毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

正しい自分のプロモーション方法☆☆☆☆

このブログでもたびたび紹介している、本田直之さんの著書。ずいぶん前に本田さんの訳した本『パーソナルブランディング』を読んで、自分の仕事を始める時に参考にさせてもらったが、ご自身の本も出たんだ、と楽しみにしていた。期待を裏切らない、いい本だった。


今でこそ「レバレッジ」で有名な本田さんだが、以前とある敏腕編集者と会って本が書きたいと訴えても、「よさがわかりません」と却下されたという。今では信じられない話だが、本田さんも自分のプロモーションのやり方がわからなかった時があるのだ。そんな最初の体験から、いかに自分ブランドを構築し、自分の“商品価値”を広めて行ったのか、まさに本田さん自身が作り出したノウハウが惜しみなく公開されている。


本田さんのヒントになったのは、ご自身の会社で体験したIPO(株式公開)だったそうだ。企業の価値を知ってもらう活動は、ほぼそのまま“個人ブランドの構築”に使えたという。
さまざまなノウハウの中で特に印象に残ったのは、「過剰なブランディングはかえってマイナス」と、「第3者の意見は大きなヒントになる」。等身大のブランドを作り、そのイメージを壊さないように細部にまで気を配るところは、改めて「ブランドは大きな武器なんだなあ」と感じた。第3者はやはり客観的な見方が必要、ということだろう。自分が売りだと思っているところよりも、別の部分に興味を持たれることは案外多い*1

レバレッジ」という言葉を見つけるまでの試行錯誤や、本から「レバレッジ」というフレーズを外した時期とその理由まで、生の体験談が聞けるのも面白い。

また、本田さんはいろんな人の本のプロデュースもされているそうで、それぞれの著者の強みをどこと思い、何かを考えてどうプロモーションしたか、という例がいくつか挙げてあり、とても勉強になった*2


途中、さまざまなワークもあり、やりながら読み進めれば自分のプロモーションの軸がつかめてくる。
訳書『パーソナルブランディング』は少し時代が古かったり、日本にはなじみにくいものもあったりするが、この本に書いてあることはすべて本田さんが実証済みなのだ。こんなにありがたい本はないと思う。一番いいのは本田さんにプロデュースをお願いすることだろうが、それができない人はぜひこの本を買ってトライしてみてください。それだけの価値はあります。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

プロモーションと売り込みは異なるもの(P48)

私は売り込みが大嫌いなので、プロモーションをしっかり行うようにしています。プロモーションをしっかり行うことで、自分で売り込まなくても、向こうから選んでもらえるブランドが生まれてくるからです。
苦手だからといってプロモーションをしないでいると、それによって結局、「せっかくがんばったのに売り込みを続けなきゃいけない」ということにもなりかねません。

キャリアアップよりもプロフィールアップ(P58)

プロフィールアップとは、プロフィールにかける実績やスキル、自分オリジナルの事柄を増やしていくことです。そのために、肩書きや社名、組織名に頼らずに、個人としての実績やスキルを高めていきます。具体的には、「何ができるのか?」「個人として挙げた実績は何か?」「社会にどんな貢献ができるのか?」「人に何を教えられるのか?」、あるいは「どういう人間か?」「どんなライフスタイルを志向しているのか?」といったことまでをはっきりさせていきます。そこでは、会社や組織のブランドは関係ありません。

あなたの自己紹介を聞いて、相手にどんなイメージを持ってほしいのか(P62)

それをつねに考えるトレーニングをすることが、パーソナル・マーケティングの第一歩です。

「誰の役に立つか?」を徹底的に考える(P101)

パーソナル・マーケティングにおいて「ターゲットはどこか?」を検討するということは、イコール「誰の役に立つか?」を徹底的に考えることです。この作業を経ることで、あなたの個人的な領域に属していた能力や経験が、ビジネスや社会に通用するものになっていきます。

独自性のポイントは、専門領域を生かすこと(P149)

「人より秀でていること」「人が興味を持ってくれること」を掛け合わせるのが基本です。

自分のコンテンツをワンフレーズで表現する条件(P151)

1)自分が目指している方向に合っていること……格好よいフレーズが思い浮かんでも、それが自分の方向性と合わないようでは後々苦労します。
2)難しすぎないこと……あえてだれも意味が分からないフレーズを意図的に使うというケースもまれにありますが、一般的には、クチコミになりやすいことを考えて、難しすぎるフレーズは好ましくありません。
3)当たり前すぎないこと……2と逆のようですが、日常で当たり前に使われているようなフレーズでは、相手の記憶に残りません。一瞬でも、それを聞いた人が「あれ、何だろう?」と考えるようなフレーズが、よいフレーズです。

*1:実は本田さんの最初の本『レバレッジ・リーディング』もそうして生まれたそうです

*2:その中のひとり、湯本優さんの『インナーパワー』はたまたま家族が借りてきていたのでほぼ同時に読みました。読書日記はこちら