NHK「プロフェッショナル」は水泳の北島康介選手だった。北京オリンピック後しばらく休んでいたが、アメリカで練習を再開したという。
平井コーチのもとを離れ、自分で練習場所を探したそうだ。今は大学のクラブに練習生として参加している。
そこでは、自分で考えて練習メニューを決める。あくまで選手の自主性に任せる、という方針だ。練習の準備も自分たちでやるし、環境も特に恵まれているわけではない。ある時など大学が間違って大会直前に市民開放日を設定してしまい、2コースだけ使わせてもらって練習、という困ったことになっていた。
そうまでして、北島選手がこだわったものは何なのだろう。日本にいたら常に注目され、期待され続けるプレッシャーが辛い、というのはわかる。アメリカではスーパーで買い物をしたり、自由に歩いたりしてのびのびしていた。
でも、競技の結果は?
この放送では、アメリカでのやり方でも結果が出た、というところで終わっていたが、(実はずっと後にこの日記を書いているので)アジア大会で成績が振るわなかったこともわかっている。
北島選手の姿を見ていて思い出したのが、高橋尚子さんのことだ。小出監督から離れて自分でチームを作り、練習をした。でも、思うような結果が出せずに引退した。素人だからよくわからないが、小出監督の指導をあのままずっと受けていたら、もっと違う形で引退できたんじゃないか、と思ってしまう。
超一流の人にしかない悩みかもしれない。でも、こんなに人生を左右しないとしても同じようなことを私たちはしているんじゃないか、と思った。
優先順位は自分で納得のいくように決めればいいが、小さなことにこだわって本当に大事なことを見失っていないだろうか。
北島選手やQちゃんの選択が間違っているとは思わない。もしそれで結果が出なくても本人が納得しているのなら、それはそれでいいと思う。
でも、「こだわり」は第三者が見るとあんまり重要じゃないことも多い。「自分でやります」「ひとりでやらなきゃ意味がない」と私もつい思ってしまうが、人の助けを借りてもいいのかもしれない。
そんなことを考えてしまった。