毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

齋籐メソッド実践編☆☆☆

大事なことは3つにまとめなさい!
齋藤 孝
ビジネス社 (2010/4/21)
¥ 1,365

続々出版される齋籐先生の本。こちらは春に出たもので、図書館で順番待ちをして読んでみた。タイトルの「3つにまとめる」とサブタイトルの「ノート術」に惹かれたからだ。 ====


齋籐先生のやり方が好きで、本を何冊も読んでいる私にとっては楽しい本だったが、これを純粋に「ノート術」として読むと、また評価は違うような気がする*1

「図化」や「弁証法」で出てきた人と話をする時にノートを使う方法や、「ワザ化」の具体的な方法がわかるし、3色ボールペンの使い分けがこの本でやっとスッキリわかった*2

もちろん、タイトルの「3つにまとめる」は全編通して出てくるが、これは齋籐先生オリジナルではないので、それほど目新しい印象はない。下のメモにも書いているがより具体的な手法の「川のフォーマット」は使えそうだ。


個人的に☆は3つにしたが、齋籐メソッドに興味のない人にはピンと来ないかもしれない。逆に、今から齋籐先生の本をいろいろたくさん読むのは大変、という人には入門の1冊としていいと思う。いろんなテーマが少しずつ出てくるので、ここからさらに興味のある本に進んでいくとわかりやすそうだ。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

「次に自分が話すつもりで」ノートを取る(P30)

話を聞いている時点で、「次に自分が話すのだ」と思ってノートにしないと、再生することはできない。これが、受動的にノートを取るのか、攻撃的にノートを取るのか、という意識の差だ。意識のあり方によって、話の吸収率が全然違う。「次に自分が話をしなければならない」という差し迫った状況になってはじめて、攻撃的なノートの取り方ができる。

自分の経験も一緒にメモする(P30)

話されていることが網とするなら、その網で、自分の経験値の海から魚を取ってくるのをイメージしてほしい。「自分にも似たことがあったな」「以前こういう話を聞いたな」という具体的なエピソードをメモする。
客観情報と主観情報をどちらもノートに書くのである。

3色ボールペンでノートを取る(P55)

外の情報を青で、自分のことを緑で、そして情報と自分が結びつく、「あ、ここだ!」と思えることを赤で書くようにする。

人のワザの盗み方(P63)

自分の仕事スタイルを見つけようという場合、まずは、いろいろな人のいいと思われているワザをノートに書き出してみる。そのワザを身につけるためのトレーニングメニューを自分なりに組み立てる。
(中略)
仕事では、何でも教えてもらえるわけではない。仕事のできる人を見て、そのワザを盗もうとすれば、成長は早い。同じように自分のやるべきトレーニングメニューを見つけ、それをこなしていけばいいのである。
ワザを盗む観点と、トレーニングメニューを組み立てる観点が合わさると、上達は早い。

余熱調理仕事術(P71)

何かに集中した時というのは、しばらく余熱が残っている。この時の熱を利用して、少しでも進めるのが「余熱調理仕事術」である。今日気づいたちょっとしたことを、ノートに書きとめておけば、少しずつ前に進むことができる。
(中略)
仕事の後、余熱のあるうちに、ほんの10分でもいいから、ノートに向き合う時間を作る。…とりあえず何はなくともノートを開く。そういうクセが身につけば、ノートを目の前にすれば、整理しようという気になる。

川のフォーマット(P96)

何かエピソードを聞いたり読んだりした時、それを自分のものにするのには「川のフォーマット」が役に立つ。
川に見立てた2本の横線を引き、こちらから向こう岸までの間に3つの踏み石を置くようなイメージで、3段論法にする。踏み石をポンポンと踏んで、向こう岸に渡れることをイメージして、踏み石の中に言葉を書く。単に箇条書きにするより、図化する方がポイントがつかみやすい。

川のフォーマットの例(P97)

「なぜ勝海舟は大事業をなしとげられたのか?」
1.勝海舟は歴史的に派手な活躍をしたが、若い頃は禅と剣の地味な修行をしていた
2.58巻もある蘭和辞書を、1年で2部もまるまる書き写したエピソードがある
3.勝海舟は大事業をなすには粘り強くあることが大切だという考えを生涯を通じて持っていた

