だけから来るものではない、ということになります。
ものごとの「結末」がその思い出に大きく影響する(P100)
ある出来事の、「最も強烈な感情の瞬間」と、「結末の迎え方」は、私たちの記憶に深い影響を与えます。
(中略)
幸せな結末を覚えているか、あるいは不幸せな結末を覚えているかで、実際に記憶の印象が変わってくるのです。
最も重要なのは「プラスの出来事にどう反応するか」(P118)
パートナーと強い絆を結びたいと思った時、相手を愛し、認め、理解していると伝えたい時、最も重要なのは「プラスの出来事にどう反応するか」です。これは「相手が大変な出来事に遭遇している時に、どう反応するか」よりも大切なのです。
好奇心を持つということは、楽しい気持ちや関心を、どんどん表に出すこと(P156)
最も人生のアドバイザーに適していないのは、(P179)
自分をよく知っている人、つまりパートナーや親友や両親だったりします。あまりにも親しすぎると、ものごとが客観的に見られなくなるのです。
不安と好奇心のシステムは(P185)
ステレオの音量とバランスを調整するのに使うような、ふたつの目盛りです。
一番おなじみなのは「不安の目盛り」。この目盛りには、0から10まで数字がついていて…(以下略)。
(中略)
もうひとつの目盛りは「探求心の目盛り」です。
不安の目盛りと同じように、この目盛りも0から10まで動きます。あなたが唯一コントロールできる目盛りでもあり、実はこちらの方が重要です。あなたがどれだけ心をオープンにして、経験をあるがままに受け入れているかを示しています。
(中略)
不安が高くて探求心が低いと、絶対に状況を変えることはできません。
(中略)
意のままに動かせない「不安の目盛り」とは違い、「探求心の目盛り」はどの位置にでもセットできます!
なぜなら、「探求心」とは感情でもなければ思考でもない、「ひとつの」選択だからです。
心配事はエネルギーを消耗させる(P195)
人が自由に使える知力は限られていますが、心配事はそれを消耗させます。クヨクヨばかりしていると、他の作業に使える知力が減ってしまうのです。
一流選手はムダなことに脳を使わない(P196)
たとえば、1塁に立っている野球選手は、ピッチャーが次の投球をするまでの数秒間で、2塁に盗塁するかどうか判断します。しかし、あまり優秀でない選手は、「特に何もしていない」時にも、脳が活発に活動しています。
一見、いいことのようですが、知力の活動に余裕のある選手の方が、グラウンドやコートやトラックでプレーする時には有利。実力を最大限に発揮できるのです。
(中略)
いつもクヨクヨしているアスリートは、結果が出せないだけでなく、ムダな労力を使うせいで、肝心な時に興味を持ったり楽しんだりするエネルギーが残っていません。
理想的なのは、「ちょっと不安」くらい(P200)
その方がやる気も出るし、注意をやるべきことの細部にまで向けられるので、あとは深呼吸をし、気持ちを引き締めて、今この瞬間に集中すればいいだけです。
ほどよい不安は長所やスキルを引き出し、ベストな仕事をすることができます。
不安とつき合うポイント(P204)
ふたつのシステム(不安と探求心のシステム)のうち、探求心の目盛りを上げること。
マイナスの考え方があなたを不安にしている(P210)
私たちは自分で思っている以上に、新しいことや、やりがいのあることをうまくこなせるし、それを理解することもできるのです。私たちを退屈にし、不安にしているのは、疑うこともなく受け入れているこうした「マイナスの考え方」なのです。
行動と信念は一致していますか(P227)
信念と結びついた目標を達成するために、どれほど努力していますか。言っていることとやっていることに違いがあるなら、その理由は何でしょう。自分に問いかけ、本当の「生きがい」を見つけ出すことです。
「腹のくくり方」がうまい人の特徴(P230)
1.人生には絶対に「マイナスのこと」も必要
2.起きたことを嘆かない
3.人と比べない
4.無理しない
5.焦らない
6.時間が必ず解決してくれる
7.優先順位をつける