毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

販売のバイブル☆☆☆

この本も小飼弾氏の『新書がベスト』で紹介されていたもの*1。前から行動経済学などに興味があり、小飼さんが“この値段でこんなに情報公開してしまっていいのか”と書かれていたので読んでみた。評判に偽りなし、の名著だった。


開くとビッシリと詰まった文字、しかも翻訳ものなので、最近の余白や太字など読みやすさを重視した本を読み慣れた身には辛いかな、と思ったが、面白くて一気に読めた。

著者の仕事は小売業の実情を調査し、改善策を提案するというもの。こういうリサーチは今は一般的になっているが、著者が最初に始めたのだそうだ。「ショッピングの科学」、つまりどんな時に人は購入を決意するのか、売る側はどこに気をつければ購買意欲を高められるのか、そのノウハウが惜しみなく紹介されている。
たとえば、「犬のおやつ」の陳列位置を変えて売り上げが上がった話や、ドラッグストアの通路の広さと売り上げの関係、買い物カゴをどこに置き、広告はどこにどんな大きさで掲げるのが最適なのか、などなど。とにかく面白い。


テーマがショッピングなので、買う側しか経験がなくても身近なので楽しく読めると思う。
ひとつひとつは大きなことではない。この程度で?というものも多い。でも、確かにここが改善されれば買うだろうな、というポイントをしっかり指摘してある。
私は「販売」に携わっていないが、“購入心理”はすべてのビジネスにとって大切なことなので、いろいろと勉強になった。流通業に長年いた友人によれば、この本は「百貨店人のバイブル」だそうだ。

ところどころ英語独特のジョークもあるが、訳でうまく処理されているのか違和感なく、スイスイ読めた。かなりの文章量なので、読むかどうか不安な方は、まず18章を読んでみることをお勧めする。この本で言ってきたことがまとめられているので、全体像がつかめると思う。
また、このネットショッピングについても17章で書かれている。最新ではないが、本質的なことは変わっていないので充分役立つと思う。

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読書日記:『新書がベスト』

*1:私が図書館で借りたのはハードカバー(¥1,890)でした。内容は同じです