話し手と聞き手の間には、知識の断絶がある。その超えられない断絶をイメージしたのが、川だ。
聞き手がメッセージを受け取るには、川を渡る必要がある。そこで、話し手は踏み石を置く。まったくの地続きでは面白くなく、かといって石が少ないと途中で流されてしまう。3つの踏み石を踏んで、川を渡ることができると、聞き手は充実感を持てる。「いい話を聞けた」と思える。

ポイントを3つにまとめる(P100)

要点を押さえるというのは、テストでいえば得点になる部分を押さえるということだ。些末な部分を覚えていても、得点にはカウントされない。答えてほしい点をきちんと押さえると、点数が上がる。
単純に「覚える」という意識でいるより、「頭にノートする」という意識になると、急激に点数は上がる。どんな話にも、「すごく重要な骨格」と、「まぁ重要な情報」と、「面白いと思うポイント」がある。この3点を見つけて、再生するように習慣づければいいのである。

「ノートにはポイント3つ」を意識する(P102)

普通にノートを書いたら、最後に、123と番号を加える。金銀銅みたいなものだ。3色ボールペン式だと、重要な1が赤で、まぁ重要な2が青で、面白い3が緑になる。
最後に番号を振る場合は、ノートの中では2、3、1という順番になるかもしれないし、3、1、2かもしれないし、メモを取っている時点ではわからない。
(中略)
ノートに書いたことに、123と番号を加える習慣をつければ、ワザとして身につきやすい。

企画にノートを使う(P112)

ノートを開き、まず一番上にタイトルをつける。
(中略)
タイトルの横には、パッと思いついた「問い」を列挙しておくとよい。
(中略)
そして、その規格を箇条書きにしていく。「コンセプト」「対象」「ポイント」「キーワード」など、思いつくものを書いていくと、だんだん「これがこの企画のキモだな」というのが見えてくる。それをすかさず図化したい。

教える立場で書くと、吸収度が上がる(P119)

セミナーを受けているほとんどの人は講習を「受ける」という心構えで臨んでいる。私の場合は、「授ける」心構えで臨んでいた。なぜなら、「学習効果が最も高いのは、教える側に回った時だ」というのを知っていたから。

「社会科見学方式」で段取りを書き抜く(P122)

学校教育の一環で行くから、ぼんやり眺めているわけにはいかない。必ずノートを持たされた。製品がどのように作られているのか、その様子をメモして、あとで発表するのだ。「鉄が真っ赤に燃えているなぁ。すごいなぁ」と眺めているだけだったら、「鉄ができるまで」を説明することができない。そのプロセスを図と文章でメモしていけば、完璧ではないにしても、およその流れは説明することができるようになる。
さらに、工場の人の話を聞き、要点をメモする。

マニュアル作りにも3色ボールペン方式が使える(P136)

絶対にはずしてはいけないことは赤で書く。
一応、段取りとしてやらなければいけないことを青で書く。
そして、自分の問題意識や工夫、コツについては、緑で書く。

概念は、自分の具体的エピソードと結びつけると定着する(P148)

そして、その概念を使いこなせるようになる。これは一挙両得である。経験値の海に沈んでいた魚を浮かび上がらせることができ、新しい概念を使いこなせるようになるのだ。

すぐコメントするための下準備(P162)

「何かある?」と聞かれたら、その瞬間にパッと言えば、会話のテンポが崩れない。そのためには、相手が話している間に、質問やコメントを考えておく必要がある。…聞かれてから考えたのではもう遅い。
(中略)
(テレビ出演の場合)せめて1秒くらいで話し始めなくてはまずい。話をふられてから考えたのでは、コメントはできない。文脈から、次に求められそうなコメントはわかるから、「こう聞かれたら、こう言おう」と考えながら、VTRを見たり、話を聞いたりしている。
コメントをタイミングよく言うのには、準備の技術がいる。

問題を解いたあとのレベルには4つある(P182)

1.解きっぱなし。答え合わせをしないというレベル。
2.解答を読んで「ああ、そういうことか」とわかった気になるレベル。
3.自分の答と解答を照らし合わせて、足りないところをノートに書き込む。
4.何が間違いの原因だったのかをノートに日本語で書き、矢印でそのポイントを示す。

間違いの原因をノートに書き込むようにすると、「このパターンの問題は、ここを押さえれば絶対に解ける!」というのがわかってくる。パターンに対する戦略が整理され、「パターン&ポイント集」ができる。

*1:いろんなことがいっぱい詰め込まれているので…

*2:3色+黒のボールペンは持ち歩いていますが、齋籐メソッドは使いこなせていませんでした…